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20 甘いお仕置きとご褒美
4 ※
しおりを挟むゆっくりと舌が離れると同時に久世社長の顔が太ももから上がってくる。
顔が近づいてきたと思った瞬間、冷たい瞳の奥に熱が宿っているのが見えた。 それだけで、息が詰まりそうになる。
「……っ」
「何か言いたいことがあるのか?」
ゆっくりと形のいい唇が動く。言いたいことがあればはっきりと言えと訴えられると、私は再び口を開いた。
「確かに宗方さんとは話したけど……ほんの数分だし。久世社長が紗英さんと話してた時間の方がずっと長いじゃないですか……!」
ここで怯んじゃダメだと自らを鼓舞して彼を睨む。いつもの“生意気”と言われるような言い方になってしまうのも仕方ない。
「私のことは全然褒めてくれないのに、紗英さんのことはずっと褒めてたし……私と話してる時より、ずっと楽しそうだった……なのに私だけが怒られるなんて、理不尽すぎます」
ゆっくりと、だけどはっきりと紡ぐ反論に込み上げる恥ずかしさ。言っている途中で少し声が小さくなった気がするけどなんとか最後まで言うことが出来た。
だけどすぐに気づいた。こんな話まるで――。
「……嫉妬してるのか?」
「――っ、そんなわけ……!」
かああっと頬が一気に熱く、赤く染まっていくのがわかった。まさに図星を突かれて目線をあらぬ方向へ。
「逃げるな」
「あっ……やだ」
だけどすぐに久世社長の指に顎を掴まれて瞳を覗き込まれるとそれだけで身体の中でくすぶっている熱が高まって、あの時と同じ感覚に襲われる。
看病されたあの日、ベッドの上に言わされた本音。またそれを引き出される気配。だって多分このあと――。
「言え」
「――っ、ずるい」
ほら来た。逆らえない命令が耳元に落ちて来る。低い声。だけど、もう怖くはなかった。
「この“生意気”な口で“わがまま”を言ってみろ」
理不尽な怒りを向けられていた筈なのに、いつの間にかまた命令される展開なっている。
紗英さんと話してたことが面白くなかったなんて――絶対に言いたくなかったのに。
一体いつから私は……久世社長が他の子と仲良さそうにしていることに嫉妬しちゃうようになっちゃったの?
「やだ……っ、私は……ぁ」
久世社長の親指が唇を這う。口紅が取れちゃうのに――だけど、そんなことどうでもいい。
「私、久世社長の都合のいい女じゃない……っ!」
どうせ私の反応を見て楽しんでる。欲しい言葉ひとつくれないのに、私にばっかり言わせようとするのずるい。こんな風に、いいようにされるなんて――絶対に嫌だ。
けど同時に、久世社長には逆らえない。こんな風に太ももと舐められただけで――こんなにも濡れて、物足りなさに腰が揺れそうになってる。そんな状態で、こんな反論――絶対効果はない。
「そういうことじゃない。ちゃんと言えと言っている」
「……っ、あっ……ん」
ビクンッと腰が跳ねた。太ももへ添えられていた指がショートパンツの上から濡れた場所へと触れる。下着が濡れているせいで布地が柔らかく滑れば、太ももを舐められて感じていたことは簡単にバレてしまった。
……バレた。全部、見透かされてる。
どうしてこんなに悔しいのに、身体は嬉しそうにしてるの……?
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