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30 サプライズの先に
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しおりを挟む「恋人同士ってことでいいですか?」
「そうだな」
「本命彼女ですよね? 私が一番ですよね?」
「ああ」
「……浮気したらLUNARIAの社員に言いふらします」
「するわけないだろ」
立て続けに怒涛の確認。
久世社長は圭吾さんとは違う。けど、どうしても気になってしまうし、声に出して伝えて欲しい。
私が本命で、私が一番。私しかいないって。
「俺はあの男とは違う」
頬を撫でられながらの真のある強い言葉。真っすぐな強い気持ちに最後に残った不安も次第に消えていくのがわかった。
言葉ひとつで不安を搔き消す彼は魔法使いみたい。
「だからお前も俺以外に簡単に愛想振り撒くな」
「別に振り撒いてなんか……!」
いつの間にか、久世社長の腕が腰に回り、強く引き寄せられている。耳元に触れた低音にゾクリと背筋が簡単に震えて、出来たばかりの恋人の腕にまた閉じ込められる。だけどこの腕の中はどこよりも息がしやすい場所みたい。
「お前はいつも人の視線を引き寄せる」
「それは……!」
そして頬を撫でていた指先が首元へのリボンへと伸びて、ゆっくりと引っ張られる。しゅるりとリボンを解く指先を見つめていると耳元で低音が続く。
「今夜……何人の男がこのリボンを解きたいって思っただろうな」
「そんなこと……!」
気持ちを伝え合った最初の夜。このあとの展開を予想してなかった訳じゃない。それに――正直期待している。
頭の中で今日の下着大丈夫だよね、なんて考える。それと同時に首筋に吸い付かれてしまえば、シチュエーションに浮かれている私はそのまま久世社長に身を委ねた。
「今夜は返さない」
「ぁ……っ」
甘い誘惑に身体が熱くなる。
このまま心だけじゃなくて、身体も久世社長のものにして欲しい。
気がつけば背中のファスナーまでも降ろされていて、相変わらずの手際の良さにドキドキしちゃう。けど、ベッドに押し倒された時、あることを思い出した。
「あ、待ってください……!」
「待たない」
「けど……っ、私、プレゼント……!」
いつの間にかベッドの下に落ちた久世社長への誕生日プレゼント。私だってプレゼント渡したい。そう訴えると、私の身体を撫でていた久世社長の手がピタッと止まった。だけど、それも一瞬だった。
「あとでいい」
「ひどい……! 一生懸命選んだのに……!」
まるでどうでもいいみたいな言い方。あんなに悩んで選んだプレゼントなのに。ふいに頬が膨らむと久世社長がまた口端を上げた。
「言っただろ? どんなものより……俺にとってはお前が一番のプレゼントだ」
かあっと頬がまた焼けるように熱くなる。私が欲しいもので、私がプレゼント。意味わかんないけど――嬉しい。こんなにも求められて、この冷徹社長の独占愛を感じるともう抵抗出来なくなってしまった。
「じゃあ……召し上がれ……?」
もう降参だ。少しの間に色んなことが起こって感情が追い付かない。
でも、はっきりわかることがある。
――私は久世社長が好き。今の私は、彼の恋人。そしてこれから、恋人と過ごす最初の甘い夜が始まる。
耳元に触れる熱い吐息。その言葉だけで、身体の奥まで甘く縛られる。
息が詰まるほどの独占と、溺れるほどの愛情。抗うことなんて、もう出来ない。
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