アヤ取り

ゴンザレス

文字の大きさ
21 / 39

4

しおりを挟む
 沈み込む尻と、同時に仁作の膝からもたさられる多少の軋む音が、鴬を期待させる。

「鴬。18まであとどれくらいだっけか」
「あと数ヶ月だよ」
「……じゃあ、数ヶ月フライングだけど、いいか?」
「——っ!! 待ってました!!」

 せっかくサプライズで作った夕飯のことなどすっぽりと抜け落ちて、脳内には興奮で欲情に支配される。これまでキス止まりだったもどかしい日々におさらばできるのだ。

 ——きっと今まで以上に良心の呵責もどきと対峙する瞬間が減るのだろう。

 仁作が「今日ばっかりは最後までするからな」と何度も確認をしてくる。

「仁作、もういいから。早く」
「——っ、そう急かすな。飛びそうになんだろ」

 勿体ぶっていたのではなくて、仁作自身の精神を落ち着かせるための時間稼ぎだったらしい。ベッドに鴬を下ろし、押し倒す形になった時点で湿った呼吸を荒くしていたくせに。

 鴬にとっては焦らしプレイでしかない。「……っ、もう、飛ばしなよ。ワガママ言うんでしょ?」上に乗られている鴬が主導権を握ったように煽り続けた。
 シャツをたくしあげ、仁作のチラリズムを刺激しながら、ニヒルに笑む。

 「……っ」ついに呼吸だけになった仁作は、片手で鴬の手首を束ねる。それから、鴬自らたくし上げていたシャツを口に突っ込んで、自身は以前と同様にぷっくりと期待した艶やかな粒を噛んだ。

 また、同じように、味がした。

 嬌声を上げて、腰をくねらせる鴬。期待値を大いに超越していて、身体が自然と逃げ腰になる。それでも鴬は、「もっとっ」と口では強請り続ける。
 そして、口を開いた時には仁作の顔は既にその場所にはない。

 仁作は鴬の矛盾に気付かないまま、尚も言葉を発することなく逃げる鴬の腰を捕まえて、触れる舌が徐々に陰部へと下がってくる。
 恥骨まで仁作の顔が下がってきたところで、顔を上げられた。瞬間的に不安に駆られたが、どうやら杞憂だったらしい。

「っと、ごめん。俺、余裕ないから、すぐ後ろ触りたい」
「ん、いいよ。ちょっと待って。僕、手が未だに使えないから、ベッドのとこの引き出し開けてもらえる?」
「っあ、ああ。悪い」

 鴬も仁作自身も手が開放されて、両手が自由になったところで、鴬から指示された引き出しを開けてみた。

 「んだコレ」率直に口角をひくつかせて、仁作は引き出しの中身を取り出す。ゴムは大量に出てくるわ、ローションは数種類出てくるわ、それも使用済みの物ばかりとツッコミどころがあまりに多すぎる。

 絶賛ドン引き中の仁作は、暫時沈黙を作ってから「……お前は高校生か?」と組み敷いている秀才にいう。

「何言ってるのさ。僕は高校生だよ」
「……いや、でも、こんなたくさん常備しとくもんなのか? 今の高校生ってのは」
「そうだよ?! だって思春期だもの。そりゃたくさんシたいに決まってるじゃん」

(本当は早く仁作と既成事実が欲しいだけなんだけど……)

「……」

(あれ? 仁作の……さっきまですごかったのに、今なんか、萎んでない? 気のせい?)

「お前……俺が大事にしたい気持ちを大事にしてくれるんじゃなかったのか」

 鴬を組み敷いている仁作が少し動いて、腹の上で跨いだ。完全に馬乗り状態だ。心なしか、見下ろす仁作の視線も凍てつくような痛さを伴う。
 しかし、鴬は仁作のいう秀才だ。

「ちょっと、勘違いしないで!!」
「……」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

ヤンデレ執着系イケメンのターゲットな訳ですが

街の頑張り屋さん
BL
執着系イケメンのターゲットな僕がなんとか逃げようとするも逃げられない そんなお話です

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

美形な幼馴染のヤンデレ過ぎる執着愛

月夜の晩に
BL
愛が過ぎてヤンデレになった攻めくんの話。 ※ホラーです

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...