アヤ取り

ゴンザレス

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 「はぁーーー。ったく……分かってたけど、嘘でも妬けるんだよ」仁作は溜息まじりで握られた腕に視線を落とす。

 未だえぐえぐと泣き続けている高校生の力とは思えない力で、仁作の腕を離さない。
 仁作がいくら「素直に白状したから許した」と言い聞かせても、鴬にとっては恐怖を植え付けたようで、仁作の下で「ごめんさい」を連呼する。

 良心の呵責もどきは仁作の手によって呼び戻されたらしい。

「鴬」
「——っごめんなさい………ごめんなさい」
「鴬」

 呼びかけに謝罪を返す鴬は、まるで仁作の声が耳に届いていない。仕方なく、「鴬!!」と声を荒げて、遮った。

「俺は逃げないから、手を離してくれ」

 「……」と謝罪以外の言葉は口を噤んで首を振る。

「俺、両手掴まれてキスできないじゃん」
「……でも、勃たないんでしょ? 僕に」
「匂わせする鴬には、な。今は? 俺だけか?」

 その言葉に鴬は、はた、と泣き止んで、今度は首がもげるほど上下運動を繰り返した。

「じゃあ最初から俺だけでいろ。鴬の二面性は俺も知ってるけど、俺にカマをかけたって無駄なことを今日のことでよく学習しとけよ?」

 口から咽頭部まで伝う空気の量が一気に増えてしまって、ひゅ、となった。

(え?! どこまで僕を知ってる? ——久我さんのこと? 遊馬組のこと? それとも僕が周知していないところでのこと?)

「鴬の世話役だった俺にとって、鴬の表情の変化くらい誰より見抜けるんだから、嘘ついても無駄だって言ってんだ。俺に向けた愛想笑いだって簡単に分かっちまう」
「そ、そうだったんだね。流石僕の彼氏?」
「そういうこった」

 得意げな顔をする仁作になぜかこちらが絆されてしまった。どうやら、鴬の二面性ではなく「嘘」を見抜けるだけらしい。心臓に悪い言い方をする仁作に少しだけ、悪口を垂れたくなった。

 奇想天外な展開で鴬自身、精魂すり減らした気がするが仁作が満足そうな顔をするので力が緩んだ。
 すると、当然捕らえた仁作の腕は鴬の手からするりと抜けて、いわゆる正常位になり「続き、すっか」と途中まで脱がせていた鴬の下着に男の象徴を押し付けた。

 「俺は準備完了した」と次は鴬の手を握って、自身の主張するソレを撫でさせた。

「やったっ。僕、本当は仁作が理性飛ばして怪我させるのが嫌だって言ってたから、自分で解したり洗う方法を練習したり、本番で怪我しないように準備したから……今日は多少の無茶されても大丈夫だよ!」

「……——はぁぁぁぁーーー。っとに……」

 ベッドに散乱したゴムとローションを手に取って、「コレ、使ってもいいか? 優しくしたい」と言いながらゴムの一つを口で破り切った。

 その後はめくるめく時間を過ごすことになるのだが、2人は初夜であるというのに朝方までそれは続いた。
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