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1章
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「お待たせしました」
戦の場であるAカフェに到着した。
「お待ちしておりました」と席を立ち上がり、一礼する。
「仕事のお話ということだったんですが、正直にいうと、僕、仕事してないんで、全く何の仕事の話か検討もついてないんですけど」
「あら、ご謙遜を。お一人で稼ぐ力がお有りではないですか、その力を是非我が社でも発揮されてみてはいかがと思いまして」
「どうしてこんな名指しで?」
「それを今からご説明いたしますね」
女のしたり顔を見せられて、ここから彼女のショータイムが始まるのだと知らされた。
「お話はよく分かりました」田淵は一通り聞いて、口を開く。
「つまり、僕のような稼ぎ方をしている人たちを集めて、メルマガ配信の提携をしてほしい、ということですね」
「はい。そちら側に黒田の名前が使用できるので、メリットではないかと思います」
田淵は考える素振りを一応見せておく。
もとより、答えは決まっているのだ。今更考える余地はない。
「・・・・・・うーん、僕は結構です」
「――はい?」
「僕の場合、大企業がバックについていると、逆効果なので」
(僕のことを簡単に出し抜けると思ってリサーチもろくにせずに来てるじゃん。案外楽なのは助かるけど、ちょっとバカにされてるし、失礼だなこのクサイ人)
「今後の展開としては、ベンチャー企業との提携を考えていて、そこで利権を全て譲渡するつもりです」
綺麗な顔を徐々に歪ませていく。田淵には綺麗な女の人の凄みを増した顔は、黒田の母親で見慣れていて、多少の耐性があった。
「どういうことです」
「単なるHP運営で稼いできましたが、一応『副業』をテーマにしているので、大企業と提携してメルマガ配信なんかすれば、それこそそちらに利潤があったとしても、僕には信頼性に懸念が置かれて収入の伸びが悪くなります。まぁ、それなりに貯蓄できたので、それでもいいのですが、いずれ提携を約束しているベンチャー企業にお譲りしようと決めているので、どちらにせよ、お断りさせていただきます」
(提供するようなHP運営の仕方をしていればの話だけど)
「玄関先でいうのもなんでしたので」と田淵は付け加えた。
「差し支えなければ、そのベンチャー企業は名前をお聞きしても?」
「実は、まだ起業段階になっておらず、口約束のみです」
田淵の答えは「口実をてきとうに作ってでもそちらとは提携したくない」と言ってるも同然の答えである。
当然、女もその意味を理解したらしく、「遺憾です」とだけいった。
(こういう人しか周りにいなかったんだろうな、黒田君。だから、信用するのが苦手で、つい手段をとってやりすぎちゃうっていうのも何となく分かるな)
黒田を誑かさんとしていた目の前の女を見て感じた。
戦の場であるAカフェに到着した。
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女のしたり顔を見せられて、ここから彼女のショータイムが始まるのだと知らされた。
「お話はよく分かりました」田淵は一通り聞いて、口を開く。
「つまり、僕のような稼ぎ方をしている人たちを集めて、メルマガ配信の提携をしてほしい、ということですね」
「はい。そちら側に黒田の名前が使用できるので、メリットではないかと思います」
田淵は考える素振りを一応見せておく。
もとより、答えは決まっているのだ。今更考える余地はない。
「・・・・・・うーん、僕は結構です」
「――はい?」
「僕の場合、大企業がバックについていると、逆効果なので」
(僕のことを簡単に出し抜けると思ってリサーチもろくにせずに来てるじゃん。案外楽なのは助かるけど、ちょっとバカにされてるし、失礼だなこのクサイ人)
「今後の展開としては、ベンチャー企業との提携を考えていて、そこで利権を全て譲渡するつもりです」
綺麗な顔を徐々に歪ませていく。田淵には綺麗な女の人の凄みを増した顔は、黒田の母親で見慣れていて、多少の耐性があった。
「どういうことです」
「単なるHP運営で稼いできましたが、一応『副業』をテーマにしているので、大企業と提携してメルマガ配信なんかすれば、それこそそちらに利潤があったとしても、僕には信頼性に懸念が置かれて収入の伸びが悪くなります。まぁ、それなりに貯蓄できたので、それでもいいのですが、いずれ提携を約束しているベンチャー企業にお譲りしようと決めているので、どちらにせよ、お断りさせていただきます」
(提供するようなHP運営の仕方をしていればの話だけど)
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