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第九話 ボディガードの心得
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温かい感触の中に包まれ、寝転がる自分の上で上半身裸の圭太が居る。露わになった胸板を冷たい指先で撫でられピクンと体が揺れると、圭太は嬉しそうに笑う。
「たかちゃん・・・はぁ・・・綺麗よ・・・」
「や・・やぁ・・・」
高ぶるアソコがビンビンになっているのがわかり、それをうっとりしたように摩りながら、顔を見上げて言えるのが判って、余計に恥ずかしかった。それ以上に圭太の行動を許している自分が不思議で仕方なかった。それでも圭太の愛撫は止まらなく、違和感を感じ
覚醒した。
息は荒く股間に違和感があり見てみると夢精していた。げんなりする目覚めに余計に疲れてしまった。
そりゃぁ思春期真っただ中だ。淫夢くらい見るだろう・・・、それが何故、圭太とのやりとりなのかと頭を抱えた。
それを両親に伝えることも出来ず、無言でトランクスを脱ぎ
トランクスを隠すようにして洗濯物の中に入れて朝食をとる・・・気にはなれなかった。
「どうしたんだ?元気がないようだが?」
新聞紙を折りたたんで父が聞いてきた。隆は何も言えずにカバンを持って出て行った。それを見ていた両親は言わん感を感じつつも、まだ落ち込んでいるのだと思いソッとすることにした。
当然ボディガードの加納も付いてくるだろうと思っていたが、一緒に登校するわけではないようだ。少し安心した半面、いつ襲われるか分からないのもあった。
と思っていた矢先だ。
「良い匂いさせてるなぁ~。Ωか?ひひ、なぁ一発やらせろよ」
スーツ姿の頭にネクタイと言った朝帰りのサラリーマン風のオッサンが絡んできたが、多少の喧嘩は慣れているが出来れば関わりたくない部類だ。きっと殴って怒りだしてと嫌な予感がばっちり思い浮かぶ。それでも男としては対格差もあるので、どうしたものかと考えてると男が宙に浮いて地面に倒れた。
目の前にはスーツ姿の加納理恵の姿。何をどうやったのか分からないが二倍ほどの体格の男を宙に浮かせて投げ飛ばしたのか?と思いポカーンとしていた。そうすると加納は再び目の前から消えた。消えたというよりも建物の裏を走り抜けていった。どうやら、守ると言うのは影からという事らしい。
「あとでお礼言わないと・・・」
それにしても女性でもカッコいいなぁと思った。歩いていると頭にカバンが乗せられ振り返ると陣が居た。もちろんその後ろには圭太が居る。夢の内容が思いだされて顔が赤くなるのが判り、足早に走り去った。
「・・ぁ・・・」
「ド派手に嫌われたかもなぁ」
昨日の昼間の出来事を知っている陣がイジメるように圭太に呟くと圭太は悔しそうに唇をかみしめる。そして。
「上等よ!絶対振り向かせるわ!!」
逆効果だったようだ。拒むほど燃えると言うやつかと陣は呆れた。まぁ自分も似たようなことをしたので、言えた立場ではない。陣も一応だが番が居る。内緒だが陣もαであり常に薬を常備しており平均値であるβに近いものに数値を下げている。
学校に着くと、加納は普通に隆を呼び違う部屋へと連れて行った。また薬だろうかと思ったが、そこに陣も現れたことによって違うと判断した。
「お前、朝から襲われかけたんだって?薬飲んでもだろ?だからクラスに悪影響だから、休み時間以外は別教室だ」
「え?」
違う教室に入るとΩらしき男女が座っていた。キョロキョロとしながら中に入ると見知った顔があった。あちらも気づいたのか手を振っている。施設にいた誠也と悟だ。
「勉強する意味あるのか?」
二人が大学勉強までいっているのは知っていたので、厭味ったらしく言うと、二人は項垂れた。何かあったんだろうか?
「あんさんの番が施設に侵入したおかげで、万全ではないと一時的に学校に来たんや。久々すぎるけどなぁ」
「君の番はすごいね。あのガラス五センチの厚みがあったらしいよ?」
うん、化け物だとわかった。今後組み敷かれないように気を付けよ。二人と同じく後ろの方に座り話をしていると、教室の扉が開き陣と加納が入って来た。教卓に手を載せる陣が一言。
「まぁ個人的に襲われなくないと言う理由で来たΩの諸君!別に偏見なんて関係ないんだけれどね、希望があるので作ってみた教室なんだが、こんなにも集まるとは思わなかった。ちなみに番を見つけた子は居るのかな?」
数名が手を上げるが、隆は手を上げなかった。
「んん~?田中?俺の情報では、お前には番が居ると思うんだがなぁ~」
「番なんていません」
きっぱりと隆が言うと、陣は深いため息をつき、諦め半分の様に加納の紹介に入る。
「この人に君たちのにフェロモンは関係ないから安心していい。なんでも相談してくれ。俺は自分の教室に戻るからなぁ」
そう言って陣は簡単に外に出て行ってしまい、加納が何を考えているのか分からない生徒は話しかけても良いかと戸惑っていたが、隆が先に動いた。
「朝はありがとうございました。助かりました」
「え?面識あるん?」
その言葉に可能は嬉しそうに笑った。
「せんせーは笑ってた方が綺麗だよー」
様々なクラスメイトの言葉に段々と真っ赤になっていき、加納は教卓に前かがみで項垂れてしまった。隆が覗くと耳まで真っ赤で、ニヤリと笑う。
「先生可愛いー」
「もぉー!むりぃー!!」
「たかちゃん・・・はぁ・・・綺麗よ・・・」
「や・・やぁ・・・」
高ぶるアソコがビンビンになっているのがわかり、それをうっとりしたように摩りながら、顔を見上げて言えるのが判って、余計に恥ずかしかった。それ以上に圭太の行動を許している自分が不思議で仕方なかった。それでも圭太の愛撫は止まらなく、違和感を感じ
覚醒した。
息は荒く股間に違和感があり見てみると夢精していた。げんなりする目覚めに余計に疲れてしまった。
そりゃぁ思春期真っただ中だ。淫夢くらい見るだろう・・・、それが何故、圭太とのやりとりなのかと頭を抱えた。
それを両親に伝えることも出来ず、無言でトランクスを脱ぎ
トランクスを隠すようにして洗濯物の中に入れて朝食をとる・・・気にはなれなかった。
「どうしたんだ?元気がないようだが?」
新聞紙を折りたたんで父が聞いてきた。隆は何も言えずにカバンを持って出て行った。それを見ていた両親は言わん感を感じつつも、まだ落ち込んでいるのだと思いソッとすることにした。
当然ボディガードの加納も付いてくるだろうと思っていたが、一緒に登校するわけではないようだ。少し安心した半面、いつ襲われるか分からないのもあった。
と思っていた矢先だ。
「良い匂いさせてるなぁ~。Ωか?ひひ、なぁ一発やらせろよ」
スーツ姿の頭にネクタイと言った朝帰りのサラリーマン風のオッサンが絡んできたが、多少の喧嘩は慣れているが出来れば関わりたくない部類だ。きっと殴って怒りだしてと嫌な予感がばっちり思い浮かぶ。それでも男としては対格差もあるので、どうしたものかと考えてると男が宙に浮いて地面に倒れた。
目の前にはスーツ姿の加納理恵の姿。何をどうやったのか分からないが二倍ほどの体格の男を宙に浮かせて投げ飛ばしたのか?と思いポカーンとしていた。そうすると加納は再び目の前から消えた。消えたというよりも建物の裏を走り抜けていった。どうやら、守ると言うのは影からという事らしい。
「あとでお礼言わないと・・・」
それにしても女性でもカッコいいなぁと思った。歩いていると頭にカバンが乗せられ振り返ると陣が居た。もちろんその後ろには圭太が居る。夢の内容が思いだされて顔が赤くなるのが判り、足早に走り去った。
「・・ぁ・・・」
「ド派手に嫌われたかもなぁ」
昨日の昼間の出来事を知っている陣がイジメるように圭太に呟くと圭太は悔しそうに唇をかみしめる。そして。
「上等よ!絶対振り向かせるわ!!」
逆効果だったようだ。拒むほど燃えると言うやつかと陣は呆れた。まぁ自分も似たようなことをしたので、言えた立場ではない。陣も一応だが番が居る。内緒だが陣もαであり常に薬を常備しており平均値であるβに近いものに数値を下げている。
学校に着くと、加納は普通に隆を呼び違う部屋へと連れて行った。また薬だろうかと思ったが、そこに陣も現れたことによって違うと判断した。
「お前、朝から襲われかけたんだって?薬飲んでもだろ?だからクラスに悪影響だから、休み時間以外は別教室だ」
「え?」
違う教室に入るとΩらしき男女が座っていた。キョロキョロとしながら中に入ると見知った顔があった。あちらも気づいたのか手を振っている。施設にいた誠也と悟だ。
「勉強する意味あるのか?」
二人が大学勉強までいっているのは知っていたので、厭味ったらしく言うと、二人は項垂れた。何かあったんだろうか?
「あんさんの番が施設に侵入したおかげで、万全ではないと一時的に学校に来たんや。久々すぎるけどなぁ」
「君の番はすごいね。あのガラス五センチの厚みがあったらしいよ?」
うん、化け物だとわかった。今後組み敷かれないように気を付けよ。二人と同じく後ろの方に座り話をしていると、教室の扉が開き陣と加納が入って来た。教卓に手を載せる陣が一言。
「まぁ個人的に襲われなくないと言う理由で来たΩの諸君!別に偏見なんて関係ないんだけれどね、希望があるので作ってみた教室なんだが、こんなにも集まるとは思わなかった。ちなみに番を見つけた子は居るのかな?」
数名が手を上げるが、隆は手を上げなかった。
「んん~?田中?俺の情報では、お前には番が居ると思うんだがなぁ~」
「番なんていません」
きっぱりと隆が言うと、陣は深いため息をつき、諦め半分の様に加納の紹介に入る。
「この人に君たちのにフェロモンは関係ないから安心していい。なんでも相談してくれ。俺は自分の教室に戻るからなぁ」
そう言って陣は簡単に外に出て行ってしまい、加納が何を考えているのか分からない生徒は話しかけても良いかと戸惑っていたが、隆が先に動いた。
「朝はありがとうございました。助かりました」
「え?面識あるん?」
その言葉に可能は嬉しそうに笑った。
「せんせーは笑ってた方が綺麗だよー」
様々なクラスメイトの言葉に段々と真っ赤になっていき、加納は教卓に前かがみで項垂れてしまった。隆が覗くと耳まで真っ赤で、ニヤリと笑う。
「先生可愛いー」
「もぉー!むりぃー!!」
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