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ヤンデレ彼氏
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結局朝の6時まで裕に教えなければならなかった。
「いや、本当に助かる!ありがとう!」
「全く…今日は朝練ないの?」
そう聞くと裕はブンブンと首を横に振る。
「じゃあ朝ご飯食べてく?」
「いいのか!?」
すっごくキラキラした目で見つめてくる裕。彼の母親は小さい頃事故で亡くなってしまい、いつも家事をしていた父親は最近出張に行ってしまい、満足にご飯が食べられないらしい。
ご飯を私の母親と共に3人で食べ、そのまま一緒に学校へと向かった。
朝教室に着くと同じタイミングで悠君が入ってきた。
「センパイ、おはようございます!」
「おはよう、悠君」
「センパイ、今日僕の家へ来ませんか?」
日付を確認すると今日は普通に部活のある日だった。
「え…今日は部活があるから明後日でもいい?」
そう言うと悠君は少し不満そうな顔をして何かを呟いた。
「え?悠君?ごめん、よく聞き取れなかったんだけど」
すると悠君は急に弾けた笑顔になって「じゃあお昼一緒に食べましょう!中庭で待ってますね!」と言い残して教室から出ていってしまった。
お昼になり、中庭に向かうと悠君が先に待っていた。
「あ、センパイ!こっちです!」
悠君は両手を広げて手を振ってくる。
「あれ?悠君、お昼ご飯は?」
そう聞くと悠君はしまった、という顔で「買うの忘れてた!今から買って来ますね!」と言って購買の方へとダッシュした。
悠君もいなくなってしまったので少しウトウトしながら待っていると急に首筋に電撃が走り、そのまま私は気を失った。
目が覚めると私はとある部屋の中にいた。その部屋には棚が所狭しと並んでいるのだが、その棚にはガラスケースに入った人形がそこにあった。
「え…ここは…?」
立ち上がって前に進もうとするが、私の周りを囲んでいるガラスの壁に阻まれてしまう。
すると部屋にある唯一のドアから悠君が顔を覗かせた。
「あれ、センパイ、起きましたか?結構長い時間寝てたから心配しましたよ」
「悠君、これは一体…」
そう言った時、悠君の表情がいつもの笑顔ではないことに気づいた。今の彼は何かを愛おしむような、それでいて何かを壊しそうな目をしている。
「センパイ、僕昔から人形遊びが大好きなんです。で、特に可愛い人形はここでガラスケースに入れて保管しているんです」
そう言うと私の方へと近づいて来るので後ずさりをした。もっとも、狭いガラスの中なのですぐに背中がガラスに当たってしまうが。
「センパイ、僕はねセンパイが僕の買った服を来てくれるのが本当に嬉しいんだ。だって可愛い人形には可愛いお洋服を、でしょ?でもさ、僕の可愛いセンパイをさ、なんでみんな見るんだろうね、センパイは僕だけのものなのに…だからここで保管しようって思ったんです」
彼は1回ドアの外へ行き何着か服を持ってまた戻ってきた。
「センパイ、この服とかセンパイ好きですよね、これとかも好きそう」
悠君はワクワクした様子で服を眺める。
「じゃあ…そろそろセンパイと遊ぼうかな♪」
この時私は気づいた。
この子から逃げられないのだと。
「いや、本当に助かる!ありがとう!」
「全く…今日は朝練ないの?」
そう聞くと裕はブンブンと首を横に振る。
「じゃあ朝ご飯食べてく?」
「いいのか!?」
すっごくキラキラした目で見つめてくる裕。彼の母親は小さい頃事故で亡くなってしまい、いつも家事をしていた父親は最近出張に行ってしまい、満足にご飯が食べられないらしい。
ご飯を私の母親と共に3人で食べ、そのまま一緒に学校へと向かった。
朝教室に着くと同じタイミングで悠君が入ってきた。
「センパイ、おはようございます!」
「おはよう、悠君」
「センパイ、今日僕の家へ来ませんか?」
日付を確認すると今日は普通に部活のある日だった。
「え…今日は部活があるから明後日でもいい?」
そう言うと悠君は少し不満そうな顔をして何かを呟いた。
「え?悠君?ごめん、よく聞き取れなかったんだけど」
すると悠君は急に弾けた笑顔になって「じゃあお昼一緒に食べましょう!中庭で待ってますね!」と言い残して教室から出ていってしまった。
お昼になり、中庭に向かうと悠君が先に待っていた。
「あ、センパイ!こっちです!」
悠君は両手を広げて手を振ってくる。
「あれ?悠君、お昼ご飯は?」
そう聞くと悠君はしまった、という顔で「買うの忘れてた!今から買って来ますね!」と言って購買の方へとダッシュした。
悠君もいなくなってしまったので少しウトウトしながら待っていると急に首筋に電撃が走り、そのまま私は気を失った。
目が覚めると私はとある部屋の中にいた。その部屋には棚が所狭しと並んでいるのだが、その棚にはガラスケースに入った人形がそこにあった。
「え…ここは…?」
立ち上がって前に進もうとするが、私の周りを囲んでいるガラスの壁に阻まれてしまう。
すると部屋にある唯一のドアから悠君が顔を覗かせた。
「あれ、センパイ、起きましたか?結構長い時間寝てたから心配しましたよ」
「悠君、これは一体…」
そう言った時、悠君の表情がいつもの笑顔ではないことに気づいた。今の彼は何かを愛おしむような、それでいて何かを壊しそうな目をしている。
「センパイ、僕昔から人形遊びが大好きなんです。で、特に可愛い人形はここでガラスケースに入れて保管しているんです」
そう言うと私の方へと近づいて来るので後ずさりをした。もっとも、狭いガラスの中なのですぐに背中がガラスに当たってしまうが。
「センパイ、僕はねセンパイが僕の買った服を来てくれるのが本当に嬉しいんだ。だって可愛い人形には可愛いお洋服を、でしょ?でもさ、僕の可愛いセンパイをさ、なんでみんな見るんだろうね、センパイは僕だけのものなのに…だからここで保管しようって思ったんです」
彼は1回ドアの外へ行き何着か服を持ってまた戻ってきた。
「センパイ、この服とかセンパイ好きですよね、これとかも好きそう」
悠君はワクワクした様子で服を眺める。
「じゃあ…そろそろセンパイと遊ぼうかな♪」
この時私は気づいた。
この子から逃げられないのだと。
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