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11:みんなでお庭へLet's go?
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父の抱っこで向かっているあいだも、先程同様思わず鼻歌が零れていた。
「ふんふんふふ~ん♪」
「「「……」」」
「ふ~~ん♪ふふ~ん♪」
「「…」」
「嬉しいかい?」
「うれしい!」
「そうか。今のはなんの歌だい?」
「?うた?」
「あぁそうか…いや、いいよ」
無意識すぎて、自分では気付いておらず何の歌かと尋ねられてもピンと来なかった。なぜだか微笑ましそうに笑う父さんに気にしないでいいと言われてしまう。兄さんたちはほっぺの内側を食べていたり、歯を食いしばっていたり、様々だった。
そんな様子を不思議に思っていると母さんが歩いていた。
「あら、どうしたの?どこか行くの?」
「庭に行きたいとローリーが言うから向かってるところだよ」
「あぁ、さっき使用人が聞きに来てたわ。その事ね。いいじゃない!私も一緒にいいかしら?」
「あぁ、ローリーどうだい?」
「いっしょ!」
「あぁこら、また暴れるとしんどくなるよ」
「あ!」
思わずブンブンしそうになるのを抑える。
「じゃあ、みんなで行きましょうよせっかくだから。ホリナスはどこ?」
「ホリナスは今日殿下に呼ばれていたはずです」
「あら…アリシアも王宮でしょ。ナルコーナを呼びましょ!あ、ちょっと、ナルコーナを呼んできて」
「承知しました」
今家にいる人みんな揃って庭に散歩なんて大袈裟なと思うけれど、心の底から溢れる喜びをどう表現すればいいのか分からなかった。
「ふふっ…えへへ……うれしい! 」
「そう、よかったわ!」
「うふふふ…ふんふんふふんふん♪」
ブンブンと父の腕の中で無意識に動き足をばたつかせるが、誰に求められなかった。嬉しくてたまらないこの感情を何らかのエネルギーにかえなければ収まらなかった。
「嬉しそうでよかったわね」
「そうだね」
「やっぱり外に出たかったんですね」
「初めての庭だしな」
コソコソと4人が話していたが、聞こえていなかった。おさまらない興奮を表現するのに忙しかったから。
「お庭行くって!私もいいの?」
「あら、来たわね!もちろんよ!ね?ローリー?」
「うふふ…ふふ…へへ…ふんふん」
「聞いてないわね…一緒に行きましょ」
「やったー!」
「お庭で何するの?」
「そうね~」
「……」
「ローリー?」
「「「?」」」
ルンルンでブンブンな俺の動きが急に止まったため、父さんが名を呼ぶと、続いてみんながどうしたのとこちらを見る。
『まってやばいかもしれない…まって、まって、』
そう思って焦る。無理とまってくれない。
「げえ゙っ゙……」
父さんの胸から慌てて顔を逸らし外に吐いた。
「「「「え?!」」」」
皆が驚いているけれど、続く胸の痛みに備える。胸がソワソワして苦しくなる予感がするのだ。
「っ!ぐぅ…はっ、はっ、ぐぅぅ…かはっ…」
きた。きつく絞られているような痛みと苦しみ。息が詰まる。痛い痛い痛い!
「く、るし……たすけ、いたいぃ…」
小さくこぼす弱音が精一杯。もう体を外にしてるのも苦しくて、父さんの胸にしがみつく。胸をギューッと抑えて、体を縮こまらせる。
するとまたせり上ってくる感覚がして身構える。
「うぇっ…はぁ…はぁ……」
次に吐いたのは血だった。
びっくりした。父の胸元に赤い血がつくから。その姿を見て、思い出した。自分胸一突きされて死んだんだっけと。それを思い出してさらに呼吸が苦しくなってしまった。
「っ!ヒッ…ヒュ-ッ…ぐあ……は、は、うっ!ぐっ!えぇ…っ!」
次も血。苦しくてたまらなくて、周りの様子に意識が行かない。
「ふんふんふふ~ん♪」
「「「……」」」
「ふ~~ん♪ふふ~ん♪」
「「…」」
「嬉しいかい?」
「うれしい!」
「そうか。今のはなんの歌だい?」
「?うた?」
「あぁそうか…いや、いいよ」
無意識すぎて、自分では気付いておらず何の歌かと尋ねられてもピンと来なかった。なぜだか微笑ましそうに笑う父さんに気にしないでいいと言われてしまう。兄さんたちはほっぺの内側を食べていたり、歯を食いしばっていたり、様々だった。
そんな様子を不思議に思っていると母さんが歩いていた。
「あら、どうしたの?どこか行くの?」
「庭に行きたいとローリーが言うから向かってるところだよ」
「あぁ、さっき使用人が聞きに来てたわ。その事ね。いいじゃない!私も一緒にいいかしら?」
「あぁ、ローリーどうだい?」
「いっしょ!」
「あぁこら、また暴れるとしんどくなるよ」
「あ!」
思わずブンブンしそうになるのを抑える。
「じゃあ、みんなで行きましょうよせっかくだから。ホリナスはどこ?」
「ホリナスは今日殿下に呼ばれていたはずです」
「あら…アリシアも王宮でしょ。ナルコーナを呼びましょ!あ、ちょっと、ナルコーナを呼んできて」
「承知しました」
今家にいる人みんな揃って庭に散歩なんて大袈裟なと思うけれど、心の底から溢れる喜びをどう表現すればいいのか分からなかった。
「ふふっ…えへへ……うれしい! 」
「そう、よかったわ!」
「うふふふ…ふんふんふふんふん♪」
ブンブンと父の腕の中で無意識に動き足をばたつかせるが、誰に求められなかった。嬉しくてたまらないこの感情を何らかのエネルギーにかえなければ収まらなかった。
「嬉しそうでよかったわね」
「そうだね」
「やっぱり外に出たかったんですね」
「初めての庭だしな」
コソコソと4人が話していたが、聞こえていなかった。おさまらない興奮を表現するのに忙しかったから。
「お庭行くって!私もいいの?」
「あら、来たわね!もちろんよ!ね?ローリー?」
「うふふ…ふふ…へへ…ふんふん」
「聞いてないわね…一緒に行きましょ」
「やったー!」
「お庭で何するの?」
「そうね~」
「……」
「ローリー?」
「「「?」」」
ルンルンでブンブンな俺の動きが急に止まったため、父さんが名を呼ぶと、続いてみんながどうしたのとこちらを見る。
『まってやばいかもしれない…まって、まって、』
そう思って焦る。無理とまってくれない。
「げえ゙っ゙……」
父さんの胸から慌てて顔を逸らし外に吐いた。
「「「「え?!」」」」
皆が驚いているけれど、続く胸の痛みに備える。胸がソワソワして苦しくなる予感がするのだ。
「っ!ぐぅ…はっ、はっ、ぐぅぅ…かはっ…」
きた。きつく絞られているような痛みと苦しみ。息が詰まる。痛い痛い痛い!
「く、るし……たすけ、いたいぃ…」
小さくこぼす弱音が精一杯。もう体を外にしてるのも苦しくて、父さんの胸にしがみつく。胸をギューッと抑えて、体を縮こまらせる。
するとまたせり上ってくる感覚がして身構える。
「うぇっ…はぁ…はぁ……」
次に吐いたのは血だった。
びっくりした。父の胸元に赤い血がつくから。その姿を見て、思い出した。自分胸一突きされて死んだんだっけと。それを思い出してさらに呼吸が苦しくなってしまった。
「っ!ヒッ…ヒュ-ッ…ぐあ……は、は、うっ!ぐっ!えぇ…っ!」
次も血。苦しくてたまらなくて、周りの様子に意識が行かない。
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