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9話 彼女の正体
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「もしかして、君じゃないだろうな? 女装していたとか……」
鎌田が見た女性はミキじゃないかと、突然遊佐が言った!
まさか冗談で言ったこの言葉がきっかけとなり、女性の正体がわかるとはこの時誰も思わなかった――。
「女装! それを言うなら変装でしょ! 大体なんで、変装しなくちゃいけないのよ!」
ムッときたミキは、速攻返す。
「冗談だ。女性の中で君が一番背が高いから言ってみただけだ」
ミキがムッとしていると、八田が突然ポツンともらす。
「あ……。オレもその女性見たかも……」
「え? いつ、どこで?」
全員驚いて八田を見た!
伊東が質問をすると、すまなさそうに八田は答える。
「一時頃トイレに起きたの思い出したんだけど、その時チラッとだけど後姿見たような……」
「確か君、寝ていたって証言していたよな? それ、いつ思い出したんだ?」
「今だよ! 話聞いていて思い出したんだ!」
遊佐の質問に、何でお前がそんな質問するんだと、ムッとした顔をして八田は答えた。
「で? どの辺で見たんでしょうか?」
伊東は、慌ててさらに質問をする。
「堀さんの部屋に入って行く所を……。ただ、一瞬だったし、長い髪とかフワッとしたスカートしか印象にないけど……」
チラッと堀を見ながら、八田が証言をすると、皆が堀に注目する!
明らかに堀は、動揺した様子を見せた。
「もしかして、婚約者を招き入れたんですか?」
「ち、違います……」
遊佐の質問に、消え去りそうな声で答えを返す。
「まさか、浮気相手とか?」
「そんなわけあるわけないだろう!」
八田の質問にびっくりして、堀は怒鳴るようにして返事を返した。そして、観念したように口を開く。
「僕です……」
「え? 楠さんを殺したのってあなたなの?」
堀の言葉に驚いて相内が言うが、慌てて堀は首を横に振る。
「違います! その女性は僕だって事です!」
堀の言葉に一瞬、その場が静まり返った。
まさかの返答だった!
「えー! あの女性って堀さん? 男の人!」
つい驚いて、ミキは声を上げてしまった!
そんな発想は浮かびっこない!
「すみません! 言い出せなくって。実は、女装すると違う自分になったような気がして……。昨夜、部屋の窓から夜空を見ていたら、あんまり綺麗だったので、展望台に行って暫く見ていたんです」
堀は、信じて下さいと伊東をジッと見つめる。
――あの見惚れた相手が男だったなんて……。
ミキはショックを受けた。女装した男性に見惚れていたのだ。
八田の証言もあり、堀は白になった。これで、容疑者はスタッフ四人になったんだ!
そう自分に言い聞かせ、ミキは気持ちを切り替えた。
「うーん。申し訳ありませんが、堀さん、署まで来ていただけますか?」
「え? 本当に展望台に……」
伊東の言葉に、堀は困惑する。
「彼女に姿を見られて、殺害した可能性がある」
「ないね!」
ぼそっと遊佐が言うと、速攻にミキがそう返した。驚いて全員ミキを見る。
「殺すほど見られるのが嫌ならば、ここを通らないでしょう? カウンターにスタッフがいるのを知っているんだから。どうしても展望台に行きたいのならば、部屋が一階なんだから、窓から出入りすればいいんだし」
「若狭さん、ありがとう……」
ミキの言葉に、堀は涙目で礼を言った。
「なるほど……」
それも一理あると、遊佐は頷く。
「わかりました。とりあえず、上司に連絡入れてみます」
伊東は、皆から少し離れ、スマホで連絡を入れる。
ミキだけは、堀が確実に犯人でない事を知っている。
今の所、スタッフの中に容疑者がいる確率は高いが、もし万が一宿泊客三人の中にいた場合に開放されたら、もうミキにはどうしようもなくなるのである。
それに犯人ではないのが明らかなので、このまま黙ってもいられなかった。
伊東は、神妙な顔つきで戻って来た。
「申し訳ないですがやはり、一緒に来て頂きます」
「何それ! 犯人じゃないって!」
慌ててミキは、反論した。
「そう言われても……」
ミキが反論しても、堀をこのまま連れて行く気は変わらない様子だ。
堀は、うなだれている。
「刑事さん、ちょっとだけ待って!」
ミキは、部屋に戻るとノートパソコンを持って戻った。そして、かぱっと開くと、伊東に見せる。
そこには、例の書き込みのページが開かれていた。
鎌田が見た女性はミキじゃないかと、突然遊佐が言った!
まさか冗談で言ったこの言葉がきっかけとなり、女性の正体がわかるとはこの時誰も思わなかった――。
「女装! それを言うなら変装でしょ! 大体なんで、変装しなくちゃいけないのよ!」
ムッときたミキは、速攻返す。
「冗談だ。女性の中で君が一番背が高いから言ってみただけだ」
ミキがムッとしていると、八田が突然ポツンともらす。
「あ……。オレもその女性見たかも……」
「え? いつ、どこで?」
全員驚いて八田を見た!
伊東が質問をすると、すまなさそうに八田は答える。
「一時頃トイレに起きたの思い出したんだけど、その時チラッとだけど後姿見たような……」
「確か君、寝ていたって証言していたよな? それ、いつ思い出したんだ?」
「今だよ! 話聞いていて思い出したんだ!」
遊佐の質問に、何でお前がそんな質問するんだと、ムッとした顔をして八田は答えた。
「で? どの辺で見たんでしょうか?」
伊東は、慌ててさらに質問をする。
「堀さんの部屋に入って行く所を……。ただ、一瞬だったし、長い髪とかフワッとしたスカートしか印象にないけど……」
チラッと堀を見ながら、八田が証言をすると、皆が堀に注目する!
明らかに堀は、動揺した様子を見せた。
「もしかして、婚約者を招き入れたんですか?」
「ち、違います……」
遊佐の質問に、消え去りそうな声で答えを返す。
「まさか、浮気相手とか?」
「そんなわけあるわけないだろう!」
八田の質問にびっくりして、堀は怒鳴るようにして返事を返した。そして、観念したように口を開く。
「僕です……」
「え? 楠さんを殺したのってあなたなの?」
堀の言葉に驚いて相内が言うが、慌てて堀は首を横に振る。
「違います! その女性は僕だって事です!」
堀の言葉に一瞬、その場が静まり返った。
まさかの返答だった!
「えー! あの女性って堀さん? 男の人!」
つい驚いて、ミキは声を上げてしまった!
そんな発想は浮かびっこない!
「すみません! 言い出せなくって。実は、女装すると違う自分になったような気がして……。昨夜、部屋の窓から夜空を見ていたら、あんまり綺麗だったので、展望台に行って暫く見ていたんです」
堀は、信じて下さいと伊東をジッと見つめる。
――あの見惚れた相手が男だったなんて……。
ミキはショックを受けた。女装した男性に見惚れていたのだ。
八田の証言もあり、堀は白になった。これで、容疑者はスタッフ四人になったんだ!
そう自分に言い聞かせ、ミキは気持ちを切り替えた。
「うーん。申し訳ありませんが、堀さん、署まで来ていただけますか?」
「え? 本当に展望台に……」
伊東の言葉に、堀は困惑する。
「彼女に姿を見られて、殺害した可能性がある」
「ないね!」
ぼそっと遊佐が言うと、速攻にミキがそう返した。驚いて全員ミキを見る。
「殺すほど見られるのが嫌ならば、ここを通らないでしょう? カウンターにスタッフがいるのを知っているんだから。どうしても展望台に行きたいのならば、部屋が一階なんだから、窓から出入りすればいいんだし」
「若狭さん、ありがとう……」
ミキの言葉に、堀は涙目で礼を言った。
「なるほど……」
それも一理あると、遊佐は頷く。
「わかりました。とりあえず、上司に連絡入れてみます」
伊東は、皆から少し離れ、スマホで連絡を入れる。
ミキだけは、堀が確実に犯人でない事を知っている。
今の所、スタッフの中に容疑者がいる確率は高いが、もし万が一宿泊客三人の中にいた場合に開放されたら、もうミキにはどうしようもなくなるのである。
それに犯人ではないのが明らかなので、このまま黙ってもいられなかった。
伊東は、神妙な顔つきで戻って来た。
「申し訳ないですがやはり、一緒に来て頂きます」
「何それ! 犯人じゃないって!」
慌ててミキは、反論した。
「そう言われても……」
ミキが反論しても、堀をこのまま連れて行く気は変わらない様子だ。
堀は、うなだれている。
「刑事さん、ちょっとだけ待って!」
ミキは、部屋に戻るとノートパソコンを持って戻った。そして、かぱっと開くと、伊東に見せる。
そこには、例の書き込みのページが開かれていた。
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