【完結】ミキって書かせて頂きます

すみ 小桜(sumitan)

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20話 最期

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 「あなたが飲ませた睡眠薬ドリンクで、交通事故を起こした宮崎の恋人よ!」

 伊藤は一瞬驚いた顔をするも、すぐさま返事を返す。

 「し、知らないわよ」
 「ずっとあなたを探していたわ。八田さんと手を組んでいるのも調べ済みよ!」

 伊藤は、楠から目線をそらした。

 「あれは、私のせいじゃないわ! ドリンクを飲んでいる最中にあなたから連絡が来て、引き留めるまでもなく行ってしまったのよ! 殺すつもりで飲ませた訳じゃないわ……」

 楠は、信じられないという顔をした。

 「何よそれ! 死んだのは私のせいって言いたいの? 人、ひとりが死んだのに、あなたはまだ犯罪を続けていた! 何とも思ってなかったんでしょう!」
 「あの時は、私だってショックを受けたわよ。でも、警察が自殺で片付けてくれて助かったわ……」

 楠は、怒りで肩を震わす。
 反省なんて一つもしていない! それどころか警察が自殺で片付けてくれた事で助かったと、まだ犯罪を続けていた!

 「何よそれ! 助かったって! 許さない! 警察に持って行こうと思ったけど、まどろこしいのはやめて、私の手で復讐するわ!」

 楠は目に涙を溜めて叫んだ。

 「え?」

 伊藤が驚いて楠を見ると、自分に突進してくるので、伊藤は慌てて逃げようとするが、トートバックをつかまれてしまう!

 「ちょっと離してよ!」

 楠は、もみ合いの中トートバックを奪うと、後ろに放り投げる。それは奥に飛ばされ、特製ドリンク入りの水筒は飛び出し転がった。そして、伊藤はその拍子で、前につんのめった!
 伊藤は、慌ててそのまま部屋の奥に逃げる。

 ――殺される!

 楠が本気だとわかり、伊藤は恐怖する!

 「ご、ごめんなさい。悪かったわ」
 「そんな上辺だけ謝られたって、嬉しくないわ!」

 そう言うと、楠はガシッと伊藤を掴んだ! 二人は、テーブルの横で再びもみあいになった!
 楠がテーブルを蹴ると、コップが倒れドリンクが零れる。そして、楠のズボンにも滴った。

 「もう、いい加減にしてよ! あれは事故よ! 運が悪かったのよ!」

 伊藤が楠を突き飛ばすと、彼女は水筒を踏み、体制を崩しておもいっきり後ろに転倒した!
 ガツンと言う音と共に、彼女は動かなくなる。

 「ちょ、ちょっと大丈夫……」

 伊藤が声を掛けるも、楠は壁にもたれたまま項垂れ、反応を示さない。

 「うそ……」

 伊藤は、愕然とする。
 震える手で、八田にLINEを送る。


 ―今すぐ、部屋から出て―


 やっとそれだけ打つとドアを少し開け、八田が出てくるの待った。
 出て来た彼を伊藤は、手招きする。
 自分の部屋からではないのに八田は驚くも、部屋に向かう。

 「何なんだよ……」

 小声で言うと部屋に入り、楠を見て驚く。

 「おい。何があった……」

 伊藤は、ドアを静かに閉めると、俯いて震える声で答える。

 「彼女、前に睡眠薬飲んで交通事故を起こした人の恋人だったみたいなの。私達の事、調べ上げて復讐しようとしてきて……。殺すつもりなんてなかった。逆に殺されそうになって、突き飛ばしたら、あ、頭を打ったみたいで……」
 「マジかよ……」

 暫くジッと楠を見ていた八田は、水筒に気が付き、それを回収し伊藤に手渡す。

 「取りあえず、零れたジュースを拭いて、着替えさす」

 八田は、クローゼットを開けた。彼はパソコンを操作していたのか、手袋をしていた。

 「着替え?」

 何故そんな事をと伊藤は聞いた。

 「彼女のズボンにもジュースがかかってるんだ。……なんだこれ? 鍵掛かってる」

 八田は、スーツケースを開けようと見ると、鍵が掛かっていた!

 「バックとかないか?」

 辺りを見渡しながら、伊藤に八田は言う。

 「え? あ、ベットの上……」

 八田はベットに近づくと、ショルダーバックの中身をベットの上にザッと出すとカギを探す。

 「ないな……」

 八田は出した物を乱暴にバックに戻すと、楠の前に立った。
 少し躊躇してから、彼女のポケットの中をまさぐる。

 「どこにあるんだよ!」

 鍵はポケットにもなかった。
 その様子を茫然と見ている伊藤に、八田は言う。

 「おい! 部屋に戻って何かはかせるもの持って来い。あと、床を拭く為のタオルか何かも」
 「え? わ、私のをはかせるの! 嫌よ!」

 八田は伊藤を睨み付ける。

 「じゃ、このままにしておくか?」
 「別に、鍵壊して出せばいいじゃない」
 「そんな事したら、着替えさせた事がバレるかもしれないだろう」

 伊藤は俯き、少し経ってから頷いた。

 「わかった。タオルと一緒に持って来る」
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