【完結】ミキって書かせて頂きます

すみ 小桜(sumitan)

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21話 暴かれた犯罪

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 伊藤は自分の部屋から、はくものを持って来ると、八田に手渡す。

 「これか……」

 受け取ったタイトスカート見て、八田は言った。

 「し、仕方ないじゃない。もう一着はワンピースなのよ……」

 八田は溜息を付くと、廊下に出てタオルを洗面台で濡らし、零れたジュースを拭き始める。

 「お前は、乾拭きしろ。指紋つけるなよ!」

 伊藤は頷くと、八田の後に乾拭きをする。
 ジュースを拭き終えた八田は、深呼吸すると楠のズボンを脱がした。それを、無言で伊藤に手渡す。
 そして、脇を持つとうつ伏せに寝かせた。それから、スカートをはかせると、後ろについているチャックを上げた。

 「その乾いたタオルを寄こせ。で、お前はドアの前にいろ」

 伊藤がタオルを手渡すと、八田は、後ろ向きでドアに向かって拭き始める。

 「何をしているの?」
 「テーブルの部分だけだと、何かこぼしたのかもと感づかれるかも知れないから、ドアまで拭く。そうすれば、足跡を消したって思うだろう?」

 八田の回答に、伊藤はなるほどと頷く。

 「ねえ、彼女はそのまま?」
 「俺はもう、触りたくねぇ。戻したいなら自分でしろ」

 伊藤は、ブンブンを首を横に振る。
 ドアまでたどり着いた八田は、パチッと部屋の照明を消した。

 「いいか。明日、朝食を食べ終わったらすぐに街に出て、それ処分しろよ」
 「え? 今しないの?」

 八田は、暗がりの中、深いため息をつく。

 「お前、どうやって街に行くつもりだ? そこらへんに捨てたらすぐに見つかるだろうが!」
 「あ、うん……」

 伊藤は、弱弱しく返事をした。

 楠が発見されれば、殺人だとすぐにわかる。
 ここ一体を捜索する恐れがあった。また歩いて街まで行くにはここは遠すぎた。途中で歩いているのを誰かに見られるのもまずい。

 「明日、俺が楠さんが朝食いらないと言っていたと誤魔化すから。いいな!」

 伊藤がわかったと言うと、八田はそっとドアを開ける。だが、直ぐに閉めた。

 「どうしたの?」
 「っし」

 八田は、もう一度開け、廊下を確認する。

 「女?」

 堀の部屋にロングヘアーの女が入っていくのが見えた。

 「女って、誰かいたの?」
 「気にするな。さっさと部屋に戻れ」

 頷くと、伊藤は自分の部屋に戻った。
 八田は、自分たちが立っていた場所を拭き終えると、ドアを閉めた。そして、一番の部屋に戻ったのである。――


 ○ ○


 「まさか、小細工が全部見破られるとはな……」

 伊藤が話し終えると、八田は力なくそう呟いた。
 そして、二人は連行されて行った。

 「あの、刑事さん……」
 「はい?」

 まだその場に残っていた伊東に、相内は話しかけた。

 「もう、ここに泊まらなくてもいいですよね?」
 「え? あ、はい。犯人は、その……逮捕されたので、構いませんが」

 相内の質問に、伊東は答えづらそうに言った。

 「よかった。あの部屋に泊まるのは、ちょっと辛くて。私、札幌のホテル探して移ります」
 「わかりました。あの、えーと……気をしっかり持って下さいね」

 相内は、静かに頷く。

 「若狭さん、遊佐さん、ありがとうございました」

 相内は、深々と二人に頭を下げた。

 「いえ。警察だと黙っていて申し訳ありませんでした」

 遊佐も軽く頭を下げる。

 「何て言うか……。あんなやり方しか出来なくてごめんね」

 ミキがそう言うと、相内は首を横に振る。

 「まんまと騙されていた自分が恥ずかしいです。お二人が、泊まっていて救われました。では、私は支度がありますので……」

 相内は、そう言うと自分の部屋に戻っていた。

 「心身を安めに来たのに、疲れた……」

 遊佐はボソッと言うと、思い出したように、ミキは伊東に声を掛ける。

 「あ、そうだ。刑事さん!」

 ミキに呼ばれ、伊東はビクッと体を震わした。

 「なんでしょう……」
 「そんな身構えなくても。無事解決ありがとうございます」

 大げさに頭を下げると、伊東はボソッと漏らす。

 「それは、嫌みですか……」
 「本心よ!」
 「解決したのは、あなた達でしょう!」
 「そんな事ないわ。令状は、私じゃ取れないし。情報を流し……提供してくれたおかげだし……」

 ミキがニッコリと言うと、伊東は慌ててミキの口をふさぐ。

 「やめて下さいよ!」
 「あ、ごめんごめん」

 伊東は、大きなため息をついた。

 「お願いですから、聴取で変な事言わないで下さいよ!」
 「あれ? あなたがするんじゃないの?」
 「俺と宮川さんです!」
 「了解」

 伊東は、不安げに遊佐を見た。

 「まあ、なんとか誤魔化せるだろう……」

 遊佐の言葉に伊東は、これからが一番大変だと、更に大きなため息をついたのだった。
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