35 / 47
34話 取材は要領よく!
しおりを挟む
浅井は、佐藤宅より少し離れた所にバイクを止めると、ミキはジャケットを脱いだ。
「これ、ありがとう」
そして礼を言いながら、浅井に返した。
「あ、はい」
「取材するのに、その恰好はね……」
「あ、そうですよね! じゃ僕も!」
浅井もジャケットを脱ぐと、リュックにしまった。
二人は、佐藤宅の近くに行くと、佐藤宅の向かいの家から二人の男性が出て来た。
「ご協力ありがとうございました」
そして、そう言って立ち去って行った。
――刑事達だわ。そうだ! いい事思いついた!
ミキは、小走りに刑事たちが出て行った家にむかい、表札を確認してからチャイムを鳴らした。
ピンポーン。
「はーい」
家の主は、直ぐに出て来た。
この家に住む40代ぐらいの主婦だ。
「佐々木さん、すみません。向かいの佐藤さん事で少しお伺いしたいのですが」
「え? 今、違う刑事さんに話しましたけど?」
「同じ事で宜しいので、もう一度お伺いして宜しいでしょうか?」
ミキは、それだけ言って、丁寧にお願いをする。
佐々木は、頷いた。
「はい。いいですけど……。えっと、昨日、夜七時半頃に再配達してもらったんだけど、丁度目の前にトラックが止めてあったので、様子がどうだったかわからないです」
「照明がついていたかもご覧になってませんか?」
佐々木は、頷く。
見えなかったようだ。
「ちなみに宅配業者はどこでしょうか?」
「北カモシカ便です」
「そうですか。ありがとうございました」
ミキは、深々と頭を下げた。慌てて、浅井も下げる。
二人は、失礼しますと、道路に出た。
「すごいですね。普通に教えてくれました!」
浅井は、凄く興奮して言った。
情報を手に入れられたからだろう。
「たぶんだけど、違う刑事だと思ったんだと思う」
浅井は、今度は驚いた顔をする。
協力的だったのは、刑事だと思っていたからだったようだ。
「大丈夫よ。私達は、警察を名乗ったわけじゃないんだから」
「そうだけど……」
浅井は、まだ不安そうに言った。
ブルルン。
トラックの音が聞こえて来た。
遠くを見れば、噂の北カモシカ便だ。
「あら、丁度いいわ」
ミキは、こちらに向かってくるトラックを見て言った。
北カモシカ便のトラックは、佐藤宅の一つ手前の家の前に止まる。
ミキ達は、配達員が戻って来るのを運転手側のドアの前で待った。
少しすると配達員が戻って来る。
「こんにちは」
ミキが挨拶をすると、配達員は驚く。
「えっと、何か……」
「すみません。昨日、あちらの佐々木さんに再配達してますよね?」
「そうですが……。もしかして、車、邪魔でした?」
ハッとして、配達員は言った。
「いえ、そうではなくて、その時に向かいの佐藤さん宅で、何か気が付いた事なかったかなと思いまして……」
配達員は、考え込む。
「どうですか? 飯田さん」
「え? どうして名前を……」
ミキは、飯田の胸に付けている名札を指差した。
「あぁ、そっか。……実は、昨日、配達が終わってから運転席で作業していたんですが、その時に佐藤さんの家から若い男性が出て来たんです……」
「それ、本当ですか?」
飯田は、本当だと頷いた。
「あの、もういいですか? 配達があるので……」
「はい。お仕事中ありがとうございました」
ミキが礼を言うと、飯田はトラックに乗り込み、その場を去って行った。
「凄い収穫ですよ!」
また興奮して、浅井は言った。
ミキは、そうねと頷く。
飯田もまた、警察だと思って話したのだろう。
「私は一旦、家に戻ってパソコンを取って来てから、会社近くのホワイトに行ってるわね」
ホワイトとは、Wi-Fi環境がある会社の近くの喫茶店である。
ノートパソコンは、ショルダーバックには入らないので、自宅に置いて来ていた。
「わかりました。家まで送ります。その後、家にバイクを置いてから僕も向かいます」
二人は、バイクに乗り走らせた。
「これ、ありがとう」
そして礼を言いながら、浅井に返した。
「あ、はい」
「取材するのに、その恰好はね……」
「あ、そうですよね! じゃ僕も!」
浅井もジャケットを脱ぐと、リュックにしまった。
二人は、佐藤宅の近くに行くと、佐藤宅の向かいの家から二人の男性が出て来た。
「ご協力ありがとうございました」
そして、そう言って立ち去って行った。
――刑事達だわ。そうだ! いい事思いついた!
ミキは、小走りに刑事たちが出て行った家にむかい、表札を確認してからチャイムを鳴らした。
ピンポーン。
「はーい」
家の主は、直ぐに出て来た。
この家に住む40代ぐらいの主婦だ。
「佐々木さん、すみません。向かいの佐藤さん事で少しお伺いしたいのですが」
「え? 今、違う刑事さんに話しましたけど?」
「同じ事で宜しいので、もう一度お伺いして宜しいでしょうか?」
ミキは、それだけ言って、丁寧にお願いをする。
佐々木は、頷いた。
「はい。いいですけど……。えっと、昨日、夜七時半頃に再配達してもらったんだけど、丁度目の前にトラックが止めてあったので、様子がどうだったかわからないです」
「照明がついていたかもご覧になってませんか?」
佐々木は、頷く。
見えなかったようだ。
「ちなみに宅配業者はどこでしょうか?」
「北カモシカ便です」
「そうですか。ありがとうございました」
ミキは、深々と頭を下げた。慌てて、浅井も下げる。
二人は、失礼しますと、道路に出た。
「すごいですね。普通に教えてくれました!」
浅井は、凄く興奮して言った。
情報を手に入れられたからだろう。
「たぶんだけど、違う刑事だと思ったんだと思う」
浅井は、今度は驚いた顔をする。
協力的だったのは、刑事だと思っていたからだったようだ。
「大丈夫よ。私達は、警察を名乗ったわけじゃないんだから」
「そうだけど……」
浅井は、まだ不安そうに言った。
ブルルン。
トラックの音が聞こえて来た。
遠くを見れば、噂の北カモシカ便だ。
「あら、丁度いいわ」
ミキは、こちらに向かってくるトラックを見て言った。
北カモシカ便のトラックは、佐藤宅の一つ手前の家の前に止まる。
ミキ達は、配達員が戻って来るのを運転手側のドアの前で待った。
少しすると配達員が戻って来る。
「こんにちは」
ミキが挨拶をすると、配達員は驚く。
「えっと、何か……」
「すみません。昨日、あちらの佐々木さんに再配達してますよね?」
「そうですが……。もしかして、車、邪魔でした?」
ハッとして、配達員は言った。
「いえ、そうではなくて、その時に向かいの佐藤さん宅で、何か気が付いた事なかったかなと思いまして……」
配達員は、考え込む。
「どうですか? 飯田さん」
「え? どうして名前を……」
ミキは、飯田の胸に付けている名札を指差した。
「あぁ、そっか。……実は、昨日、配達が終わってから運転席で作業していたんですが、その時に佐藤さんの家から若い男性が出て来たんです……」
「それ、本当ですか?」
飯田は、本当だと頷いた。
「あの、もういいですか? 配達があるので……」
「はい。お仕事中ありがとうございました」
ミキが礼を言うと、飯田はトラックに乗り込み、その場を去って行った。
「凄い収穫ですよ!」
また興奮して、浅井は言った。
ミキは、そうねと頷く。
飯田もまた、警察だと思って話したのだろう。
「私は一旦、家に戻ってパソコンを取って来てから、会社近くのホワイトに行ってるわね」
ホワイトとは、Wi-Fi環境がある会社の近くの喫茶店である。
ノートパソコンは、ショルダーバックには入らないので、自宅に置いて来ていた。
「わかりました。家まで送ります。その後、家にバイクを置いてから僕も向かいます」
二人は、バイクに乗り走らせた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる