ランクアップ!~枕が誘(いざな)う夢の世界で……

すみ 小桜(sumitan)

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魔法は痛いらしい

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 ミチルが叫ぶもそれは、こはるさんにヒットする。彼女は、悲鳴を上げてうずくまった!


 「大丈夫か!?」

 「大丈夫?」


 ミチルは、その場で叫ぶ。
 私は、こはるさんに近づいた。
 こはるさんは、顔をあげると涙目だった。

 「めちゃ痛い! 魔法攻撃は、受けたくないわ!」

 「あら? 受けたらMP回復するわよ?」

 「嫌よ! なつめちゃん! 歌でサポートお願いね!」


 ガシッと両腕を掴まれて、私はこくこくと頷いた。
 こはるさんは、必死の様子。余程痛かったのかも。
 うん。攻撃は、特に魔法は受けないで逃げまくるわ!


 「……元気そうだな」


 そう呟くとミチルは、モンスターに向き直った。


 「スピリット!」

 「な! お前な! 配分を考えろ!」


 ミチルが攻撃しようとすると、こはるさんが杖を振って敵に精霊魔法を打った!
 三体居たモンスターは、全滅です。


 「大丈夫よ! なつめちゃん、歌お願いね」

 「……うん」


 さっきのサポートって、精霊魔法で倒すからMP回復宜しくって事だったのね。


 「まあ、俺は楽だからいいけど」


 そう言いながらミチルは、ちょっと不満そう。
 取りあえず、MP回復の歌を歌った。


 「あ! これもしかして、炎の石か?」


 モンスターがいた場所に、ミチルが近づいた。そして、手を伸ばした。
 何かを拾い見つめている。


 「それが、炎の石よ。なつめ、よかったわね!」

 「え? 私が先に貰っていいの?」

 「そうだな。必要なのは、なつめだし。ほれ」


 拾った炎の石を手に、近づいた私の前に出した。
 さっきのモンスターをミニチュアにしたような感じの石。色は、熱せされた石のよう。


 「あ、熱くない?」

 「熱かったら俺が持っていられないだろう。大丈夫だから手を出せって」

 「うん……」


 恐る恐る出した手に、炎の石が手渡された。
 ミチルが言った様に、全然熱くない。
 私は、鞄に炎の石をしまった。


 「うんじゃ、あと二個手に入れるぞ! あ、なつめ。こはるがスピリット使ったらMP回復の歌宜しくな」

 「あ、そうだね」


 私は、またMP回復の歌を歌った。
 進みながら一分経つと歌い、こはるさんのMPは100%になった。


━☆・*。・+ °。+ *°。°。+ *°。°。+ *°。


 「スピリット!」

 「くそ! またコアだ! 全然炎の石でないじゃないか!」


 《プレイヤーレベルが14になりました》


 そう言いながら、小さなビー玉の様なコアをミチルは拾い上げる。
 もうかれこれ一時間、モンスターを倒しているけど、コアしかドロップしていない。


 「思ったより出ないわね」

 「本当だよ。レベル上がったけど、こねぇな」


 ミチルも上がったんだ。私は二つも上がった!
 ぶうぶう文句を言っているミチルだけど、あれからこはるさんがスピリットで、モンスターを倒している。
 あ、歌を歌わないと!
 私は、MP回復の歌を歌った。


 「言ったでしょ。レアだって」

 「っち。どうする? 宝箱取って帰るか?」

 「そうね。そろそろ疲れたわ」

 「ここなら何とかなりそうだ。狩場にするかな」

 「あら、いいわね。なつめちゃんが居れば楽勝よ」


 え~!! 私はもう来たくないんだけど!
 私は、攻撃を受ければ死ぬんだけど!


 「私はもう来たくないかな……」

 「そうね。もう少し防御強化してからの方がいいかもね」


 私は、シシリーが私の意見に賛成してくれて、ホッとした。


 「あら、残念」

 「うんじゃ、宝箱取って帰るか」


 私達は、宝箱に向かって歩き出す。
 この一時間で、この階はマッピング率99%。宝箱を取ると100%になる。シシリーに言われて気が付いた。
 目安になっていいかも。
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