ランクアップ!~枕が誘(いざな)う夢の世界で……

すみ 小桜(sumitan)

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ランク戦2ジョブイベント開始!

053

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 神殿は、山の上だった。
 眺めが最高です!

 そして、何か違和感があると思ったら隣にいるミチルが、全体的に赤くなっていた!
 そう言えば、エレメントガードの衣装にするって言っていたっけ?

 黒い服の上から赤い鎧。何かスカートみたいな鎧が腰にも。これも赤。
 腕も赤い小手?
 足もそんな感じの赤いやつ。
 赤くないのは髪だけで、その上にちょんと赤くて浅い硬そうなヘルメットをしている。
 ここまで赤いと、遠くてもすぐミチルとわかりそう。


 「うん? 何?」

 「え? あ、いや。全身赤いなぁって……」

 「自慢の鎧も赤く染まったよ。で、俺達は何をすればいいんだ?」

 「本当に何も見てないの?」

 「見てない」

 「もう。じゃこのランク戦の趣旨を言うわ。ポイントを稼いで各々のランクのランキングを競うの。ポイントは、敵を倒したりクエストをこなしたり、後はレベルアップしたりゲットしたアイテムでも入るわ」

 「どういう振り分け?」

 「そこまでは教えられないわ。でも、クエストをすると結構貰えるわよ」

 「へえ。そういうイベントなんだぁ。だったら人数多い方がよさそうだね。レベルアップなら人数多い方が、合計したら多くなるよね」

 「まあ、そうね」

 「いや、そうでもないぜ。経験値って人数で割るだろう? だから同じじゃないか?」

 「え? そうだったんだ!」


 そうだとミチルは頷いた。
 じゃ、弱かったらメンバーに入れたくないわね。だから回復しか出来ない神官には、声を掛けないのね。


 「で? まずは何を?」

 「普通は狩でしょうけど、私達はジョブを手に入れるという目的がありますので、洞窟に行きます」

 「え? 洞窟で戦闘するの?」

 「まあ、モンスターもいるけど、クエストを進めに行くのよ。あ、因みにここの宝箱は、開ける度にランクが下がるの。勿論、1チーム1回しか当たらないわ」

 「どういう事?」

 「つまりだな。早く見つけたチームがいいものを手に入れられるって事だ」

 「あ、そういう事」


 最初に発見したチームが一番いい物を手に入れられるって事ね。次に開けたチームは、前のチームよりランクが低い物になると。


 「クエストも同じよ。ポイントが変わるわね」

 「そこでもポイントを競争しあうって事か……」

 「クエストを探してこなすもよし、モンスターを倒しまくるのも手」

 「じゃ、あれだな。ランク4と3は、熾烈しれつな戦いになってるな……」

 「そうね。ここのフィールドでチームを組む事は出来ないからね。個人戦でしょうね。魔法使いには不利ね」

 「だな」


 そっか。魔法使いはどうしてもMPを消費して戦闘をするからMPがなくなると戦闘が出来ないんだ!


 「うんじゃ、とりあえず、その洞窟行こうぜ」

 「じゃ、登りましょう!」

 「登るのかよ!」

 「えー」

 「二人共ファイト!」


 山を下りていくのだとばかり思ったけど、登るらしい。
 見上げれば、結構急で道すらない。


 「あれだな。普通なら登ろうと考えないな。下る道しかないから……」

 「まあね。あまのじゃくな人達か、宝箱を探す為でしょうね」


 草をかき分け、急な坂を上る。道が無いので、ミチルの後ろをついて行く。
 先頭はシシリーだけど、ふわふわ浮いて進んでいる。
 いいなぁ。私も浮きたい!

 なんと30分程で頂上に着いた!
 その間、モンスターに出会わなかった。


 「一つ聞いていいか? モンスターが出ないポイントがあるのか? 一度も合わなかったけど」

 「逆ね。出るポイントがあるの。そこを避けただけ。まずはイベントを発生させないとね!」

 「なるほど! 便利だ」

 「何か言ったぁ?」

 「いや。ご苦労さん」


 便利と言う言葉は呟いてミチルが言ったけど、地獄耳のシシリーは聞き逃さない。ジド―とミチルを見ている。


 「まあ、いいわ。そこが入口だから」


 そう言ってミチルの目の前を指差した。
 ミチルが地面をジッと見る。私も横に来て覗き込んだ。


 「これどうすればいいわけ?」

 「一歩前に出て見ればわかるわよ」

 「一歩ねぇ……おわぁ!」

 「きゃ!!」


 ミチルが一歩踏み出した途端、地面に穴が空いた! そのままミチルは落下するも私をガシッと掴んだものだから私も一緒に落下した!
 って、シシリー!! あなたわざとでしょう!
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