装備召喚でヒソカに装備する~ご主人様はアニマルフェチ~

すみ 小桜(sumitan)

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ベア国との確執

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 ヤンさんは疲れたと見えてちょうどあった大きな岩に寄りかかって座り込み、カールさんは木に寄りかかりつつも辺りを警戒している。

 「休んでいるところ申し訳ないが、魔の者の事を聞きたい。どういう者達の事なんだ?」

 ロンドさんが、聞いた。それはオレも知りたい。レックスさんも知りたいと頷く。

 という事で、じーっとオレ達はカールさんとヤンさんを見つめた。

 「まず君達の話を信じたのは、ミックスであるヒソカくんがこの国にいる事で、確信に至ったと言っておこう。ベア国が冒険者連合に参加しないのは、ミックスを獣人として認めていないところもあるからだ。なので、このベア国にミックスがいるはずがないのだ」

 オレは、カールさんの言葉になるほど納得した。たぶん、ミックスって人間とのハーフの事だろう。地球だって、今こそ国際化とかで国際結婚で何か言われる事はないけど、昔なら堂々と言えなかっただろうから。ファンタジー小説では、その両親の間に生まれた子は、どっちの国からもつまはじきだったりする。

 「確認だが、ミックスというのは雑種の事なのか? 俺の世界にはこういう姿の者はいないのだが」

 レックスさんが聞いた。
 雑種って違う種族同士の混血って事だろうか。そっか、そういうのもあるのか。どんな姿になるのだろう。見てみたいかも。

 「いや他獣人の混血ではなく、エルフとの混血だ。その場合、ヒソカくんの様に肌がエルフと同じになる事が多い。そして、一部分に獣人の面影が出る。冒険者連合は、彼らにも人権を与え獣人達と等しく扱う。それが、ベア族は気に入らないらしいがな」

 カールさんの説明に、レックスさんとロンドさんがなるほどと頷いている。
 オレは、人間ではなくエルフかと驚いた。本当にこの世界には、人間という種族はいないみたいだ。聞きたいけど、今はやめておこう。
 万が一、凄いやばい存在だったら大変だから。このままミックスという事で。

 「そういう事で、ヒソカくんには絶対に入国許可はおりない。それに彼らが主張するアオの者の船だって、賊が用意するのは難しいと言える」
 「あぁ、あの水に浮く建物か」

 ヤンさんの言葉に、ロンドさんが船を思い出した様子で言う。
 木で作った物だけど、この世界では船は高価なのだろうか。いや地球でも高価な物だったけど。海賊とかはいないのだろうか?

 「会合の話が出てから十日後の今日だったからな。船なんて用意をするのは不可能だろう。何せ船自体が、オーダーメイドだ。しかも魔導装置が必要で、魔石もかなりの量必要だ」

 オーダーメイド? という事は、一般的な乗り物ではないんだろうな。この世界では、船はあまり使われていないようだ。海を渡る必要がないのかも。
 何だかの方法で船を手に入れたとしても、動かすのに凄くお金がかかりそうだし。潜入だけならイカダでいいかもしれない。この世界の人がイカダを知っていればだけど。

 ちょっと待てよ。そんな高価な物を燃やすだろうか?
 えーと。船みたいだったけど、操縦する場所ってあったっけ? 確認はしていないけど、オレ達が出てきた部屋以外、なかったような。もしかして、船に似せた作り物だった?
 だったら平気で燃やせる。そして、燃やしてしまえば船だったかどうかなどわからない。

 「それってもしかして、戦争のきっかけを作りたかっただけって事か?」
 「え!?」
 「だろうな」

 レックスさんの言葉に、カールさんが肯定で返した。その為に、オレ達を召喚したって言うのかよ。
 やっぱりやべぇ奴だった。
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