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作戦

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 驚いているのは、ドンだけではなかった。
 ヤンさんとカールさんも驚いている様子だ。

 「命中率アップ、矢としてレベル4以上を召喚!」

 クロラは、もう一つの召喚の方法を教えてくれた。
 レベル10になれば、連続召喚が可能になりその場で召喚が可能になる。つまり魔法陣を空中に描く事が可能になるそうだ。

 召喚された矢が弓にセットされ、オレは右手を放した。
 矢は、一直線にドンに飛んで行く。
 オレはまた、弓を構えた。

 「レベル4以上返還。毒添付、矢としてレベル4以上を召喚!」

 ドンが、オレが撃った矢を払おうとした瞬間それは消え去り、槍は空を切る。その間にオレは、矢を放った。
 ハッとして、ドンがオレを見るも矢は彼の目前だ。槍を回転させるも矢が一本、ドンに突き刺さる。

 「レベル4以上返還。命中率アップ、矢としてレベル4以上を召喚!」

 オレは、次の矢を放つ。
 刺さった矢を抜こうするドンだが、今度は手が空を掴む。
 刺さった矢は、抜く前に消滅した。

 「またか!」

 ドンは、すぐさま槍を回転させる。矢は弾かれた。

 「残念だが、それでは致命傷にはならいぞ」
 「なったよ。当たったのは毒矢だ!」

 オレが放つ矢では、彼を貫けないのはわかりきっている。急所を狙うのも不可能に近い。ならドンがやったように毒を盛るしかない。
 ただ、レベルによって毒の効果が違うらしい。どのレベルの矢が当たったのかオレにはわからないが、効果はあるはず。

 「毒で恐怖した思いを思い知れ!」

 また弓を構える。

 「ふん。一旦引くが覚悟しておけ!」

 そう言うとドンは、フッと消えた。
 やっぱりワープは事前に用意してあったんだ。オレの手をとれば、あっという間にあいつの国だった。
 オレは、へなへなへなとその場に座り込んだ。
 ドンを追い払う事は出来たけど、二人は死んでしまった。オレのせいで……。

 「レックスさん、ロンドさん……うわーん」
 「大丈夫だ。よくやった」

 ポンとオレの肩にカールさんが手を掛けた。

 「まさか、弓で攻撃しようとするなんてな」
 「あんなに下手だったのに。まあ距離は練習時の半分だが……」

 二人の声が聞こえる。
 生きている?
 顔を恐る恐る上げると、笑顔のレックスさんとロンドのさんの姿が!

 「い、生きてる!?」
 「一芝居、打ってもらった」

 カールさんが、そうにんまりして言ったけど、オレは聞いてない!

 「君に芝居が出来るとは思えなかったので、内緒にしてありました」

 ヤンさんもにんまりして言った。

 「え? オレだけ知らなかったの?」

 でもどうして二人は生きているの?

 「まあ賭けだったが勝った」

 レックスさんがそう言って、左手を掲げる。そこには、青いモノが引っ付いていた。

 「それって……」
 「そうです。二人には上手く張り付いたのです。ただ絶対に針を通さないとは限らない。検証が出来ませんでしたから」

 それなのに腕輪を外したの?

 「カールさんに死んでくれと言われた時には驚いた」

 ロンドさんが、そうちょっとお道化て話す。
 死んだぶりをしろと言われていたらしい。

 「本当なら俺達が油断したドンをヤル事になっていた。まああの状況だと返り討ちになりそうだったけどな」

 レックスさんが、やれやれと蔦を外す。ううん? それってそんなに簡単に外せるの?

 「これ弾力があるので斬りづらく、伸縮性があるので押して足を抜いた方が早い。俺の世界にも居たモンスターだ」

 それ、モンスターだったのかぁ!!
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