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第23話 約束事
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僕は、チェトを膝に乗せて椅子に座った。向かい側にダダルさん。左手にユイジュさんが座り、なぜか右手の椅子にセードさんまで座っている。
「で、誰にサーチの事を言われた? 怒らないから言ってみろ」
ダダルさんが言うも、誰かに言われたわけじゃないし、どうしたらいいんだろう?
「じゃリンリン草と犬ころの話を俺以外に誰に話した?」
「誰にも話していません……」
僕がそう言うと、二人は困り顔になってしまった。こっちも困ってるんだけど。
「じゃなぜ、リンリン草を手に入れたらサーチを取得出来ると思ったんだ? 誰かが話しているのを聞いたのか?」
「………」
どうしよう。これって本当の事を言ってわかってもらえるのかな?
俯いているとチェトと目があった。
『仕方がない。スキルの事を言え。そして、我と話せるスキルも手に入れたと言っておくといい。ただし、我が聖獣だと言う事は話すなよ』
うん? 聖獣? そうだ。ダダルさんに聞こうと思ってたんだ。これは後で聞こう。
「あの……」
「うん。なんだ?」
向かい側に座るダダルさんが頷く。
「実は、僕のスキル錬金ってスキルを作成できるスキルだったんです。それでチェトとも話せるスキルを手に入れて、今回はリンリン草を手に入れると、サーチを作成出来るみたいだったので、取ってきました。でも、チェトが間違って食べちゃったら死んじゃうからこっそりとりに行こうと思って……」
僕の話を聞いた三人は、顔を見合わせてから僕を見た。
「採取のスキルじゃなかったのか?」
「うん。それも覚えた」
「覚えた?」
ダダルさんの質問に答えると、ユイジュさんも聞くので頷いた。
「ちなみに他にはどんなのを覚えたんだ?」
ユイジュさんが聞いて来た。信じてくれるんだ!
「えっとね、採取でしょう、木登りでしょう、スキップに暗記……」
「ちょっと待て」
なぜかユイジュさんが、額に手を当てて唸っている。ダダルさんも似たような感じ。セードさんだけ、ほーっと言って感心してくれた!
「木登りも、もしかしてあの時覚えたのか? へばりついていたよな」
「うん。それが条件だったんだ」
「一ついいか? なんで冒険者やってる?」
と、なぜかよくわからない質問をユイジュさんがして来た。
「え? 前に話した通りだけど?」
「スキルを増やせるスキルなんだろう? だったら国家職カードを取得できるかもしれないだろう?」
とダダルさんは言うけど、錬金術できなから断られたから無理なんだよね。
「だって錬金術できないし。スキル作れるって言っても自分用だし。それに僕、魔法持ちと一緒にパーティー組むの夢だし」
「は? 何言ってるんだ。お前は逆の立場に……」
「ユイジュ。本人があぁ言ってるんだ。このままでいいだろう。それよりもそのスキルの話は誰かにしたか?」
「チェトにしただけ」
「チェトって、その犬にか……。相棒がいてよかったよ」
なぜかユイジュさんが、ホッとしている?
「あの。本当に信じてくれたんですか?」
「半々だがな。けどお前がこんな事を思いついて、嘘を言うとは思えないからな。サーチを覚えたのならば、使ってみせてくれればわかる」
「まあ俺は、木にへばりついていたと思ったら、いきなり登ったのを見ているからな。スキルを覚えられるならしっくりくるというか、信じられないけど、目の当たりにしてるからな……」
『ふう。まるく収まったな』
そうなのかな?
「あの……パーティー組んで連れて行ってくれますよね?」
僕が不安になってユイジュさんに聞くと、ダダルさんが笑い出した。
「あぁ、ただし、二つ条件がある」
「え、条件?」
「今話したスキルが増える話は、誰にも話さない事。教えない事」
僕はうんと頷く。
「もう一つは、俺達以外の前では、見えるようなスキルは使わない事」
「うん? 見えるようなスキルって?」
「それはわからないけど、これからどんどん増えて行くって事何だろう?」
「うん。たぶん」
「わからないなら覚えたら俺に言え。そうしたらいいか悪いか判断してやる」
「うん! わかった。宜しくおねがいします」
「残ってくれていたのが、ユイジュでよかったよ」
ダダルさんがそう言って、ほほ笑んだ。
「で、誰にサーチの事を言われた? 怒らないから言ってみろ」
ダダルさんが言うも、誰かに言われたわけじゃないし、どうしたらいいんだろう?
「じゃリンリン草と犬ころの話を俺以外に誰に話した?」
「誰にも話していません……」
僕がそう言うと、二人は困り顔になってしまった。こっちも困ってるんだけど。
「じゃなぜ、リンリン草を手に入れたらサーチを取得出来ると思ったんだ? 誰かが話しているのを聞いたのか?」
「………」
どうしよう。これって本当の事を言ってわかってもらえるのかな?
俯いているとチェトと目があった。
『仕方がない。スキルの事を言え。そして、我と話せるスキルも手に入れたと言っておくといい。ただし、我が聖獣だと言う事は話すなよ』
うん? 聖獣? そうだ。ダダルさんに聞こうと思ってたんだ。これは後で聞こう。
「あの……」
「うん。なんだ?」
向かい側に座るダダルさんが頷く。
「実は、僕のスキル錬金ってスキルを作成できるスキルだったんです。それでチェトとも話せるスキルを手に入れて、今回はリンリン草を手に入れると、サーチを作成出来るみたいだったので、取ってきました。でも、チェトが間違って食べちゃったら死んじゃうからこっそりとりに行こうと思って……」
僕の話を聞いた三人は、顔を見合わせてから僕を見た。
「採取のスキルじゃなかったのか?」
「うん。それも覚えた」
「覚えた?」
ダダルさんの質問に答えると、ユイジュさんも聞くので頷いた。
「ちなみに他にはどんなのを覚えたんだ?」
ユイジュさんが聞いて来た。信じてくれるんだ!
「えっとね、採取でしょう、木登りでしょう、スキップに暗記……」
「ちょっと待て」
なぜかユイジュさんが、額に手を当てて唸っている。ダダルさんも似たような感じ。セードさんだけ、ほーっと言って感心してくれた!
「木登りも、もしかしてあの時覚えたのか? へばりついていたよな」
「うん。それが条件だったんだ」
「一ついいか? なんで冒険者やってる?」
と、なぜかよくわからない質問をユイジュさんがして来た。
「え? 前に話した通りだけど?」
「スキルを増やせるスキルなんだろう? だったら国家職カードを取得できるかもしれないだろう?」
とダダルさんは言うけど、錬金術できなから断られたから無理なんだよね。
「だって錬金術できないし。スキル作れるって言っても自分用だし。それに僕、魔法持ちと一緒にパーティー組むの夢だし」
「は? 何言ってるんだ。お前は逆の立場に……」
「ユイジュ。本人があぁ言ってるんだ。このままでいいだろう。それよりもそのスキルの話は誰かにしたか?」
「チェトにしただけ」
「チェトって、その犬にか……。相棒がいてよかったよ」
なぜかユイジュさんが、ホッとしている?
「あの。本当に信じてくれたんですか?」
「半々だがな。けどお前がこんな事を思いついて、嘘を言うとは思えないからな。サーチを覚えたのならば、使ってみせてくれればわかる」
「まあ俺は、木にへばりついていたと思ったら、いきなり登ったのを見ているからな。スキルを覚えられるならしっくりくるというか、信じられないけど、目の当たりにしてるからな……」
『ふう。まるく収まったな』
そうなのかな?
「あの……パーティー組んで連れて行ってくれますよね?」
僕が不安になってユイジュさんに聞くと、ダダルさんが笑い出した。
「あぁ、ただし、二つ条件がある」
「え、条件?」
「今話したスキルが増える話は、誰にも話さない事。教えない事」
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「もう一つは、俺達以外の前では、見えるようなスキルは使わない事」
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「うん。たぶん」
「わからないなら覚えたら俺に言え。そうしたらいいか悪いか判断してやる」
「うん! わかった。宜しくおねがいします」
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ダダルさんがそう言って、ほほ笑んだ。
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