30 / 73
第30話 不運は重なるものなんです
しおりを挟む
次の日僕は、またチェトと二人で見回りの後、冒険者の街へ来ていた。
昨日レベル2のスキルを見てみたけどやっぱり魔法系はなかったんだ。で、色々見た結果、『観察』『確認』『チェック』となんか似た感じで物を見たりするみたいだで、どうせだからとここに来た。
この街ならいっぱい見るモノがある。
というわけで、昨日入らなかった雑貨屋に。
まずは『観察』から。一つのモノを色んな角度から見るを3個。
うーん空の瓶とかも売ってる。
あ、採取袋だって。
手に取って色んな角度から見て、袋の中身も確認っと。これは巾着みたいになっていて、紐を引っ張って閉じるみたい。
採取セットというのもある。スコップに軍手にさっきの採取袋のセットだ。
このスコップ凄い! 刃の部分を縦に半分に折って、柄の中にしまえるから小さく出来る! まあ最初から小型だけど。これほしいかも。
軍手は普通だけど、ちょっと僕には大きいかな。
スポッとはめてみるとやっぱり大きい。
――『観察』の条件が整いました。『観察』を作成しますか?
――『確認』の条件が整いました。『確認』を作成しますか?
あ、もう、二つも条件を達成した。
「熱心だね。買うかい?」
「はい……え?」
――『観察』のスキルを取得しました。
――『確認』のスキルを取得しました。
おじさん、聞くタイミングを計っていたみたいだよね! ど、どうしよう。買ったら帰れない!
「あ、でも軍手が大きいから……」
「それなら小さいのにも交換できるよ」
「はう……」
「毎度アリ~」
こ、断り切れなかった……。まあいっか!
このセットは、元から腰に着けれる様に袋に入っている。だから腰につければOK。
少しは、冒険者らしくなったかな。
『まだかかるのか? 今日は追いかけっこしないのか?』
「う……あのね、ちょっとだけお仕事を受けて行っていいかな?」
『いいが。この街で受けるのか?』
「うん」
ここの冒険者商会、建物が大きいな。二階まである。
中に入って驚いた! 人がいっぱいいる! って。なぜか、ジーッと見られてるんだけど。
チェトかな? 犬連れている人に出会わなかったし珍しいのかも。
「あの……Eランクの採取ってありますか?」
「うん? お嬢さん一人でするのかい?」
お嬢さん? 僕は辺りを見渡したけど、お嬢さんはいない。って僕をジッと見ている? え? 僕の事?
「……おや、男だったか。まあ、趣味は人それぞれだよな」
また間違えられた。
「一応聞くが、モンスターと戦えるのか? 絶対合わないという保証はないんだが……」
「……だ、大丈夫です」
「あの~鳥の巣の残骸ってなんですか?」
Dランクだけど、ちらっと張ってあるのに目が行った。鳥の巣なら木の上だよね?
「これかい? ここから馬車で30分程行った所から森へ入って更に30分ぐらいの所に、幹が通常の五倍ぐらいある大きな億樹という木があって、そこにある鳥の巣ごと取って来てほしいっていう依頼だな」
結構遠いな。走ったらどれくらいかかるかな? って、鳥の巣なんて奪おうとしたら鳥に襲われるよね?
「もう子育てが終わってるはずだから鳥はいないはずなんだが、この仕事は誰もやりたがらないんだよ。やってくれるなら色をつけるよ」
「色?」
「少し、多く報酬をあげるって事さ」
「え? でもなんで、みんなやりたがらないんですか?」
「その木が凄く背丈が高くそのてっぺんにあるからね。去年の巣も残ってるはずさ。あ、聞くけど一人でいかないよな?」
「……うん。二人」
チェトと二人だからね。
「そうか。ならよかった。大きさはこのサイズだからね」
そう言って渡されたのは僕がすっぽり入っても余るほどの大きさの袋だった!
「二人でなら持って帰って来れるだろう。で、これがロープな。持って下りるのは大変だろうからこれで降ろすといい」
今度は、太くて長いロープを渡された。どうしよう……これ走って行く以前に、重くて無理かも。
「あ、別に今日中でなくてもいいからな! 宜しく頼むよ。はいカード貸して」
「あ……」
首から下げているカードをひょいと引っ張って、請け負いの登録を勝手にされてしまった!!
「が、頑張ります」
そういう事で、大きな袋にロープを入れて持って行くことになった。
『何をやっているのやら……』
「うー。重いよう」
これなら夜になってもいいから家に走って帰ればよかった。
昨日レベル2のスキルを見てみたけどやっぱり魔法系はなかったんだ。で、色々見た結果、『観察』『確認』『チェック』となんか似た感じで物を見たりするみたいだで、どうせだからとここに来た。
この街ならいっぱい見るモノがある。
というわけで、昨日入らなかった雑貨屋に。
まずは『観察』から。一つのモノを色んな角度から見るを3個。
うーん空の瓶とかも売ってる。
あ、採取袋だって。
手に取って色んな角度から見て、袋の中身も確認っと。これは巾着みたいになっていて、紐を引っ張って閉じるみたい。
採取セットというのもある。スコップに軍手にさっきの採取袋のセットだ。
このスコップ凄い! 刃の部分を縦に半分に折って、柄の中にしまえるから小さく出来る! まあ最初から小型だけど。これほしいかも。
軍手は普通だけど、ちょっと僕には大きいかな。
スポッとはめてみるとやっぱり大きい。
――『観察』の条件が整いました。『観察』を作成しますか?
――『確認』の条件が整いました。『確認』を作成しますか?
あ、もう、二つも条件を達成した。
「熱心だね。買うかい?」
「はい……え?」
――『観察』のスキルを取得しました。
――『確認』のスキルを取得しました。
おじさん、聞くタイミングを計っていたみたいだよね! ど、どうしよう。買ったら帰れない!
「あ、でも軍手が大きいから……」
「それなら小さいのにも交換できるよ」
「はう……」
「毎度アリ~」
こ、断り切れなかった……。まあいっか!
このセットは、元から腰に着けれる様に袋に入っている。だから腰につければOK。
少しは、冒険者らしくなったかな。
『まだかかるのか? 今日は追いかけっこしないのか?』
「う……あのね、ちょっとだけお仕事を受けて行っていいかな?」
『いいが。この街で受けるのか?』
「うん」
ここの冒険者商会、建物が大きいな。二階まである。
中に入って驚いた! 人がいっぱいいる! って。なぜか、ジーッと見られてるんだけど。
チェトかな? 犬連れている人に出会わなかったし珍しいのかも。
「あの……Eランクの採取ってありますか?」
「うん? お嬢さん一人でするのかい?」
お嬢さん? 僕は辺りを見渡したけど、お嬢さんはいない。って僕をジッと見ている? え? 僕の事?
「……おや、男だったか。まあ、趣味は人それぞれだよな」
また間違えられた。
「一応聞くが、モンスターと戦えるのか? 絶対合わないという保証はないんだが……」
「……だ、大丈夫です」
「あの~鳥の巣の残骸ってなんですか?」
Dランクだけど、ちらっと張ってあるのに目が行った。鳥の巣なら木の上だよね?
「これかい? ここから馬車で30分程行った所から森へ入って更に30分ぐらいの所に、幹が通常の五倍ぐらいある大きな億樹という木があって、そこにある鳥の巣ごと取って来てほしいっていう依頼だな」
結構遠いな。走ったらどれくらいかかるかな? って、鳥の巣なんて奪おうとしたら鳥に襲われるよね?
「もう子育てが終わってるはずだから鳥はいないはずなんだが、この仕事は誰もやりたがらないんだよ。やってくれるなら色をつけるよ」
「色?」
「少し、多く報酬をあげるって事さ」
「え? でもなんで、みんなやりたがらないんですか?」
「その木が凄く背丈が高くそのてっぺんにあるからね。去年の巣も残ってるはずさ。あ、聞くけど一人でいかないよな?」
「……うん。二人」
チェトと二人だからね。
「そうか。ならよかった。大きさはこのサイズだからね」
そう言って渡されたのは僕がすっぽり入っても余るほどの大きさの袋だった!
「二人でなら持って帰って来れるだろう。で、これがロープな。持って下りるのは大変だろうからこれで降ろすといい」
今度は、太くて長いロープを渡された。どうしよう……これ走って行く以前に、重くて無理かも。
「あ、別に今日中でなくてもいいからな! 宜しく頼むよ。はいカード貸して」
「あ……」
首から下げているカードをひょいと引っ張って、請け負いの登録を勝手にされてしまった!!
「が、頑張ります」
そういう事で、大きな袋にロープを入れて持って行くことになった。
『何をやっているのやら……』
「うー。重いよう」
これなら夜になってもいいから家に走って帰ればよかった。
37
あなたにおすすめの小説
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
魔物が棲む森に捨てられた私を拾ったのは、私を捨てた王子がいる国の騎士様だった件について。
imu
ファンタジー
病院の帰り道、歩くのもやっとな状態の私、花宮 凛羽 21歳。
今にも倒れそうな体に鞭を打ち、家まで15分の道を歩いていた。
あぁ、タクシーにすればよかったと、後悔し始めた時。
「—っ⁉︎」
私の体は、眩い光に包まれた。
次に目覚めた時、そこは、
「どこ…、ここ……。」
何故かずぶ濡れな私と、きらびやかな人達がいる世界でした。
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
神様、ありがとう! 2度目の人生は破滅経験者として
たぬきち25番
ファンタジー
流されるままに生きたノルン伯爵家の領主レオナルドは貢いだ女性に捨てられ、領政に失敗、全てを失い26年の生涯を自らの手で終えたはずだった。
だが――気が付くと時間が巻き戻っていた。
一度目では騙されて振られた。
さらに自分の力不足で全てを失った。
だが過去を知っている今、もうみじめな思いはしたくない。
※他サイト様にも公開しております。
※※皆様、ありがとう! HOTランキング1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※
※※皆様、ありがとう! 完結ランキング(ファンタジー・SF部門)1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※
解雇されたけど実は優秀だったという、よくあるお話。
シグマ
ファンタジー
突如、所属している冒険者パーティー[ゴバスト]を解雇されたサポーターのマルコ。しかし普通のサポート職以上の働きをしていたマルコが離脱した後のパーティーは凋落の一途を辿る。そしてその影響はギルドにまでおよび……
いわゆる追放物の短編作品です。
起承転結にまとめることを意識しましたが、上手く『ざまぁ』出来たか分かりません。どちらかと言えば、『覆水盆に返らず』の方がしっくりくるかも……
サクッと読んで頂ければ幸いです。
※思っていた以上の方に読んで頂けたので、感謝を込めて当初の予定を越える文量で後日談を追記しました。ただ大団円で終わってますので、『ざまぁ』を求めている人は見ない方が良いかもしれません。
神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
神眼の鑑定師~女勇者に追放されてからの成り上がり~大地の精霊に気に入られてアイテム作りで無双します
すもも太郎
ファンタジー
伝説級勇者パーティーを首になったニースは、ギルドからも放逐されて傷心の旅に出る。
その途中で大地の精霊と運命の邂逅を果たし、精霊に認められて加護を得る。
出会った友人たちと共に成り上がり、いつの日にか国家の運命を変えるほどの傑物となって行く。
そんなニースの大活躍を知った元のパーティーが追いかけてくるが、彼らはみじめに落ちぶれて行きあっという間に立場が逆転してしまう。
大精霊の力を得た鑑定師の神眼で、透視してモンスター軍団や敵国を翻弄したり、創り出した究極のアイテムで一般兵が超人化したりします。
今にも踏み潰されそうな弱小国が超大国に打ち勝っていくサクセスストーリーです。
※ハッピーエンドです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる