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第十五章 謀略に始まり謀略で終わる

第百八十七話

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 ――サンチナドの思惑とは違い、思ったより薬師も魔術師も手に入らなかった。

 特に魔術師は、見つける事さえ困難だった。人に知られない様にして過ごしているから当たり前だ。
 薬師もこんな小さな国にこようとする者も少ない。集めるのにお金がいる。そこで資金集めをする事にした。薬師を略奪し売りつける事にしたのだ。そして魔法陣による刻印の練習台にもした。
 組織が欲しいのは優秀な薬師だったので、目についた者を連れ去っていた。だがそんな事をすれば、薬師を人身売買している組織があると知られる事になる。

 そんな時、レオナールが魔術師だと名乗りを上げたのだ! これにはサンチナドも驚いた。しかもこっそりと魔術師を受け入れているのだ。
 そこで調べさせるとコーデリアがいた! 一体に何を企んでいるのかと監視する事にする。

 サンチナドにしてみれば、色々用意が整った後、魔術師の国と名乗りを上げ世界に宣戦布告をする予定だった。魔術師を受け入れる国は仲間に、拒否をする国には制裁をすると掲げるつもりだった。
 だがそれは、魔術師の国が一カ国だから成り立つ。先に名乗りを上げられ、魔術師を集められてはこの作戦は台無しだった!

 更にレオナールはエクランド国と手を組んで、薬師を集めているのが魔術師の組織だと見破り、本格的に乗り出して来たのだ。
 彼のお蔭でサンチナドの計画は大いに狂った。こうなったらもう昔の様に三カ国で手を組むしかない。いや強制的に配下に置く事にする。

 ハルフォード国は、外からの接触は無理なのはわかっていた。だから折を見て仕掛けるつもりだった。
 ヴィルターヌ帝国からそうするつもりで皇帝を拉致した。ついでに文献も処分しようとするも皇女がそれを持ち出し、事もあろうかエクランド国に助けを求めに行ったのだった。
 そこでトンマーゾに殺させる事にした。サンチナドからすれば、どちらが死んでも構わなかった。
 しかしそれもレオナールに邪魔される。

 彼がいては事が進まない! 始末する事にする。
 ハルフォードに呼び戻すも失敗し、しかもヴィルターヌ帝国に結界を張った!
 そこで噂を流し彼に堂々と刺客を送り込んだ。『魔力を練れなくする水』の有効性も試す事にするも今度はトンマーゾに邪魔される!
 しかもクレが、ミュアンと共にレオナールが逃げたと連絡を寄こす。
 向かう先は封印の場所に違いないと自ら出向く事にする。クレも名誉挽回したいと名乗りあげ連れて行ってもらう事に成功する。

 コーデリアも呼びつけ、全員始末するつもりだった。水の効果は実証済み。コーデリアとミュアンの魔術さえ封じれば、サンチナドにとっては後は怖くないはずだった。
 クレ達にチャンスが訪れた! 今しかない! トンマーゾと打ち合わせは出来ていないが、何とか場所だけは伝える時間があった。
 こうして十七年の想いは遂げられたのだった――。
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