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第7話
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ルトルン伯爵家で顔合わせする事になり出向いた。
私達が住んでいるマスティラン領地の隣に位置する小さな領地を持った貴族で、住んでいる街と同じぐらいの広さ。
私達が住んでいる街は、ルトルン領に面しているので二時間程で屋敷についた。
次男とはいえ、よく領地持ちの貴族を見つけて来たものだわ。
ガストン様は、背が高く金の髪に碧眼。中々の美丈夫。かなりモテると思うのだけど。
ルトルン伯爵家の庭園を二人で歩き、親交を深める様に言われたけど、初めて会ったし何を話していいのやら。
「レネット嬢は、すでに薬師の資格をお持ちだとか」
「はい。7歳で学校に入りました」
「な、7歳ですか。凄いですね。浮きませんでしたか?」
「皆さん、大人でしたから大変良くして頂きましたわ。嫌な思いはしませんでした」
嘘は言っていない。7歳だから他の人より力がないので、初めは大変だったけど、それ以外は苦労はほとんどしていない。
私としては、高校生気分だったわ。
「そうですか。それはよっか。僕が経営家科を卒業してからですから、結婚は少し待たせてしまいますが」
「経営家科を卒業後、グリンマトル家で勉強してからですね」
「え……。あ、でもそうなるとさらに2年遅くなりますが」
「いいのではありませんか? 他の方もそれぐらいではありませんか」
経営家になる為には、卒業試験に合格しないと卒業できず、不合格だと留年となる。
その後、2年間実践経験を得て、雇い主から修了証を貰ってそれを届けると、初めて経営家になれる。
こうして顔合わせが無事終わり、婚約に至った。
私が学園に通う少し前に、一応ウルミーシュ子爵家三人にも紹介する事になり、ガストン様が家に来て、それが二度目の顔合わせ。
貴族学園に入学後は、違う学園に通っている事もあり、その後顔を合わせていない。
それに授業が終われば私はすぐに帰り、経営家になる為に仕事に打ち込んでいたからだ。
「今日もすぐに帰るんだね」
「フランシスク様」
彼は、この領地の次男でセセリア様が言っていた弟だった。まさか、領主のご令嬢だったとは。名前しか教えてくれなかったのは、そのせいかな。
知ってしまうと一緒にやりづらいだろと言う配慮。
フランシスク様は、セセリア様から私の事を聞いていたようで、気に掛けてくれる。
彼は、セセリア様と似ていて銀の髪に瞳で、ガストン様より大人に見え気立てがいいのよね。
「そんなに無理しなくてもいいんじゃない? 婚約者のルトルン伯爵子息も経営家になる予定なのだろう?」
「そうですね。でも楽しいのです。では、ごきげんよう」
軽く頭を下げて、その場を去った。
そんなに無理ているように見えるのかな。
確かに、学園に通う皆は今しか自由がないと放課後は、友人とお出掛けしたりしているようだけど。
私も来年はそうするつもり。
今は、仕事を覚えたい。そうすれば、親孝行出来るからね。
◇
「放課後に話していた方って誰なの? 親しそうだったけど」
夕食時、突然そうアンナが問いかけて来た。
「フランシスク様? 同じクラスの令息よ」
「へえ。名前呼びなんだ。ガストン様がいるのに」
ガストン様って、あなただって自分の婚約者でもないのに名前呼びしているじゃないの。
「彼のお姉様と先に知り合っていてね。それで名前呼びなのよ。それに、親しそうって廊下で挨拶しただけじゃない」
「レネットは、学園からすぐに帰って来て仕事をしているのよ。変な言いがかりはよしてちょうだい」
お、お母様?
今日は機嫌が悪いのかな?
「別にそう言うわけでは……」
「アンナは、疑問に思ったから聞いただけですわ。そんなに目くじらを立てなくてもよろしいのではなくて」
エルダ夫人が反論する。
お父様、何とかして。目配せをするも焦り顔で何も言えずにいる。
「他人の事をあーだこーだと言う前に、レネットの様に終わったら帰って来て手伝いをしたらどうなのかしら?」
「なんで、そんな事をしなくてはいけないの? 私はここの家の子じゃないわ」
「そう。だったらお小遣いはあげなくていいわね」
「え……」
まだあげていたの?
お父様? ジド目で見るとお父様は慌てて口を挟んだ。
「そうだな。何もせずにあげるわけにもいかない。せめて手伝いをしてほしい」
「……わかりました」
アンナは、むくれ顔で返事を返すのだった。
私達が住んでいるマスティラン領地の隣に位置する小さな領地を持った貴族で、住んでいる街と同じぐらいの広さ。
私達が住んでいる街は、ルトルン領に面しているので二時間程で屋敷についた。
次男とはいえ、よく領地持ちの貴族を見つけて来たものだわ。
ガストン様は、背が高く金の髪に碧眼。中々の美丈夫。かなりモテると思うのだけど。
ルトルン伯爵家の庭園を二人で歩き、親交を深める様に言われたけど、初めて会ったし何を話していいのやら。
「レネット嬢は、すでに薬師の資格をお持ちだとか」
「はい。7歳で学校に入りました」
「な、7歳ですか。凄いですね。浮きませんでしたか?」
「皆さん、大人でしたから大変良くして頂きましたわ。嫌な思いはしませんでした」
嘘は言っていない。7歳だから他の人より力がないので、初めは大変だったけど、それ以外は苦労はほとんどしていない。
私としては、高校生気分だったわ。
「そうですか。それはよっか。僕が経営家科を卒業してからですから、結婚は少し待たせてしまいますが」
「経営家科を卒業後、グリンマトル家で勉強してからですね」
「え……。あ、でもそうなるとさらに2年遅くなりますが」
「いいのではありませんか? 他の方もそれぐらいではありませんか」
経営家になる為には、卒業試験に合格しないと卒業できず、不合格だと留年となる。
その後、2年間実践経験を得て、雇い主から修了証を貰ってそれを届けると、初めて経営家になれる。
こうして顔合わせが無事終わり、婚約に至った。
私が学園に通う少し前に、一応ウルミーシュ子爵家三人にも紹介する事になり、ガストン様が家に来て、それが二度目の顔合わせ。
貴族学園に入学後は、違う学園に通っている事もあり、その後顔を合わせていない。
それに授業が終われば私はすぐに帰り、経営家になる為に仕事に打ち込んでいたからだ。
「今日もすぐに帰るんだね」
「フランシスク様」
彼は、この領地の次男でセセリア様が言っていた弟だった。まさか、領主のご令嬢だったとは。名前しか教えてくれなかったのは、そのせいかな。
知ってしまうと一緒にやりづらいだろと言う配慮。
フランシスク様は、セセリア様から私の事を聞いていたようで、気に掛けてくれる。
彼は、セセリア様と似ていて銀の髪に瞳で、ガストン様より大人に見え気立てがいいのよね。
「そんなに無理しなくてもいいんじゃない? 婚約者のルトルン伯爵子息も経営家になる予定なのだろう?」
「そうですね。でも楽しいのです。では、ごきげんよう」
軽く頭を下げて、その場を去った。
そんなに無理ているように見えるのかな。
確かに、学園に通う皆は今しか自由がないと放課後は、友人とお出掛けしたりしているようだけど。
私も来年はそうするつもり。
今は、仕事を覚えたい。そうすれば、親孝行出来るからね。
◇
「放課後に話していた方って誰なの? 親しそうだったけど」
夕食時、突然そうアンナが問いかけて来た。
「フランシスク様? 同じクラスの令息よ」
「へえ。名前呼びなんだ。ガストン様がいるのに」
ガストン様って、あなただって自分の婚約者でもないのに名前呼びしているじゃないの。
「彼のお姉様と先に知り合っていてね。それで名前呼びなのよ。それに、親しそうって廊下で挨拶しただけじゃない」
「レネットは、学園からすぐに帰って来て仕事をしているのよ。変な言いがかりはよしてちょうだい」
お、お母様?
今日は機嫌が悪いのかな?
「別にそう言うわけでは……」
「アンナは、疑問に思ったから聞いただけですわ。そんなに目くじらを立てなくてもよろしいのではなくて」
エルダ夫人が反論する。
お父様、何とかして。目配せをするも焦り顔で何も言えずにいる。
「他人の事をあーだこーだと言う前に、レネットの様に終わったら帰って来て手伝いをしたらどうなのかしら?」
「なんで、そんな事をしなくてはいけないの? 私はここの家の子じゃないわ」
「そう。だったらお小遣いはあげなくていいわね」
「え……」
まだあげていたの?
お父様? ジド目で見るとお父様は慌てて口を挟んだ。
「そうだな。何もせずにあげるわけにもいかない。せめて手伝いをしてほしい」
「……わかりました」
アンナは、むくれ顔で返事を返すのだった。
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