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最終話
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色々あったから薬師の事業は休業する手続きをした。
アンナとウルミーシュ子爵は、部屋に籠っている。
食事も部屋でとっているので、騒がしかった屋敷の中は今までが嘘のように静か。
まあアンナは相当ショックを受けたようだし、口うるさい二人が居なくなったのだから当たり前よね。
そんな寂しさを知っているかのように、次の日からフランシスク様は、本当に家にやってきた。
ほんの一時間程、たわいもない話をして帰って行く。
そうしているうちに一か月が経ち、アンナとウルミーシュ子爵は、出ていった。
ウルミーシュ子爵は、エルダ夫人と離婚する事によって子爵でいる事ができ、アンナと一緒に暮らす事になった。
だけど、アンナは学園を退学する事になる。
まあ身籠ったし、学園では噂が流れているからね。
私の両親が、馬車の事故で亡くなった真実が広まったのだ。
ルトルン伯爵とガストン様……いえ、ガストンの逮捕。もちろん、ルトルン伯爵家は廃爵になり、一時的にマスティラン侯爵家が領地を管轄する事になったことが明るみなった。
アンナが妊娠しているのは、知られてはいないけど時間の問題かもしれない。
子供には罪はないので、きちんと子を育てる事を条件にマスティラン侯爵家の配慮でウルミーシュ子爵は仕事を請け負い、これから生まれる子と三人で生きていく事になった。
エルダ元夫人は、裁判にかけられグリンマトル伯爵家とは縁が切られ平民となった。
自分の兄の死を利用してグリンマトル伯爵家を乗っ取ろうとし、殺人には加担していないが悪質だと判断されたのだ。
ガストンは殺そうとしたわけではないが、反省せずにグリンマトル伯爵家を乗っ取る事に加担した罪で、終身刑になった。
そして、元ルトルン伯爵は今も裁判中だ。私の両親の事だけではなく、色々と悪事が出てきて裁判が長引いている。
フランシスク様の話では、人は殺していないが罪状が多いのでガストンと同じ終身刑だろうと言う。
「大丈夫? 寂しくない? ここにもう移ろうか?」
「え! 早くない?」
「早くない。遅いくらいだよ」
たった一か月でほだされてしまったようで、私達は昨日婚約をした。
彼が向けて来る眼差しが優し気で安心でき、いつの間にか傍にいてほしいと思う様になっていた。
バレない様に毎日通うのだもの、そりゃほだされるよ。
でも、彼のこの眼差しで思い出したんだ。
あのパーティーでプロンテヌ侯爵に「気になった者はいたか」と聞かれて、「みんなぐいぐい来て。私は伯爵家の娘なのにね。そういえば、その中に銀の瞳で柔らかく私を見てくる彼は、かわいかったかも!」って言った事を。
きっと、そのセリフをプロンテヌ侯爵は覚えていたんだろうなぁ。
よく見れば、面影がある。
でもあのパーティーがお見合いみたいなもので、そこに侯爵家の息子が来ているなんて思わないじゃない。
もしあの時、「好きかも」みたいな事を言っていたらフランシスク様と婚約していたのだろうか。
そう考えた時、ありと思ってしまったんだよね。
ガストンが嫌だからフランシスク様がいいではなく、フランシスク様がいいと思ってしまった。
「うん? 何?」
ボーっとパーティーの事を思いだし、フランシスク様を見つめていたら、不思議そうな顔でフランシスク様が問う。
「うん。この柔らかな視線は知ってるって。パーティーの時から変わってないなぁって」
「え!」
一瞬でフランシスク様が赤面した。
「私の事を覚えてくれていた……」
そう呟いたフランシスク様の声が聞こえた。嬉しそうだわ。
この日もこうして、一時間程で帰っていた。
やっぱり一緒に住もうかな? 一時間では寂しい。ずっと一緒にいたい。そんな想いが募っていった。
◇
さらに一か月後、私は密会場所の甘味処に来ていた。
私の隣には、プロンテヌ侯爵が座っている。
そして、向かい側にはマスティラン侯爵とフランシスク様が座っていた。
突然、プロンテヌ侯爵から手紙が来て大事な話があると言って、今日ここに連れて来られたのよね。
「そんな不安がらなくてよい。まあ、少し大変だろうがな」
緊張した顔つきでいたので、プロンテヌ侯爵が隣でそう言った。
よかった。破談ですという話ではなさそう。
「突然だが、息子のフランシスクと結婚後、元ルトルン伯爵が治めていた領地を治めてほしい」
うん? 領地を治める?
目をぱちくりとしていると、フランシスク様がにっこりとほほ笑んだ。
「つまり、元ルトルン伯爵領は、グリンマトル伯爵領になるって事だよ」
「えー!! む、無理です。そんなの!」
あまりの事に驚いて、大声を上げてしまった。
「大丈夫だ。私もサポートするし、領地経営は主に彼がする」
プロンテヌ侯爵の言葉にフランシスク様を見れば、こくんと頷く。
「君は、場所は移るが薬師としてまたは経営家として仕事をしていいって事だよ」
「で、でも……」
「元々、ルトルン伯爵領はマスティラン領地だったのだ。フランシスクのように、結婚して婿に行く際に領地を分けたという経緯があってね。彼らは遠い親戚でもあった。まあそういう記録が残っていただけというぐらい、かなり昔の話だ」
マスティラン侯爵がそう言った。
という事は、フランシスク様が領地を継いでもおかしくないって事なのよね? 婿に来る事になるからマスティラン領ではなくグリンマトル領と名が変わるだけ。
「実はもう、そういう話で進めていてね。調合部屋などの打ち合わせをしようとなったのだ」
「今、新たに二人の屋敷を作っているところだ。卒業と共に今住んでいるところから、そっちへ移る事になる」
マスティラン侯爵が驚く事を言うと、続けてプロンテヌ侯爵も驚く事を続けた。
私抜きで、そこまで話を進めていたですって!!
これ絶対に、遠い親族だと知ってプロンテヌ侯爵が持ち掛けた話よね。
そんなこんなで、学園卒業後私達は、領地を持つ貴族になった。
新しい屋敷は、前に住んでいた屋敷の倍以上ある大きな屋敷で、使用人達も一変。
執事長と従者の二人だけは、ついて来てくれた。
新しい調合室に執務室。
なんだか、不思議な気持ちだわ。
「これからも末永くよろしくね。レネット」
私の右手をとり、甲にキスを落とすフランシスク様。
「こちらこそよろしくね。フランシスク様」
「今日はゆっくりしようか。明日からは色々と忙しくなるのだから」
「そ、そうね」
私達は、そのまま寝室へと向かうのだった。
アンナとウルミーシュ子爵は、部屋に籠っている。
食事も部屋でとっているので、騒がしかった屋敷の中は今までが嘘のように静か。
まあアンナは相当ショックを受けたようだし、口うるさい二人が居なくなったのだから当たり前よね。
そんな寂しさを知っているかのように、次の日からフランシスク様は、本当に家にやってきた。
ほんの一時間程、たわいもない話をして帰って行く。
そうしているうちに一か月が経ち、アンナとウルミーシュ子爵は、出ていった。
ウルミーシュ子爵は、エルダ夫人と離婚する事によって子爵でいる事ができ、アンナと一緒に暮らす事になった。
だけど、アンナは学園を退学する事になる。
まあ身籠ったし、学園では噂が流れているからね。
私の両親が、馬車の事故で亡くなった真実が広まったのだ。
ルトルン伯爵とガストン様……いえ、ガストンの逮捕。もちろん、ルトルン伯爵家は廃爵になり、一時的にマスティラン侯爵家が領地を管轄する事になったことが明るみなった。
アンナが妊娠しているのは、知られてはいないけど時間の問題かもしれない。
子供には罪はないので、きちんと子を育てる事を条件にマスティラン侯爵家の配慮でウルミーシュ子爵は仕事を請け負い、これから生まれる子と三人で生きていく事になった。
エルダ元夫人は、裁判にかけられグリンマトル伯爵家とは縁が切られ平民となった。
自分の兄の死を利用してグリンマトル伯爵家を乗っ取ろうとし、殺人には加担していないが悪質だと判断されたのだ。
ガストンは殺そうとしたわけではないが、反省せずにグリンマトル伯爵家を乗っ取る事に加担した罪で、終身刑になった。
そして、元ルトルン伯爵は今も裁判中だ。私の両親の事だけではなく、色々と悪事が出てきて裁判が長引いている。
フランシスク様の話では、人は殺していないが罪状が多いのでガストンと同じ終身刑だろうと言う。
「大丈夫? 寂しくない? ここにもう移ろうか?」
「え! 早くない?」
「早くない。遅いくらいだよ」
たった一か月でほだされてしまったようで、私達は昨日婚約をした。
彼が向けて来る眼差しが優し気で安心でき、いつの間にか傍にいてほしいと思う様になっていた。
バレない様に毎日通うのだもの、そりゃほだされるよ。
でも、彼のこの眼差しで思い出したんだ。
あのパーティーでプロンテヌ侯爵に「気になった者はいたか」と聞かれて、「みんなぐいぐい来て。私は伯爵家の娘なのにね。そういえば、その中に銀の瞳で柔らかく私を見てくる彼は、かわいかったかも!」って言った事を。
きっと、そのセリフをプロンテヌ侯爵は覚えていたんだろうなぁ。
よく見れば、面影がある。
でもあのパーティーがお見合いみたいなもので、そこに侯爵家の息子が来ているなんて思わないじゃない。
もしあの時、「好きかも」みたいな事を言っていたらフランシスク様と婚約していたのだろうか。
そう考えた時、ありと思ってしまったんだよね。
ガストンが嫌だからフランシスク様がいいではなく、フランシスク様がいいと思ってしまった。
「うん? 何?」
ボーっとパーティーの事を思いだし、フランシスク様を見つめていたら、不思議そうな顔でフランシスク様が問う。
「うん。この柔らかな視線は知ってるって。パーティーの時から変わってないなぁって」
「え!」
一瞬でフランシスク様が赤面した。
「私の事を覚えてくれていた……」
そう呟いたフランシスク様の声が聞こえた。嬉しそうだわ。
この日もこうして、一時間程で帰っていた。
やっぱり一緒に住もうかな? 一時間では寂しい。ずっと一緒にいたい。そんな想いが募っていった。
◇
さらに一か月後、私は密会場所の甘味処に来ていた。
私の隣には、プロンテヌ侯爵が座っている。
そして、向かい側にはマスティラン侯爵とフランシスク様が座っていた。
突然、プロンテヌ侯爵から手紙が来て大事な話があると言って、今日ここに連れて来られたのよね。
「そんな不安がらなくてよい。まあ、少し大変だろうがな」
緊張した顔つきでいたので、プロンテヌ侯爵が隣でそう言った。
よかった。破談ですという話ではなさそう。
「突然だが、息子のフランシスクと結婚後、元ルトルン伯爵が治めていた領地を治めてほしい」
うん? 領地を治める?
目をぱちくりとしていると、フランシスク様がにっこりとほほ笑んだ。
「つまり、元ルトルン伯爵領は、グリンマトル伯爵領になるって事だよ」
「えー!! む、無理です。そんなの!」
あまりの事に驚いて、大声を上げてしまった。
「大丈夫だ。私もサポートするし、領地経営は主に彼がする」
プロンテヌ侯爵の言葉にフランシスク様を見れば、こくんと頷く。
「君は、場所は移るが薬師としてまたは経営家として仕事をしていいって事だよ」
「で、でも……」
「元々、ルトルン伯爵領はマスティラン領地だったのだ。フランシスクのように、結婚して婿に行く際に領地を分けたという経緯があってね。彼らは遠い親戚でもあった。まあそういう記録が残っていただけというぐらい、かなり昔の話だ」
マスティラン侯爵がそう言った。
という事は、フランシスク様が領地を継いでもおかしくないって事なのよね? 婿に来る事になるからマスティラン領ではなくグリンマトル領と名が変わるだけ。
「実はもう、そういう話で進めていてね。調合部屋などの打ち合わせをしようとなったのだ」
「今、新たに二人の屋敷を作っているところだ。卒業と共に今住んでいるところから、そっちへ移る事になる」
マスティラン侯爵が驚く事を言うと、続けてプロンテヌ侯爵も驚く事を続けた。
私抜きで、そこまで話を進めていたですって!!
これ絶対に、遠い親族だと知ってプロンテヌ侯爵が持ち掛けた話よね。
そんなこんなで、学園卒業後私達は、領地を持つ貴族になった。
新しい屋敷は、前に住んでいた屋敷の倍以上ある大きな屋敷で、使用人達も一変。
執事長と従者の二人だけは、ついて来てくれた。
新しい調合室に執務室。
なんだか、不思議な気持ちだわ。
「これからも末永くよろしくね。レネット」
私の右手をとり、甲にキスを落とすフランシスク様。
「こちらこそよろしくね。フランシスク様」
「今日はゆっくりしようか。明日からは色々と忙しくなるのだから」
「そ、そうね」
私達は、そのまま寝室へと向かうのだった。
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