成り上がりたいのなら勝手にどうぞ。僕は『テリトリー』で使い魔と楽しく過ごす事にします

すみ 小桜(sumitan)

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 木箱の蓋を開けると手のひら程のガラス球が入っていた。それが判定球らしい。
 そういえば、ここら辺にはガラスを使った建物がいっぱい建っている。
 僕が住んでいた村には、農業の偉い人経営者の家の窓ぐらいだったな。
 僕達が借りていた家のドアや窓は、スライドして開け閉めする。でもここの建物のドアって手前や奥に動いているよね? どうなってるんだろう。

 「では、これに触れて、これから聞く事に正直答えてくれるかな? 間違いなければ青く光るから」
 「はい」

 恐る恐る僕は、判定球に触れる。ひんやりとしていた。

 「では、君がスキルを買う為に持ってきた金額は?」
 「魔四マヨ銅貨50枚です」

 判定球は、青く光った。
 よかったぁ。それにしても不思議だ。
 これも錬金術で作った魔道具らしい。錬金術って凄いな。

 「ご苦労様。申請してくるから少し待っていて」
 「はい」

 すぐに結果が出るのかな?
 少しボケーっとしていると、隊員が戻って来た。

 「はい。500ハカリだ」
 「あ、ありがとうございます!」

 魔四銅貨50枚ではなく、魔十マト5枚だけど500ハカリが返ってきた。

 「さて、では冒険者ギルド協会に行って手続きだけしておこう」
 「はい。もしかしてついて来てくれるのですか?」
 「何も知らないようだし、向こうに状況を話してみるよ」
 「ありがとうございます」

 隊員の後をついて行き、冒険者ギルド協会に到着した。
 そこは、大きな建物で大きな扉は解放されていて、沢山の人が出入りしている。

 「凄い……」
 「口や態度が悪い者がいるが、ここで揉め事は起こさないだろうから大丈夫だ。おいで」

 僕達は、建物内へと入って行った。

 「すまないが、この者を冒険者登録してほしい」
 「彼ですか?」
 「彼は今日、15歳になった。ただ冒険者の事を何も知らないので、説明をお願いしたい」
 「そうですか。わかりました」

 隊員と話しているのは、緑色の髪の女性だ。シルバーのチョーカーをしている。
 村では僕だけだったけど、ジャトで働く店員はシルバーのチョーカーをしていた。
 カモミール隊員が言っていた様に、スキル持ちは農業なんてしないんだ。知らなかった。こんなにも色んな仕事があるなんて。

 「私は、冒険者ギルド協会の受付嬢リタです。ここでは冒険者になった皆さんが仕事を探しに来て、受付嬢に受付の依頼をして、完了致しましたらまた受付嬢に清算をしてもらい、確認後に報酬を受け取ります」

 僕は、こくんと頷く。

 「冒険者になる条件は、レビューブ皇国民である事。それだけです。後は、登録料として100ハカリお支払い頂ければ、冒険者になる事ができます」

 100ハカリなら足りる。よかったぁ。

 「主な仕事内容は、魔獣の討伐、薬草などの採取、それと街内でのちょっとした仕事です」
 「ま、魔獣!?」

 そう言えば、村から出る時に、町までの間に滅多にないけど魔獣に出会うかもしれないと聞いた。
 冗談かと思っていたけど、本当にいたんだ。

 「討伐は、絶対にしなくてはいけないわけではありません。一番稼ぎはいいですが、それだけ危険な仕事です。一人では無理でもギルドに入って複数で行う事ができます」
 「ギルド?」
 「一緒に行動する仲間の集まりです。依頼をギルドで受けると、ギルドメンバー内で報酬を分ける事になります。またギルドによっては、戦闘に参加しなくてもいい場合もあります」

 だったらギルドに入った方がいいかも。

 「冒険者登録をなさいますか?」
 「はい」
 「では失礼します」

 受付嬢は、ガラス玉が付いた棒で僕のチョーカーに触れた。
 カモミール隊員もこれをしていた。どうやらこれで僕の情報がわかるみたいだ。
 って、カウンターに置いてあった黒いグローブにガラス玉をはめた。

 「左手様ですので左手に付けて下さい。100ハカリ頂きます。こちらに入れて下さい」

 カウンターの上に置いてある箱の引き出しを引っ張り開けた。そこに、魔十銅貨1枚を入れる。
 受付嬢が引き出しを閉めると、箱の上に『100ハカリ』と表示されてびっくりだ。

 「凄い」
 「確かに受け取りました。これでいつでもご利用できます」

 僕は、グローブを左手に付けた。

 「そちらのステーブに触れてみてください」
 「ステーブ?」
 「そのグローブに付いている丸い球です」
 「あ、これね」

 言われた通り右手で触れると、左手の少し上に文字が浮かび上がった。

 「なにこれ!?」
 「これはあなたのステータスとなります。ギルドに所属すれば、ギルド名も表示されます」

 凄い。どういう仕組みなんだろう。
 畑仕事では味わえない、ワクワク感に僕は嬉しくてたまらなかった。
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