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「もしかして、新人かい?」
20代だと思う男の人が近づいて来て、話しかけてきた。
「ビワードさん。そうだわ。『マイペース』は、メンバーを募集していましたよね? 彼もギルドを探しています。どうでしょう。仮入会として受け入れてもらえませんか?」
仮入会? お試しって事かな。
ビワードさんが、僕の事をジッと見ている。
濃紫色の髪で大人な雰囲気。髪より濃くて黒に近い紫色の瞳は、和らげに僕を見つめていた。
「そうだな。君のステータスを見せてもらえるかい?」
「えっと、はい」
いつの間にか消えていたステータスを表示させる為に、ステーブに触れる。
『ネーム:ラシル 年齢:15
テリトリー:レベル19
魔力量:■■■■■ ■■■■■ ■■■■■ ■■■□□』
「は? レベル19?」
ビワードさんが驚いた声を上げた。レベルってなんだろう。
「あの、レベルってなんですか?」
「まあ……」
「知らないのか」
受付嬢のリタさんも驚いている。知っていて当たり前の事らしい。
「うーん。何と言うか、スキルの強さの指標。一般的に、使えばレベルが上がる」
「使うと? でも僕は使った事なんてありませんけど」
「やっぱりな。パッシブだったか」
「パ……え?」
さっきから知らない単語ばかりだ。僕、冒険者できるだろうか。
「オートでスキルが発動しているって事だ。その場合、生まれた時から発動している事になるから、優に二桁超えをする。スキルは、二桁ぐらいからレベルがグッと上がりづらくなるからな」
「はぁ……」
どうしよう。凄いって事しかわからない。
「詳細も見てみたいけど、いいかい?」
「えーと……」
「ステーブをトントンと触れると切り替わる」
「はい」
僕はステーブにトントンと触れる。すると浮かび上がっていた文字が変わった。
『テリトリー:
自身の周囲の邪霧を退ける』
「なんだこれ、凄いじゃないか! 君、レベルすら知らなかったって事は、どこかに紹介されていたわけじゃないだろう? しかもこのスキルは固有だろう? どうして埋もれていたんだ!」
ビワードさんが、大興奮している。どうしてって聞かれてもわからないんだけど。
そして、邪霧が何かわからない。
「やっぱりな。確かに冒険者としてのスキルではかなり優秀だろう。けどシルバーで最初から冒険者を選ぶ者なんていないだろう。必要とされるのは、生産系か集団で使えるスキルだ。スキル隊では、彼のスキルは不便だ」
僕達から一歩離れた所から静観していたカモミール隊員が口を開けば、全員が振り返った。
スキル隊? カモミール隊の事だろうか。
「彼は、スキル隊か。なぜここにいる?」
やっぱりそうだ。
「ラシルさんを連れて来て下さったの」
「おっと失礼。私はこれで失礼するよ。ラシルさん、頑張って。では」
軽くお辞儀をすると、カモミール隊員が去っていく。
「ありがとうございました!」
僕は、彼の背中にお礼を言った。
振り返らずに片手を軽く上げ、建物から出て行った。
「で、お願いできますか。ビワードさん」
「そうだな。クエストを受ける前に色々と教えないといけないようだけど、まずは仮入会してもらうよ」
「では、手続きしますね」
「ありがとうございます」
よかったぁ。すぐにギルドに入れて。
「では、ラシルさん。この下にステーブを……手を入れて下さい」
ガラス板の下に、手を入れた。とくだん何も起こらないけど、もういいですと言われ手を退けると、そこにビワードさんも手を入れた。
「はい。完了です。ビワードさん、ラシルさんを宜しくお願いしますね」
「わかった。では行こうか」
「はい。あ、リタさん。ありがとうございました」
僕は、ビワードさんについて行き冒険者ギルド協会の建物を後にした。
「こっちだ。30分程歩くけどいいかい?」
「え? あ、はい」
まあ30分なら家から畑までいつも歩いていた距離だ。
この30分で、色々質問をして聞いておこう。
「あのビワードさん。邪霧ってなんですか?」
「え……それも知らなかったのか」
やっぱり驚かれた。
「じゃ、魔獣も知らないか?」
「見た事はありません。ただ魔獣という化け物がいるって聞いてます」
そう答えたら苦笑いをされたてしまった。
邪霧とは、生き物に悪影響を与える霧の事らしい。そして、魔獣を生み出す。どうしてかは解明されてない。
邪霧は、濃くなると黒っぽく見えて、目に見える程になると1時間程いるだけで、頭痛や吐き気などの症状が出て、辺りが見えないぐらい濃くなると精神的にも影響が出てくる。
人間だけではなく動物や植物などにも影響があって、邪霧が濃い森には動物ではなく魔獣がいるという事だ。
人が住む村や街には、邪霧を退ける魔道具が設置してあって、安全に暮らせるようになっていた。
もちろん、畑もそこへ行く道にも。
ただ、人が住む場所には結界も張ってあるけど道は邪霧を祓う魔道具だけなので、魔獣を退ける事は出来ないという。
僕は今まで、何も知らないで生活していたよ。知ったら恐ろしくて畑仕事なんてできないよ。
20代だと思う男の人が近づいて来て、話しかけてきた。
「ビワードさん。そうだわ。『マイペース』は、メンバーを募集していましたよね? 彼もギルドを探しています。どうでしょう。仮入会として受け入れてもらえませんか?」
仮入会? お試しって事かな。
ビワードさんが、僕の事をジッと見ている。
濃紫色の髪で大人な雰囲気。髪より濃くて黒に近い紫色の瞳は、和らげに僕を見つめていた。
「そうだな。君のステータスを見せてもらえるかい?」
「えっと、はい」
いつの間にか消えていたステータスを表示させる為に、ステーブに触れる。
『ネーム:ラシル 年齢:15
テリトリー:レベル19
魔力量:■■■■■ ■■■■■ ■■■■■ ■■■□□』
「は? レベル19?」
ビワードさんが驚いた声を上げた。レベルってなんだろう。
「あの、レベルってなんですか?」
「まあ……」
「知らないのか」
受付嬢のリタさんも驚いている。知っていて当たり前の事らしい。
「うーん。何と言うか、スキルの強さの指標。一般的に、使えばレベルが上がる」
「使うと? でも僕は使った事なんてありませんけど」
「やっぱりな。パッシブだったか」
「パ……え?」
さっきから知らない単語ばかりだ。僕、冒険者できるだろうか。
「オートでスキルが発動しているって事だ。その場合、生まれた時から発動している事になるから、優に二桁超えをする。スキルは、二桁ぐらいからレベルがグッと上がりづらくなるからな」
「はぁ……」
どうしよう。凄いって事しかわからない。
「詳細も見てみたいけど、いいかい?」
「えーと……」
「ステーブをトントンと触れると切り替わる」
「はい」
僕はステーブにトントンと触れる。すると浮かび上がっていた文字が変わった。
『テリトリー:
自身の周囲の邪霧を退ける』
「なんだこれ、凄いじゃないか! 君、レベルすら知らなかったって事は、どこかに紹介されていたわけじゃないだろう? しかもこのスキルは固有だろう? どうして埋もれていたんだ!」
ビワードさんが、大興奮している。どうしてって聞かれてもわからないんだけど。
そして、邪霧が何かわからない。
「やっぱりな。確かに冒険者としてのスキルではかなり優秀だろう。けどシルバーで最初から冒険者を選ぶ者なんていないだろう。必要とされるのは、生産系か集団で使えるスキルだ。スキル隊では、彼のスキルは不便だ」
僕達から一歩離れた所から静観していたカモミール隊員が口を開けば、全員が振り返った。
スキル隊? カモミール隊の事だろうか。
「彼は、スキル隊か。なぜここにいる?」
やっぱりそうだ。
「ラシルさんを連れて来て下さったの」
「おっと失礼。私はこれで失礼するよ。ラシルさん、頑張って。では」
軽くお辞儀をすると、カモミール隊員が去っていく。
「ありがとうございました!」
僕は、彼の背中にお礼を言った。
振り返らずに片手を軽く上げ、建物から出て行った。
「で、お願いできますか。ビワードさん」
「そうだな。クエストを受ける前に色々と教えないといけないようだけど、まずは仮入会してもらうよ」
「では、手続きしますね」
「ありがとうございます」
よかったぁ。すぐにギルドに入れて。
「では、ラシルさん。この下にステーブを……手を入れて下さい」
ガラス板の下に、手を入れた。とくだん何も起こらないけど、もういいですと言われ手を退けると、そこにビワードさんも手を入れた。
「はい。完了です。ビワードさん、ラシルさんを宜しくお願いしますね」
「わかった。では行こうか」
「はい。あ、リタさん。ありがとうございました」
僕は、ビワードさんについて行き冒険者ギルド協会の建物を後にした。
「こっちだ。30分程歩くけどいいかい?」
「え? あ、はい」
まあ30分なら家から畑までいつも歩いていた距離だ。
この30分で、色々質問をして聞いておこう。
「あのビワードさん。邪霧ってなんですか?」
「え……それも知らなかったのか」
やっぱり驚かれた。
「じゃ、魔獣も知らないか?」
「見た事はありません。ただ魔獣という化け物がいるって聞いてます」
そう答えたら苦笑いをされたてしまった。
邪霧とは、生き物に悪影響を与える霧の事らしい。そして、魔獣を生み出す。どうしてかは解明されてない。
邪霧は、濃くなると黒っぽく見えて、目に見える程になると1時間程いるだけで、頭痛や吐き気などの症状が出て、辺りが見えないぐらい濃くなると精神的にも影響が出てくる。
人間だけではなく動物や植物などにも影響があって、邪霧が濃い森には動物ではなく魔獣がいるという事だ。
人が住む村や街には、邪霧を退ける魔道具が設置してあって、安全に暮らせるようになっていた。
もちろん、畑もそこへ行く道にも。
ただ、人が住む場所には結界も張ってあるけど道は邪霧を祓う魔道具だけなので、魔獣を退ける事は出来ないという。
僕は今まで、何も知らないで生活していたよ。知ったら恐ろしくて畑仕事なんてできないよ。
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