どうやら俺は、未来のキスで魔法をかけられたみたいです

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
3 / 8

第3話

しおりを挟む
 兄さんが魔物ハンターだなんて……。
 魔物ハンターになる者が出るという事は、魔物がそれなりに召喚されるって事だ。

 この村は、魔物を倒す事ができる魔法が伝承されている。だが、誰でもかれでも使えるわけではない。
 魔物ハンターがいない時代に召喚された魔物は、その者が倒す。

 兄さんは、剣も使っていた。
 魔物ハンターが使う剣。それは、魔物ハンターだけが召喚出来る武器。
 俺の予知能力は、何かわけがあると言われて来たけど、まさか魔物ハンターに関わる事だったなんて……。

 あ、そうだ。
 俺と一緒にディーがいなければ、あういう結末にならないんじゃないか?

 「レオール、ディディエ。君達に新たな使命を与える。魔物の召喚を試みようとする者の発見と対処。そして、レオールの兄ダルニールを探し出し、この事を伝えるのだ」

 村長が俺達にそう言った。
 ディーが、力強く頷く。

 本当は俺達、嫁探しに行くはずだった。16歳の歳に村を出て、最愛の人を見つけ村に戻る。けど最愛の人を見つけて戻って来る者は少ない。
 そのまま村の外で、その最愛の者と暮らすのだ。
 戻って来るのは、最愛の者を見つけられず、仕事も上手くいかなかった者達。
 田舎者だもんな俺達。

 嫁探しは、新たな使命達成後って事だろうけど……。

 「ディーは、俺と一緒じゃない方がよくないですか? そうしたら避けられる」
 「……レオ」
 「確かにそうだが、ダルニールを探し伝え、召喚者を探し出さなければもっと最悪な未来になる。離れて活動するという事は、その可能性も生む」

 村長にそう言われ、俺は何も言い返せない。
 未来を変えるのは、簡単な時と難しい時がある。しかも変えられるからといって、自分が望むものになるとも限らない。
 変えるなら最善をつくさなければダメだ。

 「わかりました。最善を尽くします!」

 とにかく、ディーがあぁならなければ、俺ともキスする事もないだろう。
 いやそうじゃない! 死にそうにならないだ!
 ちらっと、ディーを見る。いつから俺を好きなんだ?

 うん? と、振り向いたディーと目が合う。
 俺は咄嗟に、顔を背けた。たぶん俺、顔が赤い。
 なんで俺だけ意識してるんだぁ!!

 「大丈夫。僕も最善を尽くすから」
 「お、おう!」

 俺は、照れながらそう返した。
 気にしないって決めたのになぁ。

 「では、二人に召喚の書を授ける」
 「「召喚の書?」」

 俺達は、声を揃えて言うと、渡された召喚の書を開いた。
 そこには、召喚の仕方ではなく、召喚を止める方法などが書かれていた。
 別にこれを読んでも召喚できないのか……。

 ちょっと期待してしまった。
 いや、召喚はダメだ。危ないから国でも禁止されている。
 こうして俺達二人は、兄のダルニールを探し召喚者を突き止める旅に出る事になった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

天使から美形へと成長した幼馴染から、放課後の美術室に呼ばれたら

たけむら
BL
美形で天才肌の幼馴染✕ちょっと鈍感な高校生 海野想は、保育園の頃からの幼馴染である、朝川唯斗と同じ高校に進学した。かつて天使のような可愛さを持っていた唯斗は、立派な美形へと変貌し、今は絵の勉強を進めている。 そんなある日、数学の補習を終えた想が唯斗を美術室へと迎えに行くと、唯斗はひどく驚いた顔をしていて…? ※1話から4話までは別タイトルでpixivに掲載しております。続きも書きたくなったので、ゆっくりではありますが更新していきますね。 ※第4話の冒頭が消えておりましたので直しました。

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、

俺の好きな男は、幸せを運ぶ天使でした

たっこ
BL
【加筆修正済】  7話完結の短編です。  中学からの親友で、半年だけ恋人だった琢磨。  二度と合わないつもりで別れたのに、突然六年ぶりに会いに来た。 「優、迎えに来たぞ」  でも俺は、お前の手を取ることは出来ないんだ。絶対に。  

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

絶対に追放されたいオレと絶対に追放したくない男の攻防

藤掛ヒメノ@Pro-ZELO
BL
世は、追放ブームである。 追放の波がついに我がパーティーにもやって来た。 きっと追放されるのはオレだろう。 ついにパーティーのリーダーであるゼルドに呼び出された。 仲が良かったわけじゃないが、悪くないパーティーだった。残念だ……。 って、アレ? なんか雲行きが怪しいんですけど……? 短編BLラブコメ。

振られた腹いせに別の男と付き合ったらそいつに本気になってしまった話

雨宮里玖
BL
「好きな人が出来たから別れたい」と恋人の翔に突然言われてしまった諒平。  諒平は別れたくないと引き止めようとするが翔は諒平に最初で最後のキスをした後、去ってしまった。  実は翔には諒平に隠している事実があり——。 諒平(20)攻め。大学生。 翔(20) 受け。大学生。 慶介(21)翔と同じサークルの友人。

処理中です...