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第一〇話
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冒険者とは、冒険者組合の組合員の事を指し、そのランクによって受けられる特典が変わってくる。
冒険者は、冒険者組合に所属するギルドならどこでも好きなだけ加入する事が可能。ただし、ギルドによって規定があるので、それを守る事。
初めは、Cランクから始まりB・A・Sと上がっていく。
ギルドにも目安ランクがあり、自分に適したギルドに入るのが望ましい。
Sランクは高難易度依頼のみ、Aランクは高~中難易度、Bランクは中~低難易度、Cランクは低難易度。
まずはCランクからの仕事を始める事を推奨します。
依頼を完了する事により、冒険者レベルが上がります。無理せずこなして行きましょう。
注意:何度も依頼を破棄したり納期延滞したりしますと、ランクが下がったり最悪組合員から除名になります。ご注意下さい。
簡単な説明が書かれたトリセツをもらった僕は、歩きながら読んでいた。
入った部屋にもう一つ反対側に扉がありそこから出ると、右側の階段から上がった場所へと出る事ができた。そこは、Cランクのギルド新規簡易受付所になっているようだ。看板には、ギルド名とランクが書かれてあって、カウンターが設置してあり、そこにちょっとした一言が書いた札が置いてある。例えば、女性専用とか。また同じような用途のギルドごとに並んでいた。討伐ギルド系ならそれがズラッと並んでいるわけだ。
一言を見つつ歩いて選ぶ事にした。
「ねえ、どういうギルドに入る気?」
「うーん。僕に出来る事がわからないからなぁ。どうしようかなっと……」
そう。問題はそこなのだ。モンスターを倒せるのか、採取だってスキルもなしにできるものなのか。
うん? 代理ギルド? 初心者専用? それってどんなの?
「あの、初心者ギルドって事ですか?」
「いらっしゃい。ここはね、代理ギルド。採取が主で、依頼はなし。十種類の採取品目があるからそれを自分のペースで集めてもらうだけ。ただし初心者ギルドなので、ランクCまでの冒険者までしか所属できないがね」
「へえ。依頼がないのに集めておくって事?」
「依頼を引き受けた冒険者が、自身で採取に行かずにここに買いに来るって事さ」
「なるほど! それなら僕に出来そうな気がする」
「できるさ。わからないのなら教えてあげるよ」
「ありがとうございます!」
「では、これにカードをかざしてくれるかな?」
「はい」
ガラスの板みたいのにかざすと、共鳴の様に板もカードも一瞬光を帯びる。
「裏を見てごらん」
ランクと名前が書いてある方が上になっていたのでひっくり返すと、今まで何も書かれていなかった裏面に文字が記載されていた。
『C:白蜂代理ギルド』
「こうやって入っているギルドが記載されるのか」
「ランクBになれば勝手に脱退するから手続きは不要だ。それまで宜しく頼むよ」
「はい!」
「今週のリストだ」
そう言って一枚の紙が手渡された。
もちろん、この世界のモノは何も知らない。でもこの紙には、簡単な地図と採取場所が記載されていた。モンスターが出現しやすい場所も記載さている。
「凄い」
「それは、王都の近くだけだけど、採取するモノの図と解説も載っているからそれを参考に採取するといいよ。もし間違えて持ってきても大丈夫。まあ似たようなのはないので、間違いようがないとは思うが。依頼を受けて採取するより安いが、自分の得意分野などを探るのにはいいだろう。ついでにいうと、討伐用の代理ギルドもある」
「ありがとうございます」
凄く親切な人だ。採取できたのだけ渡せばいいって事だもんね。
「よかったわね。討伐ギルドのも入っておいて、狩りもちゃちゃっとやってしまいましょう」
「ちゃちゃっと!? いややったことないのにちゃちゃっとは無理だと思うけど」
「大丈夫よ。勇者ですもの」
「………」
勇者じゃないけど。というか勇者ってそんなに凄いのか。いや凄いから勇者なのか。
僕の本当の姿を見たらがっかりするだろうなぁ。
そう思いつつも仕方がないと、討伐代理ギルドにも加入しておく。そこでもリストをもらい、いざ武器屋へ出発。
初心者専用武器屋がリストの裏に記載されていたので、そこへ向かい中に入ると、前回の様に声を掛けられた。
「申し訳ありませんが、ここは初心者用です」
「はい。知っています」
「……ですので、お試し用というか、選べるほどございませんが」
「そうですか。どんなのがありますか?」
そう聞くと、店員さんが驚いた顔をした。なぜだ。
「今、何をお使いですか?」
「えーと、まだ何ももってないです」
「え!? 本当の初心者の方ですか!?」
「へ?」
「失礼致しました。ご立派な外套をお召しになっていたものですから」
「………」
そういう事ね。そういえば、ここと真逆のSランク御用達で買ったのだった。そりゃ驚くよね。外套だけ見れば、Sランクだもんね。
「武器もそっちで買った方がよかったかもよ?」
「自分に合ったのがいいから決まったらそうするかな」
「申し訳ありません。今何とおっしゃったのでしょうか。聞き取れませんで……」
「え? いや、すみません。独り言です」
本当にツティーちゃんの声は聞こえてないみたい。
そうですかと店員は僕を案内する為に歩き出した。気を付けなければいけないな。
「聞こえないのね」
ツティーちゃんも関心したように呟いた。
冒険者は、冒険者組合に所属するギルドならどこでも好きなだけ加入する事が可能。ただし、ギルドによって規定があるので、それを守る事。
初めは、Cランクから始まりB・A・Sと上がっていく。
ギルドにも目安ランクがあり、自分に適したギルドに入るのが望ましい。
Sランクは高難易度依頼のみ、Aランクは高~中難易度、Bランクは中~低難易度、Cランクは低難易度。
まずはCランクからの仕事を始める事を推奨します。
依頼を完了する事により、冒険者レベルが上がります。無理せずこなして行きましょう。
注意:何度も依頼を破棄したり納期延滞したりしますと、ランクが下がったり最悪組合員から除名になります。ご注意下さい。
簡単な説明が書かれたトリセツをもらった僕は、歩きながら読んでいた。
入った部屋にもう一つ反対側に扉がありそこから出ると、右側の階段から上がった場所へと出る事ができた。そこは、Cランクのギルド新規簡易受付所になっているようだ。看板には、ギルド名とランクが書かれてあって、カウンターが設置してあり、そこにちょっとした一言が書いた札が置いてある。例えば、女性専用とか。また同じような用途のギルドごとに並んでいた。討伐ギルド系ならそれがズラッと並んでいるわけだ。
一言を見つつ歩いて選ぶ事にした。
「ねえ、どういうギルドに入る気?」
「うーん。僕に出来る事がわからないからなぁ。どうしようかなっと……」
そう。問題はそこなのだ。モンスターを倒せるのか、採取だってスキルもなしにできるものなのか。
うん? 代理ギルド? 初心者専用? それってどんなの?
「あの、初心者ギルドって事ですか?」
「いらっしゃい。ここはね、代理ギルド。採取が主で、依頼はなし。十種類の採取品目があるからそれを自分のペースで集めてもらうだけ。ただし初心者ギルドなので、ランクCまでの冒険者までしか所属できないがね」
「へえ。依頼がないのに集めておくって事?」
「依頼を引き受けた冒険者が、自身で採取に行かずにここに買いに来るって事さ」
「なるほど! それなら僕に出来そうな気がする」
「できるさ。わからないのなら教えてあげるよ」
「ありがとうございます!」
「では、これにカードをかざしてくれるかな?」
「はい」
ガラスの板みたいのにかざすと、共鳴の様に板もカードも一瞬光を帯びる。
「裏を見てごらん」
ランクと名前が書いてある方が上になっていたのでひっくり返すと、今まで何も書かれていなかった裏面に文字が記載されていた。
『C:白蜂代理ギルド』
「こうやって入っているギルドが記載されるのか」
「ランクBになれば勝手に脱退するから手続きは不要だ。それまで宜しく頼むよ」
「はい!」
「今週のリストだ」
そう言って一枚の紙が手渡された。
もちろん、この世界のモノは何も知らない。でもこの紙には、簡単な地図と採取場所が記載されていた。モンスターが出現しやすい場所も記載さている。
「凄い」
「それは、王都の近くだけだけど、採取するモノの図と解説も載っているからそれを参考に採取するといいよ。もし間違えて持ってきても大丈夫。まあ似たようなのはないので、間違いようがないとは思うが。依頼を受けて採取するより安いが、自分の得意分野などを探るのにはいいだろう。ついでにいうと、討伐用の代理ギルドもある」
「ありがとうございます」
凄く親切な人だ。採取できたのだけ渡せばいいって事だもんね。
「よかったわね。討伐ギルドのも入っておいて、狩りもちゃちゃっとやってしまいましょう」
「ちゃちゃっと!? いややったことないのにちゃちゃっとは無理だと思うけど」
「大丈夫よ。勇者ですもの」
「………」
勇者じゃないけど。というか勇者ってそんなに凄いのか。いや凄いから勇者なのか。
僕の本当の姿を見たらがっかりするだろうなぁ。
そう思いつつも仕方がないと、討伐代理ギルドにも加入しておく。そこでもリストをもらい、いざ武器屋へ出発。
初心者専用武器屋がリストの裏に記載されていたので、そこへ向かい中に入ると、前回の様に声を掛けられた。
「申し訳ありませんが、ここは初心者用です」
「はい。知っています」
「……ですので、お試し用というか、選べるほどございませんが」
「そうですか。どんなのがありますか?」
そう聞くと、店員さんが驚いた顔をした。なぜだ。
「今、何をお使いですか?」
「えーと、まだ何ももってないです」
「え!? 本当の初心者の方ですか!?」
「へ?」
「失礼致しました。ご立派な外套をお召しになっていたものですから」
「………」
そういう事ね。そういえば、ここと真逆のSランク御用達で買ったのだった。そりゃ驚くよね。外套だけ見れば、Sランクだもんね。
「武器もそっちで買った方がよかったかもよ?」
「自分に合ったのがいいから決まったらそうするかな」
「申し訳ありません。今何とおっしゃったのでしょうか。聞き取れませんで……」
「え? いや、すみません。独り言です」
本当にツティーちゃんの声は聞こえてないみたい。
そうですかと店員は僕を案内する為に歩き出した。気を付けなければいけないな。
「聞こえないのね」
ツティーちゃんも関心したように呟いた。
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