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第九話
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「君も冒険者になろう」
掲示板の文字を僕は読んだ。
王都には、ギルド街道があってギルドの建物が立ち並んでいる。
この世界のギルドはどうやら職人職らしい。ほとんどが『資格保有者』でなければそのギルドに所属できない。なれるのは、通称冒険者と呼ばれるギルドだ。つまり外に出る危険な仕事。
とりあえずは、話を聞いてみるかな。
掲示板が立っている建物を見上げた。ギルドの中では大きな建物だ。人の出入りも激しい。入り口は開け放たれ、いかつい者から少年少女まで様々な人が出入りしている。本当に誰でもカモーンのようだ。
中に入ると、だだっ広い空間に掲示板が設置されていて、紙がいっぱい張り付けてある。
両壁側には、二階へと上がる階段があった。見たところ休憩できる場所はない。二階にあるのか、それともそういうものなのか。
僕は、カウンターに向かう。玄関の正面っと言ってもずっと奥だけど、10か所あっても人の列ができている。列は一列で、順番が来たら空いたカウンターで受付するようだ。
僕は、一番後ろに並んだ。
「もしかして緊張しているの?」
「うん。少し」
結局安全な仕事は僕にはできないようだし、予定通り冒険者って事になるけど、武器を持ってないんだよね。色々聞いたら教えてくれるだろうか。
五分後、ようやく僕の番が来た。
「お疲れ様です」
「えっと……冒険者について知りたいというか、なりたいというか」
「まあ、希望者ですか? では、担当者を呼びますね」
「え? えっと、軽く聞くだけで……」
「あーちゃん、希望者さんです!」
「あいよ」
僕がボソッと言うも担当者を呼ばれてしまった。
「初めまして。俺はアベルド。説明などするから二階へいいか?」
「はあ……」
僕は、アベルドさんについていき、玄関を入って左側の階段を上る。なんとそこは狭い通路になって奥に続いていた。右から上がるとどうなっているのだろう。
一番手前の部屋に案内された。
「どうぞ。椅子に腰かけてください」
「はい」
アベルドさんは、棚に置いてあった資料だと思われる用紙を手に取り、僕が座る目の前の椅子に腰を下ろす。そして、持ってきた資料をテーブルに置いた。
「冒険者について、どれくらいご存じですか?」
「えーと、討伐ギルドとか採取ギルドとかですよね?」
「では、他のギルドとの違いはご存じですか?」
え? 違い? 危険度とかだろうか? あ、資格かな?
「資格が必要なく、誰でもなれるって事ですか?」
「そうだね」
うんうんとアベルドさんは頷く。もしかして、僕が子供だからこんな風なのだろうか。優しく対応してくれている。
「まずこのマーク」
そうアベルドさんが言って資料にあるマークを指さした。そこには、剣とビーカー? が×に交わり、その奥には薬草だと思われる葉っぱのマーク。はじめ盾かと思った。でも緑色でギザギザだから葉っぱだろう。ビーカーの中身は水色の液体。
「これは、冒険者マークと言ってこのマークがあるギルド、宿屋やお店などではマネーフリーなんだ」
「マネーフリー?」
「冒険者組合は、ギルド組合の一つで冒険者カード一つで足りる様になっている。ギルドで稼いだお金をカードに入れておける仕組みで、お金を出し入れできるのは冒険者マークがあるギルドに限るが、冒険者マークがある店や宿屋では、カードにお金が入っている限りカードだけでOKなんだ」
「え! カードにあのお金が入るの? 人間って凄い魔道具を作ったのね!」
僕が、なるほどとうんうんと頷いていると、ツティーちゃんがかわいい勘違いをして驚いている。それは違うと思うよ。記録だけだと思う。実際のお金が入っているわけじゃないと説明したいけど、わかってくれないかもしれないから、このまま勘違いさせておこう。
「そして、他のギルド組合と一番の違いは、冒険者マークがあれば、違うギルドでも仕事完了をする事ができるって事!」
「それって、採取ギルドの報酬を討伐ギルドで受け取れるとか?」
「その通り! 君、飲み込み早いね。しかも冒険者マークがあるギルドに限り、重複加入可能! 討伐も採取もその他もろもろ、もちろん全部のギルドに加入してもいいさ。まあ活動条件ありのところもあるからそれはちょっと現実的ではないが。大抵の者は、討伐と採取には加入しているよ」
「はぁ……」
「本来ならギルドごと発行のカードも冒険者組合で発行するので、一枚でOK。しかも小さな村にも冒険者マークは必ずある。もちろんギルドも! どこでも安心冒険者組合加入いかがですか?」
「………」
なんだろう。この売り込みは。もしかして、討伐ギルドとか他にもあるのだろうか?
「あの……同じギルドって存在するものなのですか?」
「うん?」
「例えば、討伐ギルドが複数あるとか」
「あるよ。冒険者組合に登録されているのだけで、20ギルド以上。その地域にしかないギルドもあるからねぇ」
やっぱり。冒険者組合以外にも討伐ギルドってあるんだ。
となると、ツティーちゃんが話していた事と微妙に違いがあるって事か。まあ便利そうだし冒険者組合に入るかな。
「とりあえず加入します」
「おぉ、ありがとう。今、カード作るから。そうだ。名前聞いていなかったね」
「コクターンです」
「まずは、カードを握ってくれる?」
コクターンと書かれたカードを手渡される。カードと言っても二センチ×五センチ程と小さく、チェーンがついているので、首から下げるようだ。言われた通りカードを握るとほのかに光った。
「そうそう。カード代金、銅貨五十枚ね」
「え!?」
つんとアベルドさんが、資料を指さす。そこには、カード代金銅貨五十枚かかりますと書いてあった。作る前にそれ言ってよね。まあどこでもかかるものだろうけどさ。
掲示板の文字を僕は読んだ。
王都には、ギルド街道があってギルドの建物が立ち並んでいる。
この世界のギルドはどうやら職人職らしい。ほとんどが『資格保有者』でなければそのギルドに所属できない。なれるのは、通称冒険者と呼ばれるギルドだ。つまり外に出る危険な仕事。
とりあえずは、話を聞いてみるかな。
掲示板が立っている建物を見上げた。ギルドの中では大きな建物だ。人の出入りも激しい。入り口は開け放たれ、いかつい者から少年少女まで様々な人が出入りしている。本当に誰でもカモーンのようだ。
中に入ると、だだっ広い空間に掲示板が設置されていて、紙がいっぱい張り付けてある。
両壁側には、二階へと上がる階段があった。見たところ休憩できる場所はない。二階にあるのか、それともそういうものなのか。
僕は、カウンターに向かう。玄関の正面っと言ってもずっと奥だけど、10か所あっても人の列ができている。列は一列で、順番が来たら空いたカウンターで受付するようだ。
僕は、一番後ろに並んだ。
「もしかして緊張しているの?」
「うん。少し」
結局安全な仕事は僕にはできないようだし、予定通り冒険者って事になるけど、武器を持ってないんだよね。色々聞いたら教えてくれるだろうか。
五分後、ようやく僕の番が来た。
「お疲れ様です」
「えっと……冒険者について知りたいというか、なりたいというか」
「まあ、希望者ですか? では、担当者を呼びますね」
「え? えっと、軽く聞くだけで……」
「あーちゃん、希望者さんです!」
「あいよ」
僕がボソッと言うも担当者を呼ばれてしまった。
「初めまして。俺はアベルド。説明などするから二階へいいか?」
「はあ……」
僕は、アベルドさんについていき、玄関を入って左側の階段を上る。なんとそこは狭い通路になって奥に続いていた。右から上がるとどうなっているのだろう。
一番手前の部屋に案内された。
「どうぞ。椅子に腰かけてください」
「はい」
アベルドさんは、棚に置いてあった資料だと思われる用紙を手に取り、僕が座る目の前の椅子に腰を下ろす。そして、持ってきた資料をテーブルに置いた。
「冒険者について、どれくらいご存じですか?」
「えーと、討伐ギルドとか採取ギルドとかですよね?」
「では、他のギルドとの違いはご存じですか?」
え? 違い? 危険度とかだろうか? あ、資格かな?
「資格が必要なく、誰でもなれるって事ですか?」
「そうだね」
うんうんとアベルドさんは頷く。もしかして、僕が子供だからこんな風なのだろうか。優しく対応してくれている。
「まずこのマーク」
そうアベルドさんが言って資料にあるマークを指さした。そこには、剣とビーカー? が×に交わり、その奥には薬草だと思われる葉っぱのマーク。はじめ盾かと思った。でも緑色でギザギザだから葉っぱだろう。ビーカーの中身は水色の液体。
「これは、冒険者マークと言ってこのマークがあるギルド、宿屋やお店などではマネーフリーなんだ」
「マネーフリー?」
「冒険者組合は、ギルド組合の一つで冒険者カード一つで足りる様になっている。ギルドで稼いだお金をカードに入れておける仕組みで、お金を出し入れできるのは冒険者マークがあるギルドに限るが、冒険者マークがある店や宿屋では、カードにお金が入っている限りカードだけでOKなんだ」
「え! カードにあのお金が入るの? 人間って凄い魔道具を作ったのね!」
僕が、なるほどとうんうんと頷いていると、ツティーちゃんがかわいい勘違いをして驚いている。それは違うと思うよ。記録だけだと思う。実際のお金が入っているわけじゃないと説明したいけど、わかってくれないかもしれないから、このまま勘違いさせておこう。
「そして、他のギルド組合と一番の違いは、冒険者マークがあれば、違うギルドでも仕事完了をする事ができるって事!」
「それって、採取ギルドの報酬を討伐ギルドで受け取れるとか?」
「その通り! 君、飲み込み早いね。しかも冒険者マークがあるギルドに限り、重複加入可能! 討伐も採取もその他もろもろ、もちろん全部のギルドに加入してもいいさ。まあ活動条件ありのところもあるからそれはちょっと現実的ではないが。大抵の者は、討伐と採取には加入しているよ」
「はぁ……」
「本来ならギルドごと発行のカードも冒険者組合で発行するので、一枚でOK。しかも小さな村にも冒険者マークは必ずある。もちろんギルドも! どこでも安心冒険者組合加入いかがですか?」
「………」
なんだろう。この売り込みは。もしかして、討伐ギルドとか他にもあるのだろうか?
「あの……同じギルドって存在するものなのですか?」
「うん?」
「例えば、討伐ギルドが複数あるとか」
「あるよ。冒険者組合に登録されているのだけで、20ギルド以上。その地域にしかないギルドもあるからねぇ」
やっぱり。冒険者組合以外にも討伐ギルドってあるんだ。
となると、ツティーちゃんが話していた事と微妙に違いがあるって事か。まあ便利そうだし冒険者組合に入るかな。
「とりあえず加入します」
「おぉ、ありがとう。今、カード作るから。そうだ。名前聞いていなかったね」
「コクターンです」
「まずは、カードを握ってくれる?」
コクターンと書かれたカードを手渡される。カードと言っても二センチ×五センチ程と小さく、チェーンがついているので、首から下げるようだ。言われた通りカードを握るとほのかに光った。
「そうそう。カード代金、銅貨五十枚ね」
「え!?」
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