【完結】煙にまかれた記憶

すみ 小桜(sumitan)

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二人仲良く――

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 「げっほ。げほん」

 月曜日、憲一けんいちの前に座る細谷ほそたにが、たまに咳をしていた。

 「お前風邪引いたの?」

 「ううん。ちょっと体調悪いだけ。真倉まくらこそ体調は?」

 「俺? 今日は大丈夫みたい」

 一時間目の休み時間、そんな会話をしながら化学室に移動した。
 二時間目は、担任の三好の授業で化学だった。その時間も咳をしていた。席は出席番号順なので、ここでも憲一と細谷は隣同士だ。

 「大丈夫かよ」

 「次、体育だし、保健室行っているよ」

 「あ、俺も体育休むから保健室一緒に行こうぜ」

 憲一がそう言うと、細谷はこくんと頷いた。
 授業が終わり憲一達は、そのまま保健室に行く事にした。

 「三好先生。俺達、このまま保健室行って体育休みます」

 「わかった」

 憲一が三好に伝えると、頷いて返して来た。二人はそのまま保健室に向かう。

 トントントン。ドアをノックして中に入る。

 「失礼します」

 「どうぞ」

 保険医の宮川が二人を見るとボソッと呟く。

 「君達か」

 まだ一度も保健室を使った事がないのに、そういう反応が返って来た。

 「けほん。けほん」

 「薬は?」

 薬? そう言えば細谷って、病気で入院していたんだっけ? ――憲一は今更ながらそう思い出す。

 細谷は咳込みながら教室だと答えた。

 「あ、俺、教室に行って鞄取ってきます」

 鞄に入っているだろうと憲一が言った時、ドアがノックされ三好が入って来た。

 「失礼します、ほら鞄を持ってきた」

 細谷は鞄を受け取ると、何かを取り出し、口にシュッとした。
 暫くすると咳も落ち着いた。

 「先生、ありがとう」

 「苦しくなったら授業中でも取りに行っていいからな。それとお前達は、今日はもう帰れ」

 三好は憲一の鞄も持って来ていた。
 何で俺まで? ――憲一は驚くも鞄を受け取る。
 三、四時間目は体育だが、午後からも授業はある。

 「お前の母親から、辛そうだったら早退させて下さいって、朝連絡があってな」

 母さんめ。余計な事を! ――自分の息子を心配しての事だと思うも余計なお世話だと思うのだった。

 「まあ出来れば、彼を送って行ってほしい。結構遠いんだ」

 「はあ……」

 この前の事もあり別にいいかと憲一は、三好の言葉に頷いた。

 「二人共帰るかい?」

 「あ、僕はもう大丈夫ですけど……けほん」

 保健医の宮川の問いかけに細谷は答えた。

 「今日は、帰ろうぜ。送って行くから」

 「え?! 別に一人で帰れるけど……」

 「お前を送らないと俺が後から三好に言われるだろう?」

 ボソッと憲一は呟く。

 そんなやり取りがあり、二人は仲良く早退した。
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