16 / 34
腕時計の謎
しおりを挟む
知らない部屋を憲一は、見て回っていた。でも一度見ているような……。
そう思いつつ、部屋の扉に向かう。
扉の前に何かが落ちている事に気づき、手を伸ばす。だがそれを手にする前に派手に転んだ!
「いって……あ……」
転んだ左手の先に、腕時計があった!
それを四つん這いになって、手に取る。そして、そのまま右手を伸ばす。
ダメだ! ――憲一は叫んだ!
何故か憲一は、この先に起きる事を知っているような気がした。
○ ○
目を覚ますと病室だった。
「よかった。目を覚ましたのね」
憲一の母親が心配そうにそう言った。
「俺、倒れたの?」
「細谷くんが救急車を呼んでくれて……。だから、まだ学校は無理だって言ったのよ!」
「ごめん……」
母親は、頷いてほほ笑んだ。
「先生を呼ぶわね」
母親は、ナースコールを押した。
憲一は、点滴が刺さった左手を目の前に寄せ、自分の左手を見つめた。
あれはただの夢なのか? それとも記憶? ――結局、ちゃんと思い出せていない。だが、もし記憶なら腕時計の謎は解けた。どこかで拾ったのだ。
細谷に悪い事したな。――憲一は、深いため息をついた。
自分だけじゃなく、細谷も記憶を失い苦しんでいたのだろうかと思うと、憲一はやりきれなかった。そしてもう、自分はどうしらいいのかわからなくなっていた。
憲一は、水曜日まで検査の為に入院をする事になった。
木曜日は家で休み、金曜日に登校した。母親は来週から行けばいいと言ったが、それでなくても一か月分遅れているのだからと、登校したのだ。
「大丈夫なの?」
「あぁ。ごめんな。迷惑かけて……」
憲一がそう言うと、細谷は首を横に振った。
休み時間中、細谷からノートを見せてもらい書き写していた。
そして四時間目、化学の時間で化学室にいる時だった。ジジジ!! っとけたたましいベルの音が鳴り響いた!
憲一はビクッと体を震わせた! 背筋がゾッとして、体が強張った!
この音は、非常ベルの音だった!
そう思いつつ、部屋の扉に向かう。
扉の前に何かが落ちている事に気づき、手を伸ばす。だがそれを手にする前に派手に転んだ!
「いって……あ……」
転んだ左手の先に、腕時計があった!
それを四つん這いになって、手に取る。そして、そのまま右手を伸ばす。
ダメだ! ――憲一は叫んだ!
何故か憲一は、この先に起きる事を知っているような気がした。
○ ○
目を覚ますと病室だった。
「よかった。目を覚ましたのね」
憲一の母親が心配そうにそう言った。
「俺、倒れたの?」
「細谷くんが救急車を呼んでくれて……。だから、まだ学校は無理だって言ったのよ!」
「ごめん……」
母親は、頷いてほほ笑んだ。
「先生を呼ぶわね」
母親は、ナースコールを押した。
憲一は、点滴が刺さった左手を目の前に寄せ、自分の左手を見つめた。
あれはただの夢なのか? それとも記憶? ――結局、ちゃんと思い出せていない。だが、もし記憶なら腕時計の謎は解けた。どこかで拾ったのだ。
細谷に悪い事したな。――憲一は、深いため息をついた。
自分だけじゃなく、細谷も記憶を失い苦しんでいたのだろうかと思うと、憲一はやりきれなかった。そしてもう、自分はどうしらいいのかわからなくなっていた。
憲一は、水曜日まで検査の為に入院をする事になった。
木曜日は家で休み、金曜日に登校した。母親は来週から行けばいいと言ったが、それでなくても一か月分遅れているのだからと、登校したのだ。
「大丈夫なの?」
「あぁ。ごめんな。迷惑かけて……」
憲一がそう言うと、細谷は首を横に振った。
休み時間中、細谷からノートを見せてもらい書き写していた。
そして四時間目、化学の時間で化学室にいる時だった。ジジジ!! っとけたたましいベルの音が鳴り響いた!
憲一はビクッと体を震わせた! 背筋がゾッとして、体が強張った!
この音は、非常ベルの音だった!
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
王子様への置き手紙
あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる