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体は覚えていた
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「お、始まった!」
クラスメイトの一人が、嬉しそうに声を上げる。
「では慌てず廊下に出て並び、グラウンドに向かいます」
担任の三好が、生徒に声を掛けた。
「俺、避難訓練は、この時間だと思ったんだ」
避難訓練……だったのか! ――憲一は安堵して体の力が抜けた。
ふと横を見れば、青ざめた細谷がいた!
記憶がなくてもベルの音で――憲一もそうだったのだから細谷もそうだと思った。
「大丈夫か?」
憲一は隣に座る細谷に、そっと声を掛けた。
「うん……」
細谷は、青ざめたまま消え去りそうな声で頷いた。
いやこれ、大丈夫じゃないだろう? ――憲一は三好に言おうと思い見渡して固まった!
ドアからは煙が化学室に流れ込んでいた!
それを見た途端、体が動かなくなった! 動悸もしてきた。
体は覚えていた――。
けたたましくなるベルの音も真っ白で何も見えなくなる煙の事も!
勿論避難訓練だ。この煙は発煙筒だった。臨場感を出す為に行っていた。
細谷を見れば、憲一と同じようだった!
憲一と同じく、煙を見て固まっていた。と思ったらフラフラと扉に向かって歩きだした。
「待って! メグミ!!」
扉の所まで来たと思ったら細谷はそう叫び、突然走り出した! 周りに居た者達は唖然として、その奇特な行動を見送った。
「おい! 細谷!」
慌てたのは担任の三好だ。隣の教師に生徒を頼み、三好は細谷を追って行った。
そして憲一は、その場に崩れ落ちた!
「おい! 大丈夫か! 先生! 真倉が倒れました!」
倒れ込んだ憲一をクラスメイトが囲んだ――。
○ ○
憲一が目を覚ますとそこは病室だった。
俺また倒れたのか? ――横を見ると母親が心配そうな顔で見ていた。
「起きた? もうだから休みなさいと言ったのに!」
「……心配かけてゴメン」
憲一はボソッと母親に返す。反対側を向くと、カーテンがあった。
「隣に細谷くんも寝ているわ」
そっか。細谷もか。――彼が走り去る所は見ていなかった。だが叫んだ声は聞いていた。
細谷も何か思い出したのかもしれない。――憲一は、とうとう全て思い出したのだった!
クラスメイトの一人が、嬉しそうに声を上げる。
「では慌てず廊下に出て並び、グラウンドに向かいます」
担任の三好が、生徒に声を掛けた。
「俺、避難訓練は、この時間だと思ったんだ」
避難訓練……だったのか! ――憲一は安堵して体の力が抜けた。
ふと横を見れば、青ざめた細谷がいた!
記憶がなくてもベルの音で――憲一もそうだったのだから細谷もそうだと思った。
「大丈夫か?」
憲一は隣に座る細谷に、そっと声を掛けた。
「うん……」
細谷は、青ざめたまま消え去りそうな声で頷いた。
いやこれ、大丈夫じゃないだろう? ――憲一は三好に言おうと思い見渡して固まった!
ドアからは煙が化学室に流れ込んでいた!
それを見た途端、体が動かなくなった! 動悸もしてきた。
体は覚えていた――。
けたたましくなるベルの音も真っ白で何も見えなくなる煙の事も!
勿論避難訓練だ。この煙は発煙筒だった。臨場感を出す為に行っていた。
細谷を見れば、憲一と同じようだった!
憲一と同じく、煙を見て固まっていた。と思ったらフラフラと扉に向かって歩きだした。
「待って! メグミ!!」
扉の所まで来たと思ったら細谷はそう叫び、突然走り出した! 周りに居た者達は唖然として、その奇特な行動を見送った。
「おい! 細谷!」
慌てたのは担任の三好だ。隣の教師に生徒を頼み、三好は細谷を追って行った。
そして憲一は、その場に崩れ落ちた!
「おい! 大丈夫か! 先生! 真倉が倒れました!」
倒れ込んだ憲一をクラスメイトが囲んだ――。
○ ○
憲一が目を覚ますとそこは病室だった。
俺また倒れたのか? ――横を見ると母親が心配そうな顔で見ていた。
「起きた? もうだから休みなさいと言ったのに!」
「……心配かけてゴメン」
憲一はボソッと母親に返す。反対側を向くと、カーテンがあった。
「隣に細谷くんも寝ているわ」
そっか。細谷もか。――彼が走り去る所は見ていなかった。だが叫んだ声は聞いていた。
細谷も何か思い出したのかもしれない。――憲一は、とうとう全て思い出したのだった!
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