26 / 34
取引
しおりを挟む
「観念した? どうしてあんな事したの? 三好先生!」
「あんな事? 何の事だ?」
ずっと憲一が話していたが、細谷が聞くと三好は睨む様に見て言った。
「火事を起こすような細工をしたって事だよ!」
「どうして俺がそんな事をしなくてはならない?」
憲一が言った言葉に、ムッとして三好は返す。
「じゃ腕時計の件はどう説明するんだよ! 俺の血がついているんだから言い逃れは出来ないだろう!」
「何を言っている? ついていたら火事を起こす様な細工をしたって事になるのか? 確かに腕時計がない事に気が付いて、こっそり取りに行った。だが非常階段の扉を開けた所に落ちていた」
三好の言葉に、憲一は目を丸くする。
嘘だ! 俺の近くまで来た人物がいるのは確かなんだから! ――三好以外の人物がいて、憲一に近づいたとは考えづらい。そう思うも三好を見たわけではないから憲一は何も言えない!
「三好さん、申し訳ありませんが署で詳しいお話を……」
「断る! そうなると思っていたから黙っていたんだ! だいたい記憶を思い出したなんて嘘までついて、俺を陥れようとしているのはそっちだろう!」
「嘘じゃない! 俺も記憶を失っていたんだ。その火事の事をすっぽりと! 確かに腕時計は、非常階段の近くで拾ったかもしれないけど、落ちていたのは火事が起きた部屋だ!」
「そう言う事か。やっとわかったよ。火事を起こしたのは、真倉だったって事か。責任転換する為に、今更腕時計の事を持ち出したんだろう?」
「………」
三好の言葉に憲一は愕然とする。
憲一は、記憶を失っていなくて言い逃れを考えていた。そして、腕時計を拾った事を思い出し、その腕時計の持ち主に擦り付けようとしている。そう言われたのだ。
「ちがう!」
「ねえ、先生! 犯人じゃないって言うのなら証拠見せてよ」
「普通逆だろう? 犯人だと言うのならその証拠を示すものだろう?」
「そうですね。三好さんの言い分も一理あります。どうでしょう? もう少し彼らに付き合って頂けませんか?」
山本が二人の気持ちを汲んだのかそう言った。
三好は、チラッと山本を見てからボソッと呟く。
「完全に犯人扱いか……」
呟き通り憲一達は、三好以外あり得ないと思っていた。だが、三好が言ったように腕時計に血がついているだけでは、犯人だと立証できない。
「いいですよ。その代わり、ここで俺が犯人だと立証できなかったらさっき渡した腕時計をすぐに返してくれるというなら」
「わかりました」
三好の取引にも驚いたが、それを承諾した山本に二人共驚いた。でも裏を返せば、山本は追い詰める自信があるって事になる。
それは、三好にも言える事だが……。
「あんな事? 何の事だ?」
ずっと憲一が話していたが、細谷が聞くと三好は睨む様に見て言った。
「火事を起こすような細工をしたって事だよ!」
「どうして俺がそんな事をしなくてはならない?」
憲一が言った言葉に、ムッとして三好は返す。
「じゃ腕時計の件はどう説明するんだよ! 俺の血がついているんだから言い逃れは出来ないだろう!」
「何を言っている? ついていたら火事を起こす様な細工をしたって事になるのか? 確かに腕時計がない事に気が付いて、こっそり取りに行った。だが非常階段の扉を開けた所に落ちていた」
三好の言葉に、憲一は目を丸くする。
嘘だ! 俺の近くまで来た人物がいるのは確かなんだから! ――三好以外の人物がいて、憲一に近づいたとは考えづらい。そう思うも三好を見たわけではないから憲一は何も言えない!
「三好さん、申し訳ありませんが署で詳しいお話を……」
「断る! そうなると思っていたから黙っていたんだ! だいたい記憶を思い出したなんて嘘までついて、俺を陥れようとしているのはそっちだろう!」
「嘘じゃない! 俺も記憶を失っていたんだ。その火事の事をすっぽりと! 確かに腕時計は、非常階段の近くで拾ったかもしれないけど、落ちていたのは火事が起きた部屋だ!」
「そう言う事か。やっとわかったよ。火事を起こしたのは、真倉だったって事か。責任転換する為に、今更腕時計の事を持ち出したんだろう?」
「………」
三好の言葉に憲一は愕然とする。
憲一は、記憶を失っていなくて言い逃れを考えていた。そして、腕時計を拾った事を思い出し、その腕時計の持ち主に擦り付けようとしている。そう言われたのだ。
「ちがう!」
「ねえ、先生! 犯人じゃないって言うのなら証拠見せてよ」
「普通逆だろう? 犯人だと言うのならその証拠を示すものだろう?」
「そうですね。三好さんの言い分も一理あります。どうでしょう? もう少し彼らに付き合って頂けませんか?」
山本が二人の気持ちを汲んだのかそう言った。
三好は、チラッと山本を見てからボソッと呟く。
「完全に犯人扱いか……」
呟き通り憲一達は、三好以外あり得ないと思っていた。だが、三好が言ったように腕時計に血がついているだけでは、犯人だと立証できない。
「いいですよ。その代わり、ここで俺が犯人だと立証できなかったらさっき渡した腕時計をすぐに返してくれるというなら」
「わかりました」
三好の取引にも驚いたが、それを承諾した山本に二人共驚いた。でも裏を返せば、山本は追い詰める自信があるって事になる。
それは、三好にも言える事だが……。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
王子様への置き手紙
あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる