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第52話 疑いの目
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「ま、まさかと思いますが、あの状態だったので、そのままお預けになったのですか? 先ほどの探している王子が見つかったというのは、小芝居だったのですか? 今までずっと密かに連絡を取り合って……」
「イグーレンさん、落ち着いて下さい。小芝居などと……。陛下にもお考えがあっての事。お預けになった殿下を手元に戻したという事は、犯人がお分かりになったという事で宜しいのでしょうか?」
サイグルドの問いに、またもや陛下は困った。
そういう事なのだろうが、自分自身は誰か知らないのだ。
「そういう事だ」
答えたのは、ディアルディだ。
「一体誰ですか?」
サイグルドが更に問う。
ディアルディは、ルナードを見た。犯人がわかるのはルナードだけだからだ。
「その前に、エルドアリス様はご健在でしょうか? ここに居られないようですが」
今まで沈黙して成り行きを見ていた、ウィドガが陛下を見て聞いた。
「はい。ご健在です」
「あなたに聞いてはいません。陛下はご確認をしておいでですかと聞いております。先ほどから聞いておりますと、陛下は何もご存知ないようにお見受けしました。いかがでしょうか?」
答えたマカリーにぴしゃりと言うと、鋭い質問を投げかけて来た。
「そ、それは……」
「母上は生きています。ずっと、俺と一緒でした」
「ではなぜ、今日ご一緒ではないのでしょうか?」
「危険を伴うかもしれないからです」
「危険なのは、殿下、あなたも一緒なのですよ。マカリーさん、あなたは私達の中に犯人がいると思っているのなら、殿下を連れて来るべきではありませんでした」
「ウィドガさん。あなたの言う事もごもっともだが、陛下の信頼を得るのに必要だったのでしょう。目星がついているのなら聞いた方がいい。あなたでなければ、宜しいのですが」
サイグルドが疑いの眼差しで言った。
「私ではありません。それに、ここまでしたのですから証拠も持って来ているのでしょう? ただ解せなかったので口を出させて頂きました」
「参りましたな。ウィドガさんの言う通り陛下は、犯人をご存知ありません」
マカリーがそう言うと、王臣達は驚いた。
「陛下がご存知ない? 普通は陛下に先にお伝えするものでしょう」
ミルアビが言う。
「申し訳ありませんでした」
マカリーは深々と、その場の者達に頭を下げた。
「ですが、急を要する案件でしたので参りました。ディ……アルディ様の居場所が知れたらしく、刺客が送られて来たのです。そして、昨日孫がその者に襲われた。それで私は急きょ、自宅に戻り急いで陛下にお知らせに参ったのです」
王臣達は、ディアルディと先ほどから誰だと思っていたマカリーの孫を交互に見た。
「それで彼も連れて来たわけですか」
ぼそりと、イグーレンは呟いた。
「イグーレンさん、落ち着いて下さい。小芝居などと……。陛下にもお考えがあっての事。お預けになった殿下を手元に戻したという事は、犯人がお分かりになったという事で宜しいのでしょうか?」
サイグルドの問いに、またもや陛下は困った。
そういう事なのだろうが、自分自身は誰か知らないのだ。
「そういう事だ」
答えたのは、ディアルディだ。
「一体誰ですか?」
サイグルドが更に問う。
ディアルディは、ルナードを見た。犯人がわかるのはルナードだけだからだ。
「その前に、エルドアリス様はご健在でしょうか? ここに居られないようですが」
今まで沈黙して成り行きを見ていた、ウィドガが陛下を見て聞いた。
「はい。ご健在です」
「あなたに聞いてはいません。陛下はご確認をしておいでですかと聞いております。先ほどから聞いておりますと、陛下は何もご存知ないようにお見受けしました。いかがでしょうか?」
答えたマカリーにぴしゃりと言うと、鋭い質問を投げかけて来た。
「そ、それは……」
「母上は生きています。ずっと、俺と一緒でした」
「ではなぜ、今日ご一緒ではないのでしょうか?」
「危険を伴うかもしれないからです」
「危険なのは、殿下、あなたも一緒なのですよ。マカリーさん、あなたは私達の中に犯人がいると思っているのなら、殿下を連れて来るべきではありませんでした」
「ウィドガさん。あなたの言う事もごもっともだが、陛下の信頼を得るのに必要だったのでしょう。目星がついているのなら聞いた方がいい。あなたでなければ、宜しいのですが」
サイグルドが疑いの眼差しで言った。
「私ではありません。それに、ここまでしたのですから証拠も持って来ているのでしょう? ただ解せなかったので口を出させて頂きました」
「参りましたな。ウィドガさんの言う通り陛下は、犯人をご存知ありません」
マカリーがそう言うと、王臣達は驚いた。
「陛下がご存知ない? 普通は陛下に先にお伝えするものでしょう」
ミルアビが言う。
「申し訳ありませんでした」
マカリーは深々と、その場の者達に頭を下げた。
「ですが、急を要する案件でしたので参りました。ディ……アルディ様の居場所が知れたらしく、刺客が送られて来たのです。そして、昨日孫がその者に襲われた。それで私は急きょ、自宅に戻り急いで陛下にお知らせに参ったのです」
王臣達は、ディアルディと先ほどから誰だと思っていたマカリーの孫を交互に見た。
「それで彼も連れて来たわけですか」
ぼそりと、イグーレンは呟いた。
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