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ちょっとだけ見えた希望 2
しおりを挟む「君の場合は、どこでも入れると思うぞ」
「え? なんで?」
「だから君のスキルは、君が思っているより凄いんだって事。ずっと奥まで行くパーティーなら大歓迎だろう。みんな一つしか持っていないスキルが、一時的にでも増えるんだぞ?」
「冗談じゃない! 僕は、5階までしか行く気ないから!」
その考えだと、最前線に行かされる! そうじゃなければ期待外れだと言われるだけだ。一人気ままがいい。別に英雄を目指しているわけじゃないからね!
「そうか。ダンジョン攻略は、人それぞれだからな。でもずっと5階までだとステータスは伸びないぞ?」
「別にいいよ」
「いや一か月後からきつくなると思うけど?」
「え?」
「君の様にその日暮らしだけだとモンスターが減らないだろう? だから一か月たったら君は、ひと月に稼ぐ量を課せられる。魔石の量だな。小さかったらいっぱい必要だ。でも大きければ数個でいい。免除してもらうには、俺みたいな割り当てにつくしかないが、これはそれなりの知識が必要だろう? 教えないといけないんだから」
うん? 一か月後には最低ラインを決められるの?
「それ守らないとどうなるの?」
「強制的に討伐隊に入れられて、ダンジョンに行かされる。まあ教育だな。モンスターの狩り方や、ダンジョン内の過ごし方などを指導される。できてないから稼げないだろうって事だ。怪我などでリタイアすれば事務仕事もありだけどな」
なんだそれ! 強制なのかよ。いや、元々強制だった。ノルマが課せられるなんて。
だったらレメゼールさんの様に、新人教育者みたいな割り当てに付ける様になろう。
年齢的に言って10年も頑張ればなれるよな? 条件を聞いておくかな?
「えっと。反省しました。僕、レメゼールさんみたいになりたいです! どうしたらなれますか?」
「俺? うーん。手っ取り早いのは、功績を残す事かな? 例えば奥深く行って凄い装備品を手に入れて帰って来るとか。モンスターを倒しまくるとか。それで信頼を得て、後は指導者に適している人物だとなれるだろう。凄い人物でも横柄な態度の者には任せないだろう?」
マジか。結構大変だった。でもずーっとよりは、10年間だけダンジョンに潜ってあとは、新人と一緒にの方がいいよな?
「丁寧に教えて下さりありがとうございます!」
「っぶ」
「え?」
「いや、態度がコロッて変わったからおかしくって」
心を入れ替えたのに。少しはやる気になったんだけど?
「まあ君ならなれるかもな指導者に」
「はい! 頑張ります」
やっと希望が見えてきた。
こうして僕は真面目にスライムを狩った。
今回覚えたスキルには、ステータスを上げるモノがなかったのが残念だ。スキルが活躍するのってそれぐらいなのになぁ。
腕力はあんなに頑張ったのに、今日も1上がっただけだった。
三日目、スライムダンジョンに行ったら何かもめていた。もめている相手がガーナラルド王子で驚いた。
「どうしたんですか?」
困り顔で見ていたレメゼールさんに聞く。
「それが……」
「クラド、待っていた。一緒に潜るぞ」
「うん? え~!!」
なんで僕が王子と一緒に行かないといけないの?
驚いてレメゼールさんを見た。
「本来三日目は、新人同士だけで潜る事になっているが、ガーナラルド様とクラド二人だけだったから三日目も今までと同じスタイルで潜る予定だったんだが……」
は? そうなの? いやいやいや。王子と一緒なんて無理! 何かあったらどうするの?
「行くぞ!」
そう言って、ガーナラルド王子はスタスタと歩き出した。
ちょっと誰か、あのわがまま王子を止めてよ!!
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