12 / 32
王子と一緒に 1
しおりを挟む
誰が王族の言う事を止められると言うのか。結局僕は、ガーナラルド王子の後をついて行く。
誰だ! 王子の機嫌を損ねたやつは!
「面白くないって顔だな」
「え……」
しまったぁ。顔に出ていたか。
「なぜ僕と? 先輩方との方が安全なのに」
「安全? それは君と行っても変わらないだろう? まあ、10階の敵を君が倒せるかわからないがな」
「10階!?」
「……君は学校に行っていなかったのか?」
「いえ、行っておりました」
習う事だったのか。にしてもバカ正直に10階まで行かなくてもよくないか? 王族なら免除されるだろうに。
「僕は、全く役に立ちませんが宜しいですか?」
最初に言っておこう。もしかしたら5階までにする気になるかもしれない。
「別に構わない。特別扱いされるのが嫌なだけだからな。君にも悪かったと思っている。本来はもう一人は君につくはずだった」
「はぁ……」
別に指導者は、一人でいいけどね。
「何をしている? 先に行って待っているのではないのか?」
クルッと振り向くと、指導者の三人が後ろをついてきていた。
「し、しかし……」
「わ、わかりました。お待ちしてます」
「くれぐれも気を付けてな」
最後の言葉は、僕に向けられたセリフだ。
何をどう気を付けれと? そこを教えて欲しいんだけどなぁ。
「はぁ。行ったか」
いや違う階でこっそりいるかもね。
そう言えば、レメゼールさんがいないな。10階に行って待っているのかな?
「そう言えば、君のスキルはどんなのだ? 増殖だかというスキルだったか」
他人の事なのに覚えてるんだ。
「階を下りる度に名前の通りスキルが増えるスキルですが、ダンジョンから出てしまえば全て消えてしまいます。僕には扱いが難しいスキルでした。ガーナラルド様が羨ましいです」
ホーリーライトは、光魔法だ。光魔法は、どの属性のモンスターにも効果がある魔法。しかも範囲魔法らしい。複数をいっぺんに倒せるなんて、羨ましい。
唯一習った魔法で覚えていた魔法だ。
万が一授かるならこれがいいと思ったからね。
「羨ましいか? 私は君のそのスキルの方がいいと思うけどな」
「そうですか? どんなに凄いスキルでも消えちゃうんですよ? しかも覚えるのはランダムの様なので、あてにできません」
「そうなのか? それは使い勝手が悪いな。だがある程度下の階に行けば、それなりの数のスキルになる。そうなれば、使えそうなスキルを手に出来るのではないか?」
それは、元々強い者の考え方では? 弱ければ下になんて行けませんって。
弱くても王子の様に装備がよければいいかもしれないけどね。
「僕は弱いので、スキルなしで下になんて行けません」
「まあ一人では無理だろうが、複数ならそれまでカバーできるだろう?」
それって、パーティーを組んだりギルドに入ればいいだろうって事なんだろうか?
「アドバイスありがとうございます」
まあいいや。王子の機嫌を損ねたら指導者の道は閉ざされるから穏便に返しておこう。
「アドバイス? 私は君と同じ新人だ。アドバイスにはならないだろう?」
「……そうですか。そういう考え方もあると言う事ですね」
「そういう事だ。ところで試験の仕方はわかってるのか?」
「試験?」
「……君は、全く何も知らないのか? いわゆる最初から合格しかない試験だから合格試験とも言われる試験だ。今から行うのだが……」
げ。どうしよう。わからないや。
誰だ! 王子の機嫌を損ねたやつは!
「面白くないって顔だな」
「え……」
しまったぁ。顔に出ていたか。
「なぜ僕と? 先輩方との方が安全なのに」
「安全? それは君と行っても変わらないだろう? まあ、10階の敵を君が倒せるかわからないがな」
「10階!?」
「……君は学校に行っていなかったのか?」
「いえ、行っておりました」
習う事だったのか。にしてもバカ正直に10階まで行かなくてもよくないか? 王族なら免除されるだろうに。
「僕は、全く役に立ちませんが宜しいですか?」
最初に言っておこう。もしかしたら5階までにする気になるかもしれない。
「別に構わない。特別扱いされるのが嫌なだけだからな。君にも悪かったと思っている。本来はもう一人は君につくはずだった」
「はぁ……」
別に指導者は、一人でいいけどね。
「何をしている? 先に行って待っているのではないのか?」
クルッと振り向くと、指導者の三人が後ろをついてきていた。
「し、しかし……」
「わ、わかりました。お待ちしてます」
「くれぐれも気を付けてな」
最後の言葉は、僕に向けられたセリフだ。
何をどう気を付けれと? そこを教えて欲しいんだけどなぁ。
「はぁ。行ったか」
いや違う階でこっそりいるかもね。
そう言えば、レメゼールさんがいないな。10階に行って待っているのかな?
「そう言えば、君のスキルはどんなのだ? 増殖だかというスキルだったか」
他人の事なのに覚えてるんだ。
「階を下りる度に名前の通りスキルが増えるスキルですが、ダンジョンから出てしまえば全て消えてしまいます。僕には扱いが難しいスキルでした。ガーナラルド様が羨ましいです」
ホーリーライトは、光魔法だ。光魔法は、どの属性のモンスターにも効果がある魔法。しかも範囲魔法らしい。複数をいっぺんに倒せるなんて、羨ましい。
唯一習った魔法で覚えていた魔法だ。
万が一授かるならこれがいいと思ったからね。
「羨ましいか? 私は君のそのスキルの方がいいと思うけどな」
「そうですか? どんなに凄いスキルでも消えちゃうんですよ? しかも覚えるのはランダムの様なので、あてにできません」
「そうなのか? それは使い勝手が悪いな。だがある程度下の階に行けば、それなりの数のスキルになる。そうなれば、使えそうなスキルを手に出来るのではないか?」
それは、元々強い者の考え方では? 弱ければ下になんて行けませんって。
弱くても王子の様に装備がよければいいかもしれないけどね。
「僕は弱いので、スキルなしで下になんて行けません」
「まあ一人では無理だろうが、複数ならそれまでカバーできるだろう?」
それって、パーティーを組んだりギルドに入ればいいだろうって事なんだろうか?
「アドバイスありがとうございます」
まあいいや。王子の機嫌を損ねたら指導者の道は閉ざされるから穏便に返しておこう。
「アドバイス? 私は君と同じ新人だ。アドバイスにはならないだろう?」
「……そうですか。そういう考え方もあると言う事ですね」
「そういう事だ。ところで試験の仕方はわかってるのか?」
「試験?」
「……君は、全く何も知らないのか? いわゆる最初から合格しかない試験だから合格試験とも言われる試験だ。今から行うのだが……」
げ。どうしよう。わからないや。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる