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小さな宝箱の価値 1
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僕達は、これからの事を話し合う事にした。まあその為に僕の家に来てくれたんだけどね。王子自らわざわざ足を運ぶなんて、変わってる王子だ。
僕の部屋には、座れるモノが机の椅子しかなくそこにガーナラルドに座ってもらっていた。僕は、ベットに腰を掛けている。
「どのモンスターがいいとかあるか? そのダンジョンの近くにある物件を探そうと思うのだが」
「あ、はい。モンスターですね……」
「それ、捨てていなかったのだな」
僕が教科書を開いているのを見て、ガーナラルドが言った。
まるで真新しい教科書の様に綺麗なままだ。
教科書には、ダンジョンのモンスターリストが載っていた。特徴もちょろっと書かさっている。
資料らしいものが教科書しかないので、置いておいただけだが役に立つとは思っていなかった。
「これね、資料用に一応置いておいたんです。目安になるかと……」
そう思ったけど、驚いた。一応、適正腕力が書いてあるが、どれも二ケタ。つまり今の僕では、最初の一階にいるモンスターでも倒すのが大変のようだ。
「どうした? 難しい顔をして」
「えっと。腕力がどれも足りなくて、どうしましょか……」
まさかスライム以外がこんなに強いなんて!
「すぐに腕力は上がるだろう。問題ない。なので、素早さで優るモンスターにすればいい」
「はあ……」
そう言われても素早さは載っていない。特別素早いのは書いてあるけどね。
「それは、この教科書には書いてないようです」
「……そうか。ならば定番のコボルトにするか?」
「定番?」
「スライムの次に弱いだろうと言われているから、スライムの次に挑む者が多いって事だ」
なるほど。そこならいいかも。それでも腕力15必要なんだよね……。犬型のモンスターか。
「じゃそこでいいです」
「わかった。取りあえず明日行ってみよう。一応言っておくが、スライム以外は、近づくと攻撃してくるからな」
「え? そうなの?」
囲まれたら嫌だなぁ。怖いんだけど。
「まあそこで、ダンジョンの感触をつかもう。ところでこの宝石箱はなんだ?」
ガーナラルドが、机に置いてあるあの小さな宝箱を指差した。
まるで高価な宝石箱の様に見える宝箱は、僕の部屋にあると浮いて見える。似つかわしくない。
「それ、宝石箱ではなく小さな宝箱です」
「宝箱?」
僕は頷いた。ガーナラルドは、怪訝な顔をしていた。意味がわからないのかも。
「スライムダンジョンの2階にあった宝箱なんです」
「は? スライムダンジョン? しかも2階? どうやって見つけたのだ? これだけ小さいと見つけるのは、至難の業だろう?」
道端にでもなければ確かにそうかもしれない。普通は、スライムダンジョンの2階に宝箱があるとは思わないから探す事もないだろうし。
「えーと、一番最初に覚えたスキルがサーチで、試しに使ってみたところ宝箱を発見したんです。小さい宝箱だったので、記念に持って帰ってきました」
「………」
じーっと、ガーナラルドが宝箱を見つめている。もしかして欲しいとか? 普通は大きいから持って帰らないって言っていたし、珍しいのかも。
僕の部屋には、座れるモノが机の椅子しかなくそこにガーナラルドに座ってもらっていた。僕は、ベットに腰を掛けている。
「どのモンスターがいいとかあるか? そのダンジョンの近くにある物件を探そうと思うのだが」
「あ、はい。モンスターですね……」
「それ、捨てていなかったのだな」
僕が教科書を開いているのを見て、ガーナラルドが言った。
まるで真新しい教科書の様に綺麗なままだ。
教科書には、ダンジョンのモンスターリストが載っていた。特徴もちょろっと書かさっている。
資料らしいものが教科書しかないので、置いておいただけだが役に立つとは思っていなかった。
「これね、資料用に一応置いておいたんです。目安になるかと……」
そう思ったけど、驚いた。一応、適正腕力が書いてあるが、どれも二ケタ。つまり今の僕では、最初の一階にいるモンスターでも倒すのが大変のようだ。
「どうした? 難しい顔をして」
「えっと。腕力がどれも足りなくて、どうしましょか……」
まさかスライム以外がこんなに強いなんて!
「すぐに腕力は上がるだろう。問題ない。なので、素早さで優るモンスターにすればいい」
「はあ……」
そう言われても素早さは載っていない。特別素早いのは書いてあるけどね。
「それは、この教科書には書いてないようです」
「……そうか。ならば定番のコボルトにするか?」
「定番?」
「スライムの次に弱いだろうと言われているから、スライムの次に挑む者が多いって事だ」
なるほど。そこならいいかも。それでも腕力15必要なんだよね……。犬型のモンスターか。
「じゃそこでいいです」
「わかった。取りあえず明日行ってみよう。一応言っておくが、スライム以外は、近づくと攻撃してくるからな」
「え? そうなの?」
囲まれたら嫌だなぁ。怖いんだけど。
「まあそこで、ダンジョンの感触をつかもう。ところでこの宝石箱はなんだ?」
ガーナラルドが、机に置いてあるあの小さな宝箱を指差した。
まるで高価な宝石箱の様に見える宝箱は、僕の部屋にあると浮いて見える。似つかわしくない。
「それ、宝石箱ではなく小さな宝箱です」
「宝箱?」
僕は頷いた。ガーナラルドは、怪訝な顔をしていた。意味がわからないのかも。
「スライムダンジョンの2階にあった宝箱なんです」
「は? スライムダンジョン? しかも2階? どうやって見つけたのだ? これだけ小さいと見つけるのは、至難の業だろう?」
道端にでもなければ確かにそうかもしれない。普通は、スライムダンジョンの2階に宝箱があるとは思わないから探す事もないだろうし。
「えーと、一番最初に覚えたスキルがサーチで、試しに使ってみたところ宝箱を発見したんです。小さい宝箱だったので、記念に持って帰ってきました」
「………」
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