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どどど、どうしよう! そうだカウンターの人に……。
「クラド! 大丈夫か?」
「え? ガーナラルド! よかった。無事に戻ってきた。誘拐されたかと思ったよ」
「誘拐? 何を言っている。そんな事出来る訳ないだろう。必ずここに飛ばされるのだから」
「あ……」
そうだった。ダンジョンから出たらここにワープしてくるんだった。
誘拐は無理だ。でも無事でよかった。しかしなんで、あんな事を……。
「失礼をした。こうするしか殿下をお止できなかったので、少し乱暴になった」
「え? もしかして下の階に行かせない為?」
僕がそう言うと、ガーナラルドと一緒に戻ってきたダンジョンハンターの二人が頷いた。
なるほど、僕がいなくなれば下に降りる事はないもんね。
でもそう言ってくれれば、自分で外に出る魔法陣で出たのになぁ。
「少しお話を宜しいでしょうか?」
僕達に鋭い視線を向けて、水色の髪の男の人が言った。柔らかな水色の瞳なのに、なぜか凄く鋭い視線だ。
「は、はい」
僕の声は、上ずった。
「心配するな。父上がよこした者達だろう」
「あぁ、王様の……え!? 王様がよこしたの?」
やばい。王様に僕、目をつけられちゃったって事?
「あのな……私の監視役だ」
あ、僕また顔に出てました?
こほんと黒髪の監視役の人が咳ばらいをして歩き出すので、ついて行く。
建物の奥には、椅子とテーブルがあった。そこを横切り奥の扉を開け、部屋に入る。
少しゴージャスな感じの部屋だ。
いや、ここに僕が入って大丈夫? ってくらいの雰囲気がある部屋。なんだろう、ここ。
「殿下、お座りください」
「わかった。座ろう。クラド」
「え? はい……」
ソファーに座ったガーナラルドの横に素直に座ると、二人に睨まれた。僕が座るのはここでないみたいだ。だけど立ち上がろうとすると、「よい」とガーナラルドに言われそのまま座っている事にした。
「噂通りあなたは、常識さえ知らない人物の様ですね。驚きです」
水色の髪の人に言われた。
そうです。反論もできません。
「私は、ジルと申します」
「私は、アルラダ」
水色の髪がジルさんで、黒髪がアルラダさんね。
「私達は、殿下が言われる通り陛下から殿下のお目付け役を仰せつかりました」
やっぱりそういう人っていたんだ。ジルさんの言葉に僕は頷いた。
「あなたはおわかりですか? 隣にいるお方は、王族なのですよ? お守りするならまだしも、教えて頂くなどあり得ません」
アルラダさんの言う通りです。はい。
「すみません……」
「私が好きでそうしているのだ。クラドを責めるな。あのスキルならすぐに強くなるだろう。あとは、知識を身に付けるだけだ」
「あの……毎回さっきの様なスキルを覚えるとは限りませんけど」
「それでも使い方次第では、英雄スキルだ」
「英雄スキル?」
「それすら知りまんか?」
ガーナラルドの言葉に驚くと、ジルさんが驚いて言う。
教科書に載っていたっけ?
「鍛錬をすれば誰でも英雄になれるわけではない。残念ながらな。英雄になれるような、凄いスキルを持った者が英雄になれると言われている」
「たとえば、殿下がお持ちの様な複数攻撃が出来る魔法などです。聞いた事ありませんか?」
ガーナラルドの説明の後に、アルラダさんが問う。
聞いた事ないかという事は、教科書には載ってないのかな?
「クラドと言ったか、あなたのスキルは増殖だとか。ダンジョンを出ると全て消えるのでしょう。でしたら有能なスキルとも言い難い」
ジルさんがそう言った。
「クラド! 大丈夫か?」
「え? ガーナラルド! よかった。無事に戻ってきた。誘拐されたかと思ったよ」
「誘拐? 何を言っている。そんな事出来る訳ないだろう。必ずここに飛ばされるのだから」
「あ……」
そうだった。ダンジョンから出たらここにワープしてくるんだった。
誘拐は無理だ。でも無事でよかった。しかしなんで、あんな事を……。
「失礼をした。こうするしか殿下をお止できなかったので、少し乱暴になった」
「え? もしかして下の階に行かせない為?」
僕がそう言うと、ガーナラルドと一緒に戻ってきたダンジョンハンターの二人が頷いた。
なるほど、僕がいなくなれば下に降りる事はないもんね。
でもそう言ってくれれば、自分で外に出る魔法陣で出たのになぁ。
「少しお話を宜しいでしょうか?」
僕達に鋭い視線を向けて、水色の髪の男の人が言った。柔らかな水色の瞳なのに、なぜか凄く鋭い視線だ。
「は、はい」
僕の声は、上ずった。
「心配するな。父上がよこした者達だろう」
「あぁ、王様の……え!? 王様がよこしたの?」
やばい。王様に僕、目をつけられちゃったって事?
「あのな……私の監視役だ」
あ、僕また顔に出てました?
こほんと黒髪の監視役の人が咳ばらいをして歩き出すので、ついて行く。
建物の奥には、椅子とテーブルがあった。そこを横切り奥の扉を開け、部屋に入る。
少しゴージャスな感じの部屋だ。
いや、ここに僕が入って大丈夫? ってくらいの雰囲気がある部屋。なんだろう、ここ。
「殿下、お座りください」
「わかった。座ろう。クラド」
「え? はい……」
ソファーに座ったガーナラルドの横に素直に座ると、二人に睨まれた。僕が座るのはここでないみたいだ。だけど立ち上がろうとすると、「よい」とガーナラルドに言われそのまま座っている事にした。
「噂通りあなたは、常識さえ知らない人物の様ですね。驚きです」
水色の髪の人に言われた。
そうです。反論もできません。
「私は、ジルと申します」
「私は、アルラダ」
水色の髪がジルさんで、黒髪がアルラダさんね。
「私達は、殿下が言われる通り陛下から殿下のお目付け役を仰せつかりました」
やっぱりそういう人っていたんだ。ジルさんの言葉に僕は頷いた。
「あなたはおわかりですか? 隣にいるお方は、王族なのですよ? お守りするならまだしも、教えて頂くなどあり得ません」
アルラダさんの言う通りです。はい。
「すみません……」
「私が好きでそうしているのだ。クラドを責めるな。あのスキルならすぐに強くなるだろう。あとは、知識を身に付けるだけだ」
「あの……毎回さっきの様なスキルを覚えるとは限りませんけど」
「それでも使い方次第では、英雄スキルだ」
「英雄スキル?」
「それすら知りまんか?」
ガーナラルドの言葉に驚くと、ジルさんが驚いて言う。
教科書に載っていたっけ?
「鍛錬をすれば誰でも英雄になれるわけではない。残念ながらな。英雄になれるような、凄いスキルを持った者が英雄になれると言われている」
「たとえば、殿下がお持ちの様な複数攻撃が出来る魔法などです。聞いた事ありませんか?」
ガーナラルドの説明の後に、アルラダさんが問う。
聞いた事ないかという事は、教科書には載ってないのかな?
「クラドと言ったか、あなたのスキルは増殖だとか。ダンジョンを出ると全て消えるのでしょう。でしたら有能なスキルとも言い難い」
ジルさんがそう言った。
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