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助言頂きました 2
しおりを挟む別に僕自身は、有能なスキルだとは思ってない。
もしかして、このスキルでガーナラルドを釣ったとか思ってる? そんなつもりはないけど……。実際そうなってる?
「もしかして、このスキルに期待して傍に置いてるの?」
ガーナラルドの目標は、英雄になる事だ。僕のスキルがその手助けになりそうだと思ったのかもしれない。スキルを持った本人がヘタレでも傍に置くのはその為?
「そんなわけあるか。別に英雄スキル持ちと共にダンジョンに入りたいなら募れば、わんさか来るだろう? 私が君を選んだ理由は前に言っただろう?」
「対等な者……仲間として?」
「そうだ。それ以上でもそれ以下でもない」
それがどうして僕? それこそ、僕じゃなくてもよくない?
「そういうわけだ。二人が私達について回るのは仕事だから仕方がないが、今回の様な事をしないで頂きたい。助言なら口でしてほしい」
「お待ちください。まだお話は終わっておりません」
立ち上がろうとしたガーナラルドに、ジルさんが言った。
「おっしゃるように助言させて頂きます」
って、僕はこのまま一緒でいいわけ?
「まず、モンスターを倒せるからと、どんどん先に進めば死にに行くだけです。絶対に攻撃を受けないとは限らないのですから。モンスターは、HPだけではなく攻撃力も上がっております。我々ダンジョンハンターは、スキルや魔法を授かっただけの人間だという事をお忘れなく」
「急所をやられれば、その場で死ぬ可能性もあります。まずは防御出来る対策を手にしてからお進みください」
うん? 防御の対策? それって防具を手に入れるって事? でも周りのダンジョンハンターの人は、ほとんど最初に支給された服だったけどなぁ?
魔神様に授かったスキルや魔法以外に、そういう何かを授かる事ができるって事?
「クラドは、わかってないようですが、殿下ならご存知でしょう。小手の存在を。まずは、それを装備してからお進み下さい」
「小手? それって腕に付ける部分的な装備ですか?」
「おや? ご存知でしたか?」
授業で習ったから覚えているわけではなく、知り合いの英雄の話しに出て来たのを覚えていただけだ。
たしか盾代わりにつけているとか言っていたような。
「盾代わりにするやつですか?」
意外だという顔を三人共した。
「えぇ。そうです。衝撃を受けHPは1減りますが、有効な防御方法です。鎧などは、宝箱から手に入れない限り身に付ける事はできません。まずは、魔石を集め、報酬として受け取って下さい」
それ報酬なんだ。
「わかった。そうしよう」
素直にガーナラルドが承諾した。
「あと、剣ですが……」
「このままこれを使用する。彼と居ればいずれ、武器も手にできる。そう父上に伝えて欲しい。皆と同じ様にして上を目指したいともな」
「わかりました。お伝えしておきます」
ガーナラルドが立ち上がったので、僕も立ち上がり彼について行き部屋を出た。
なんか今回は、本当に王子なんだと実感した。
本当にいいのかな? 僕なんかが王子の仲間で。
まあ危なくなったら僕はともかく、ガーナラルドは助けてもらえる。気がラクになったかも。
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