【完結】大きな声では言えないが俺が魔王だ!

すみ 小桜(sumitan)

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第三章 ヒカルのお誘い。緊急事態発生!?

第一七話

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 赤湖は近くの森を抜け少しすると、双子の丘の手前に十字路があり、それを左折して暫く進み、道なりに進むと雑木林の中に赤い湖が現れる。

 「やっぱり赤い湖って、俺的には気持ち悪いな……」

 「うん。赤はちょっとね……」

 俺が湖を見て言うと、ヒカルもその意見に賛成する。

 湖の上に洞窟の入り口が見える。多分あれが入口だろうけど……。

 「キソナは、前回受けてないから知らないだろうけど、見えないだけで道があるんだ。私の後着いてきて!」

 「おぉ。宜しくな」

 洞窟の入り口に向けて、ヒカルは臆する事無く湖の上を歩いて行く。

 『choose one』の世界では、泳ぐのもスキルのはずだから、湖に落ちれば溺れて死ぬ事になる。
 俺はハラハラしながらヒカルの後を着いて行く。無事に洞窟に入った時は、俺は安堵した。

 「中、暗いんだな」

 明るい場所から来たから余計かもしれないが、真っ暗ではないが薄暗い。不思議な事に、洞窟の中にある水がほのかに光を帯びている。そのお蔭で真っ暗ではないものの見えるのは足元ら辺だけだ。

 「うん。落ちないでね。その水、毒だったはずだから」

 中央に真っ直ぐに通路が奥の壁まで続いている。その脇は、光る水だ。何となく赤っぽく見える。

 「奥に入ったら戦闘なんだけど、私、戦えないからお願いしていい?」

 「え?」

 先頭を歩いていたヒカルが振り向いてそう言った。

 「あ、勿論、相手の動きは止めるよ。ほら、前に一度見た事あるでしょう?」

 「そうだけど。それだけ?」

 「攻撃魔法を手にいれないと、私じゃダメ与えられないから……」

 「わかった」

 よく考えればそうだ。あの攻撃力じゃ武器を装備したところで、コボルトさえも一撃で倒せない。

 俺は、刀を右手に装備した。

 「あ、刀買ったんだ」

 「あぁ。リーチが長くて慣れるのに大変だったけどな」

 「そうだね。ナイフとじゃ、全然長さ違うからね~」

 壁まで着くと、俺が先頭になる。

 「その壁、突っ切れるから……。真っ直ぐ進んで。今来た通路と同じ幅しかないから気を付けて」

 ヒカルが後ろから説明をしてくれる。俺はそれに頷き、壁に進んでみる。言われた通り通り抜けられ、奥まで通路が続いているようだ。さっきと同じく脇は光る水だ。

 慎重に歩いて行くと、通路に何かいた。

 「止まって! あれが敵だよ!」

 俺は止まり敵を凝視する。薄暗くて見えないのでよくわからないが、子供ぐらいの背丈だ。

 「あのさ、攻撃魔法仕掛けてくるけど、HPはそんなに高くないから……」

 「一ついいか? それ動き止める意味あるか?」

 魔法詠唱には普通、五~一〇秒ほど時間がかかる。そして話せる状態の足止めなら魔法の発動は可能だ。今回敵は、横は毒の水なので後ろに逃げるしかない。逃げ道が一本なので、逃げたら追いかければいいと思うんだが……。

 「ある。一人に見えるかも知れないけど奥にもう一人いて、同じタイミングで魔法を打ってくるの。一体攻撃してキャンセルさせないと結構食らうと思う」

 「そうなのか。厄介だなそれ」

 詠唱中に普通に攻撃を食らうと、詠唱が止まりキャンセルされる。強力な魔法ほど長いのは『choose one』でも一緒だ。

 普通は今の俺のレベルでは、魔法耐性が付いた装備などしていない。受ければそのままの威力で食らう。多分二〇~三〇だ。両方受ければ、最低四〇は食らう。魔王補正が無ければ、普通のレベル六ならHPの三〇%削れる事になる。三回受ければ瀕死だ。

 俺はほとんど削られないだろうし、HPも六〇〇以上あるから問題ない。だがあまりにもチートだから、言われた通りにする。

 それにここに来て思ったが、二人並んで歩けない。つまりアタッカーが複数いても意味をなさない。もしもう一人連れてくるのなら、魔法を扱えるものがいい。
 俺一人しか誘わなかった意味が今わかった。

 「じゃ、お願いする」

 「わかった。……止めたよ!」

 ヒカルが手を出し言った。俺は走り出す!
 敵に近づくと、赤い三角帽子を被り赤いチョッキを着て、小人のような感じだった。
 俺は、刀を振り下ろした! そして魔法をキャンセルさせる。勿論ダメも入っている。

 『choose one』には、敵にも味方にもHPのゲージはない。だから相手がどれくらいダメージを食らっているかがわからない。ハラハラドキドキの戦闘なのだ。

 味方の場合は、ステータスを表示させればかいいが、不透過表示で背景が見えなくなる。なので普段は閉じている。
 戦闘の時は口頭で言うか合図などを決め、回復してもらうなどするのが『choose one』での戦い方だ。

 もう一度攻撃を入れると、敵は倒れ消滅した。後ろから「え?」と驚きの声が聞こえるが無視だ!

 ヒカルが言っていた通り奥にもう一人いたようで、火の玉が飛んできた。逃げ場がないので受けるしかない。
 HPは一%減っただけだ。たぶん五~一〇しか削れていない。

 俺はもう一人の敵に走り出す。攻撃を与え詠唱をキャンセルさせ、更にもう一度攻撃すると、先ほどと同じで二撃で倒れた。
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