【完結】大きな声では言えないが俺が魔王だ!

すみ 小桜(sumitan)

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第六章 ヒカルの正体

第四一話

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 俺は、ケンタを探し彷徨っていた。白い冒険者の服で深緑の長い髪を束ねた鬼人の男。白というのは珍しい。だからまず、それで探している。

 『キソナ様。ケンタという者と対戦するおつもりですか?』

 『いや、そういう訳じゃない。俺は誤解を解きたいだけだ』

 俺はそうピピに返した。

 いた! リリタの森の出入り口付近に立っている。特徴もヒカルが言っていた人物と一緒だ。後は名前を確認するのみ!
 ――裏ステータス!


 名前:ケンタ
 種族:鬼人
 性別:男性
 年齢:二九歳
 職業:冒険者
 レベル:一一
 HP:一九〇
 MP:三〇
 攻撃:六〇+六〇
 防御:三〇
 補正:攻撃力二倍 魔法効果二倍
 所得スキル:押さえ込み 神の手
 取得魔法:白魔法
 貢献:なし
 二つ名:なし
 経験値:五一、二一〇
 その他:素早さUP


 『なあ、ピピは、俺以外のステータスって見れるの?』

 『私が拝見できるのは、キソナ様だけです』

 やっぱりそうなのか。

 『じゃさ、押さえ込みっていうスキルってどんなの?』

 まあ、名前どうりだと思うけど。

 『押さえ込みは、その名の通り押さえ込む事が出来るスキルです。押えこまれれば、身動きが取れなくなります。これは、キソナ様にも有効なスキルですのでお気を付け下さい』

 俺も押さえ込まれるって事か。やばいなそれ。

 『押さえ込むだけでスキルが発動するバシップスキルに近い物です。空腹度を消費し、半分以下ですと使用できなくなります』

 それって、掴まれたらアウトじゃん! 格闘系のスキルだな。

 『じゃ、神の手は?』

 『それもお持ちなのですか? 攻撃力二倍、魔法効果二倍にするスキルです』

 補正の正体はこれだな。

 『白魔法ってどんなのだ?』

 『白は、最初に覚えるのは攻撃力を一.五倍にする魔法です。次は防御、最後は魔法を一.五倍にするのを覚えます。神の手がありますので、二倍になっておりますね』

 『え? じゃ、白魔法使われたら攻撃力四倍?!』

 『いえ、三倍です。元の数に掛けるので三倍になります。また、白魔法を初めから取得していた場合は、三つとも魔法が使えます』

 やべぇ相手じゃないか。全然余裕じゃないなこれ。MPが三〇しかないから、魔法は最大六回しか使えないかもしれないが、一回の効果時間にもよるけど、一、二回使えれば十分なのかもしれない。

 ヒカルだったら武器装備で攻撃を受ければ、一発で死亡だっただろうな。
 これは、話し合いでケリをつけないといけないな。
 俺は意を決してケンタに話しかけた。

 「すみません。ケンタさんですか?」

 「あんた、誰?」

 ケンタは、俺に振り返り言った。

 「俺、キソナって言います。ヒカルの知り合いで……。少しお話いいですか?」

 それを聞くと腕を組み、俺を睨み付けて来た。

 「あいつは、テスターの時に酷い事していた奴だぜ。それにPvPは禁止されてないよな?」

 俺は頷く。

 「ヒカルの事は知っています。俺もテスターの時に被害に遭っていますので。ですが、あなたが殺したヒカルとテスターのヒカルは別人です。あなたも違和感を感じていたはずです!」

 「何それ? 証拠は?」

 やっぱりそう来るよな。お願いだからこれで納得してくれよ!

 「性別が違います! 性別が違うと同じ名前は使えないんです。どうして名前が重複しているかはわかりませんが、恨まれる事をしておいて同じ名前で作らないでしょう? 別に謝れとはいいません。噂を流すのを止めてほしいんです」

 ケンタは、ムッとした顔で近づいて来る。

 「性別が違うと同じ名前が使えない? どうしてそんな事がわかるんだよ! それ言うなら、名前を変えずに性別を変えたんだろう? 被害に遭ったのにあいつの味方するのかよ!」

 やっぱり信じてもらえないか。俺がそうだと言っても、それも証拠がないから証明にならないしな……。仕方がない。噂だけでも止めてもらえるように、もう一度お願いするしかない!
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