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◆021◆僕が作ったミサンガ◎

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 鋭い目つきで、ロドリゴさんは僕を見つめる。何か怖くて体が動かない!

 「君は、治療をすると言わなかったか?」

 「はい……。僕は、薬草を結んだだけです!」

 「ゼップ。このヴァンサギの前足だ! 鑑定してくれ!」

 『何するのよギャウギャウ!』

 目を覚ましたのか、それとも目を覚ましていたのかわからないが、ロドリゴさんがリリンの前足を持ち上げると、リリンはそう言ってパッと前足を隠した!

 「クテュール。そのヴァンサギの前足のミサンガを見せろ!」

 ギロッとロドリゴさんは、睨んで言った。
 リリンが、急にしゃべるから驚いた。
 ドキドキしながら言われた通り、リリンの前足に手を添えた。

 「ちょっとだけ大人しくしていてね」

 僕はリリンにそう話かける。
 ジーンの方は、大人しく僕の横に座っているが、ジッとエジンを睨み付けていた。だからエジンは、ずっと引きつった顔つきだ。

 「こ、これは! レアものです! 傷を癒す効果と毒を消す効果もあります!」

 え!? あ、いや。そりゃ薬草と毒消し草で作ったからその効果はおかしくない! ただミサンガになっただけじゃないか!

 「で、スピードが10%アップになってます!」

 と、ゼップさんは続けた!
 え~! スピードアップ!? なんでそんな効果が……。
 またもやロドリゴさんが、僕を鋭い目つきで睨み付ける様に見た!
 もう勘弁してほしい。これは意図した事じゃないし!

 「クテュール。一応聞くが、治療の為に行ったのだな? ミサンガを作る為ではなかった」

 「……はい。そうです」

 僕はロドリゴさんと目を合わせるのが怖くて、リリンを見て答えた。

 「では以後、モンスターに対してそういう行為を一切禁じる!」

 「え!? 何故ですか!」

 「わからないのか? 君は、モンスターに装備品を装備させたのだぞ! それとちゃんと、テイマーの心得を読んでおくように!」

 「……わかりました」

 俯いて僕は、ロドリゴさんに答えた。

 「わかったのなら今すぐ、そのミサンガをそのヴァンサギから外しなさい! それはこちらで買い取ろう」

 「え? でも、怪我が……」

 「外せと言っている!」

 有無を言わせない強い口調で、ロドリゴさんはもう一度言った。
 仕方なく僕は、リリンからミサンガを外す。

 「あの。ゼップさん。リリンは毒に犯されていましたか?」

 その質問に皆驚いた!
 でも僕には、大切な質問だ! ジッとゼップさんを見て待つと教えてくれた。

 「毒には犯されてはいない」

 「ありがとうございます」

 安堵して外したミサンガをロドリゴさんに渡すと、そのままゼップさんに渡した。
 それを受け取ったゼップさんは、部屋を出て行った。

 「後ほど、カウンターでお金を受け取るといいだろう」

 僕は静かに頷いた。
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