59 / 245
◇056◇効果絶大◎
しおりを挟む
「冒険者が君を襲ったって?!」
ジェスロさんが叫んだ。
父さんの事を知っているみたいだけど、知り合いだったのかはわからない。けど、冒険者なのは確かだ。
「冒険者の証のブレスレットをしていた。何か父さんが持っている物が欲しかったみたいだけど……。今朝家を訪ねて来た冒険者がいたって、母さんが言っていたからたぶんそいつらだと思う」
「怪我は、ないの?」
リゼタの問いに僕は頷いた。
「取りあえず中に入ろう。お母さんも森から戻らないって心配してるから」
「うん……」
「大丈夫。俺もいるから」
ジェスロさんの言葉に僕が頷いてドアを開けて、ただいまと中に入ればがばっと母さんに抱き着かれた。
「もう、心配したのよ」
「えっと、ごめん」
「もしかして、迷子になったの? モンスターに襲われた!?」
いえ、襲ってきたのは人間です……。しかも冒険者! さらに冒険者に襲われたのは二回目です!
「おばさん、大丈夫よ! この子ったらね、これ採るのに夢中になっていたみたいなの」
この子って何?! その子供扱いみたいな言い方!
リゼタは、安心させる為だと思うけど、僕が採取した小さなキノコが入った袋を掲げ見せた。
「……これは?」
「リゼタが、シチュー作ってくれるって言うからさ! それまばらに生えていて、探すのに戸惑ちゃって!」
本当は、群生してます! なので、本当は1分も採取にかかってないけどね!
「ありがとう」
僕は、目を潤ませる母さんに微笑みながら頷いた。
「じゃ、作るわね。おばさんは休んでいて。エジン手伝って!」
「おう! お前はおばさんについていてやれよ!」
「あぁ……」
あんな事言っちゃってるけど、本音はリゼタと二人で作りたいだけだろう。まあ今日は、大人しく食べたら帰るだろう。
そして明日からは僕は、ここから通えばいい。
「クテュール。俺は、ギルドに連絡を入れて来る。戻るまでここに入れよ」
ジェスロさんに言われ僕は頷いた。この人が居なくなるのは心細いけど、エジン達が居れば襲ってはこないだろう。たぶん……。
◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆
食事が終わり僕達は、ジェスロさんを待っていた。
ジェスロさんがギルドに向かってから一時間半近く経っている。きっと後一時間程で戻って来てくれるだろう。
じゃないと、この二人もここに泊まりそうな勢いだよ!
「何だか眠いわ」
「じゃ、もう休んだ方がいいわ」
そう言うと、リゼタはふらつく母さんを支え部屋へ連れて行く。
やばい! キノコが効いてきている。すっかり言うの忘れていたから、本来は一個でいいキノコを鍋に全部入れてしまっていた!
僕の皿にも一個入っていたけど、母さんにあげたから僕は食べてはいない。けどリゼタもエジンも食べていた!
「ぐがぁ~」
いびきが聞こえるとエジンを見ると、テーブルに顔を伏せ寝てしまっていた!
リゼタも戻ってこないと思ったら、母さんの部屋で寝ていた……。彼女には、毛布を掛けてやった。
はぁ……。これ、あの二人来たらやばくないか?
って、朝までぐっすりそうだな。
バタン!
そう思った時、リビングから大きな音が聞こえたのだった!
ジェスロさんが叫んだ。
父さんの事を知っているみたいだけど、知り合いだったのかはわからない。けど、冒険者なのは確かだ。
「冒険者の証のブレスレットをしていた。何か父さんが持っている物が欲しかったみたいだけど……。今朝家を訪ねて来た冒険者がいたって、母さんが言っていたからたぶんそいつらだと思う」
「怪我は、ないの?」
リゼタの問いに僕は頷いた。
「取りあえず中に入ろう。お母さんも森から戻らないって心配してるから」
「うん……」
「大丈夫。俺もいるから」
ジェスロさんの言葉に僕が頷いてドアを開けて、ただいまと中に入ればがばっと母さんに抱き着かれた。
「もう、心配したのよ」
「えっと、ごめん」
「もしかして、迷子になったの? モンスターに襲われた!?」
いえ、襲ってきたのは人間です……。しかも冒険者! さらに冒険者に襲われたのは二回目です!
「おばさん、大丈夫よ! この子ったらね、これ採るのに夢中になっていたみたいなの」
この子って何?! その子供扱いみたいな言い方!
リゼタは、安心させる為だと思うけど、僕が採取した小さなキノコが入った袋を掲げ見せた。
「……これは?」
「リゼタが、シチュー作ってくれるって言うからさ! それまばらに生えていて、探すのに戸惑ちゃって!」
本当は、群生してます! なので、本当は1分も採取にかかってないけどね!
「ありがとう」
僕は、目を潤ませる母さんに微笑みながら頷いた。
「じゃ、作るわね。おばさんは休んでいて。エジン手伝って!」
「おう! お前はおばさんについていてやれよ!」
「あぁ……」
あんな事言っちゃってるけど、本音はリゼタと二人で作りたいだけだろう。まあ今日は、大人しく食べたら帰るだろう。
そして明日からは僕は、ここから通えばいい。
「クテュール。俺は、ギルドに連絡を入れて来る。戻るまでここに入れよ」
ジェスロさんに言われ僕は頷いた。この人が居なくなるのは心細いけど、エジン達が居れば襲ってはこないだろう。たぶん……。
◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆
食事が終わり僕達は、ジェスロさんを待っていた。
ジェスロさんがギルドに向かってから一時間半近く経っている。きっと後一時間程で戻って来てくれるだろう。
じゃないと、この二人もここに泊まりそうな勢いだよ!
「何だか眠いわ」
「じゃ、もう休んだ方がいいわ」
そう言うと、リゼタはふらつく母さんを支え部屋へ連れて行く。
やばい! キノコが効いてきている。すっかり言うの忘れていたから、本来は一個でいいキノコを鍋に全部入れてしまっていた!
僕の皿にも一個入っていたけど、母さんにあげたから僕は食べてはいない。けどリゼタもエジンも食べていた!
「ぐがぁ~」
いびきが聞こえるとエジンを見ると、テーブルに顔を伏せ寝てしまっていた!
リゼタも戻ってこないと思ったら、母さんの部屋で寝ていた……。彼女には、毛布を掛けてやった。
はぁ……。これ、あの二人来たらやばくないか?
って、朝までぐっすりそうだな。
バタン!
そう思った時、リビングから大きな音が聞こえたのだった!
0
あなたにおすすめの小説
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる