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◇080◇力仕事は向きません

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 ふわぁ。眠い。
 僕は、朝ごはんのパンをかじりながらあくびばっかりしている。

 「ほどほどにしないと、体壊すよ」

 呆れたようにイラーノさんに言われてしまった。
 ついつい楽しくて、夜遅くまでチクチクしていた。お裁縫は楽しい!
 イラーノさんが、朝ごはんだと起こしてくれたので、頑張って起きたけど眠たい。
 食べたら寝たいけど、仕事を受けないと……。

 今日からギルドの依頼が復活した。
 昨日までは、無償で復興していたけど、冒険者も仕事をしないと暮らしていけない。だから今日からは、仕事として請け負うらしい。
 ナットスさんの話だと、安く引き受けるから☆二つの仕事になるだろうだって。

 食べ終わった僕らは、一階に降りた。
 まだ、エジンとリゼタは来ていない。本当は、外に出なければ別に一緒に行動もする必要もないと思うんだけどね。
 そう思いながら依頼を見ていたら、結構薬草の採取が出ている。
 僕的には、こっちの方がいいんだけど……。

 ちらっとイラーノさんを見ると、彼も依頼書を見ている。
 イラーノさんは、何故かため息をついた。

 「ため息って珍しいね」

 「……うん? あぁ、俺ってあまり力ないからさ。力仕事向いてないんだよね。でも今、街の中で探すとそっちになるでしょう?」

 「じゃさ、こっそり採取やらない?」

 「え!? 勝手に外出たら怒られるって!」

 「僕は別に怒られても……。だいたい、同じ冒険者なのに何で叱られないといけないんだ。僕も力仕事より採取の方が向いている。自分にあった仕事を選んでいるだけ。それに、僕には強い味方がいるからね」

 「強い味方ってモンスター?」

 僕はそうだと頷いた。
 効率的に言えば、採取の方がずっとお金になるし、誰かがやらないといけないんだし。

 「そういう訳で、僕は採取にするよ。ここにあるの全部」

 「全部!?」

 「大丈夫。今日一日でする訳じゃないから。納期が近いのからこなしていく。キャンセルってするもんじゃないんだろう? 受けちゃえばこっちのもん!」

 「君も凄い発想するね……。俺もって言いたいけど、採取はした事ないんだ」

 「そうなの?」

 「うん。ついていっても役にたたないけど。……それでもついていっていいかな?」

 やっぱり嫌なんだ力仕事。

 「じゃ、分け前は、2、8でいい?」

 「え?! 俺二割? せめて……三割下さい」

 「OK。じゃ、片っ端から!」

 「え! それ本気だったの? ねえ、☆見てる?」

 もう、イラーノさんも心配性だな。
 僕が代表で引き受けるから、イラーノさんには影響ありませんから。

 「じゃ、見つかる前にここでよう!」

 依頼を引き受けた僕達は、ギルドの建物から出た。
 やっと森に行ける!
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