【完結】モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる!

すみ 小桜(sumitan)

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◆111◆相棒

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 薬草の本に裁縫道具。それに着替えと布っと……。
 うーん。パンパンになった。まあ、最初からこれしか荷物ないし別にいいか。殆どが布だからそこまで重くないし。

 「それ持って行くの? 裁縫道具とか布とか……」

 イラーノさんの言葉に、うんと僕は頷いた。

 「いいなぁ。俺も何か余分な物を持って行きたいよ」

 余分な物って……。僕には必要な物なんだけど。
 話を聞き終えた僕達は、ここを出る為に準備をしていた。
 僕と違って数年ここにいたイラーノさんは、持って行く物の選定が大変そうだ。

 「ねえ、ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」

 突然、真顔になったイラーノさんが僕をジッと見て言った。

 「あ、うん。何?」

 「俺、本当の父親を捜したいんだ。手がかりはないけど……。あ、一年で見つからなかったら諦めるからさ。どうせなら何か目標を持った方がいいだろう? って、もしかして何か目的あった?」

 ロドリゴさん達からは、作戦が上手くいけば僕達はここにいてもいい。でも失敗して逃げ出せば、本当に追われる身になる。なので最初から冒険に出たとなれば問題ないだろう。そういう事らしい。
 だから一年ぐらいで戻ってくればいいっていう事に。

 本来冒険者は、一年間ぐらいでその後の人生を決めるらしい。
 自分が冒険者に向かないと思ったらそれこそ道具屋などに勤める。その時レベル3ぐらいになっていれば、信用に足りると雇ってくれるみたい。
 冒険者として頑張って、レベル5以上になって商売を始める人もいる。
 勿論そのままずっと、冒険者を選ぶ者もいる。

 たまに一年経たなくても旅立つ者もいて、大きな街に憧れて行くらしいけど。
 そういう所は、依頼も豊富でモンスター退治も普通にあるらしい。
 僕らは、憧れて街を出て行く為に血ユリを採取。それが出来たら大丈夫だろうという事で、僕達は送り出された――。って事になっている。

 僕も目標はある。
 イラーノさんとは違うけど、最終的には同じかもしれない目標。どうしてイラーノさんを預かったのか。本当にエルフと会っていたのか。それを知りたい。でも一年で出来るかなってところだけど。

 「あるよ。父さんとイラーノさんとの出会い。それを僕は知りたい。だからイラーノさんの父親を探し出して、聞く事になると思うから」

 「クテュール。ありがとう」

 「まずは、楽園を探そう! そして、僕もモンスターから話を聞く!」

 「あぁ! なるほど!」

 イラーノさんは、その手があったかと頷いた。
 なんと言うかイラーノさんって、他の人よりモンスターとの事に理解あるよね。

 「そうそう。俺の事呼び捨てでいいよ。俺達相棒なんだし」

 「え?」

 「対等って事。歳は関係ないって事」

 「わかった。イラーノ。改めて宜しく」

 「こちらこそ」

 僕達は自然に握手を交わしていた。
 トントントン。
 握手をしていると、ドアがノックされた。

 「はい。開いてます」

 「失礼する」

 イラーノが返事をすると、ダイドさんが入って来てパタンとドアを閉める。

 「準備はどうだ?」

 「あ、僕は終わりました」

 「俺は、後ちょっとかな?」

 「そうか。突然の事だし君達は戦えないから盗賊には気を付けろよ」

 僕達は顔を見合わせた。
 モンスターに襲われる事はないから大丈夫だと思っていたけど、人間が襲ってくる事もあるんだった!

 「商人じゃないけど襲って来るの?」

 イラーノが聞くと、ダイドさんは頷く。

 「盗賊のほとんどは、冒険者として生活していけなくレベルも上がらなかった奴らが多い。君達は、若いから逆に狙われるんだ。有能なのかもってな。特に剣を下げていなければ、魔法や鑑定のスキル持ちだと思われる」

 「え!? 逆恨みで殺されるって事!?」

 僕が驚くと違うとダイドさんは、首を横に振った。

 「他国に売りつけるんだ。鑑定師の者は普通は鑑定しかできない。ヒーラーも攻撃魔法を使えない事の方が多い」

 ダイドさんの説明に、自分も使えないとイラーノが頷く。

 「攻撃魔法だって、封じるアイテムがあれば封じられる。捕まえてそう言う者達を欲しがる者に売るらしい。剣士などは、従えさせるのが難しいから襲ってこない。でだ、これはダミーの剣だ。俺からの餞別だ。ダミーと言っても本物の剣だ」

 「え! これ下げて歩くの?」

 僕が聞くと、ダイドさんはそうだと頷いた。
 ロドリゴさん達が下げている剣よりは、短めだけど歩くのに邪魔そう。でも襲われるのは嫌だからつけるかな……。

 「ありがとうございます」

 僕達はお礼を言って剣を受け取った。
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