114 / 245
◆111◆相棒
しおりを挟む
薬草の本に裁縫道具。それに着替えと布っと……。
うーん。パンパンになった。まあ、最初からこれしか荷物ないし別にいいか。殆どが布だからそこまで重くないし。
「それ持って行くの? 裁縫道具とか布とか……」
イラーノさんの言葉に、うんと僕は頷いた。
「いいなぁ。俺も何か余分な物を持って行きたいよ」
余分な物って……。僕には必要な物なんだけど。
話を聞き終えた僕達は、ここを出る為に準備をしていた。
僕と違って数年ここにいたイラーノさんは、持って行く物の選定が大変そうだ。
「ねえ、ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」
突然、真顔になったイラーノさんが僕をジッと見て言った。
「あ、うん。何?」
「俺、本当の父親を捜したいんだ。手がかりはないけど……。あ、一年で見つからなかったら諦めるからさ。どうせなら何か目標を持った方がいいだろう? って、もしかして何か目的あった?」
ロドリゴさん達からは、作戦が上手くいけば僕達はここにいてもいい。でも失敗して逃げ出せば、本当に追われる身になる。なので最初から冒険に出たとなれば問題ないだろう。そういう事らしい。
だから一年ぐらいで戻ってくればいいっていう事に。
本来冒険者は、一年間ぐらいでその後の人生を決めるらしい。
自分が冒険者に向かないと思ったらそれこそ道具屋などに勤める。その時レベル3ぐらいになっていれば、信用に足りると雇ってくれるみたい。
冒険者として頑張って、レベル5以上になって商売を始める人もいる。
勿論そのままずっと、冒険者を選ぶ者もいる。
たまに一年経たなくても旅立つ者もいて、大きな街に憧れて行くらしいけど。
そういう所は、依頼も豊富でモンスター退治も普通にあるらしい。
僕らは、憧れて街を出て行く為に血ユリを採取。それが出来たら大丈夫だろうという事で、僕達は送り出された――。って事になっている。
僕も目標はある。
イラーノさんとは違うけど、最終的には同じかもしれない目標。どうしてイラーノさんを預かったのか。本当にエルフと会っていたのか。それを知りたい。でも一年で出来るかなってところだけど。
「あるよ。父さんとイラーノさんとの出会い。それを僕は知りたい。だからイラーノさんの父親を探し出して、聞く事になると思うから」
「クテュール。ありがとう」
「まずは、楽園を探そう! そして、僕もモンスターから話を聞く!」
「あぁ! なるほど!」
イラーノさんは、その手があったかと頷いた。
なんと言うかイラーノさんって、他の人よりモンスターとの事に理解あるよね。
「そうそう。俺の事呼び捨てでいいよ。俺達相棒なんだし」
「え?」
「対等って事。歳は関係ないって事」
「わかった。イラーノ。改めて宜しく」
「こちらこそ」
僕達は自然に握手を交わしていた。
トントントン。
握手をしていると、ドアがノックされた。
「はい。開いてます」
「失礼する」
イラーノが返事をすると、ダイドさんが入って来てパタンとドアを閉める。
「準備はどうだ?」
「あ、僕は終わりました」
「俺は、後ちょっとかな?」
「そうか。突然の事だし君達は戦えないから盗賊には気を付けろよ」
僕達は顔を見合わせた。
モンスターに襲われる事はないから大丈夫だと思っていたけど、人間が襲ってくる事もあるんだった!
「商人じゃないけど襲って来るの?」
イラーノが聞くと、ダイドさんは頷く。
「盗賊のほとんどは、冒険者として生活していけなくレベルも上がらなかった奴らが多い。君達は、若いから逆に狙われるんだ。有能なのかもってな。特に剣を下げていなければ、魔法や鑑定のスキル持ちだと思われる」
「え!? 逆恨みで殺されるって事!?」
僕が驚くと違うとダイドさんは、首を横に振った。
「他国に売りつけるんだ。鑑定師の者は普通は鑑定しかできない。ヒーラーも攻撃魔法を使えない事の方が多い」
ダイドさんの説明に、自分も使えないとイラーノが頷く。
「攻撃魔法だって、封じるアイテムがあれば封じられる。捕まえてそう言う者達を欲しがる者に売るらしい。剣士などは、従えさせるのが難しいから襲ってこない。でだ、これはダミーの剣だ。俺からの餞別だ。ダミーと言っても本物の剣だ」
「え! これ下げて歩くの?」
僕が聞くと、ダイドさんはそうだと頷いた。
ロドリゴさん達が下げている剣よりは、短めだけど歩くのに邪魔そう。でも襲われるのは嫌だからつけるかな……。
「ありがとうございます」
僕達はお礼を言って剣を受け取った。
うーん。パンパンになった。まあ、最初からこれしか荷物ないし別にいいか。殆どが布だからそこまで重くないし。
「それ持って行くの? 裁縫道具とか布とか……」
イラーノさんの言葉に、うんと僕は頷いた。
「いいなぁ。俺も何か余分な物を持って行きたいよ」
余分な物って……。僕には必要な物なんだけど。
話を聞き終えた僕達は、ここを出る為に準備をしていた。
僕と違って数年ここにいたイラーノさんは、持って行く物の選定が大変そうだ。
「ねえ、ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」
突然、真顔になったイラーノさんが僕をジッと見て言った。
「あ、うん。何?」
「俺、本当の父親を捜したいんだ。手がかりはないけど……。あ、一年で見つからなかったら諦めるからさ。どうせなら何か目標を持った方がいいだろう? って、もしかして何か目的あった?」
ロドリゴさん達からは、作戦が上手くいけば僕達はここにいてもいい。でも失敗して逃げ出せば、本当に追われる身になる。なので最初から冒険に出たとなれば問題ないだろう。そういう事らしい。
だから一年ぐらいで戻ってくればいいっていう事に。
本来冒険者は、一年間ぐらいでその後の人生を決めるらしい。
自分が冒険者に向かないと思ったらそれこそ道具屋などに勤める。その時レベル3ぐらいになっていれば、信用に足りると雇ってくれるみたい。
冒険者として頑張って、レベル5以上になって商売を始める人もいる。
勿論そのままずっと、冒険者を選ぶ者もいる。
たまに一年経たなくても旅立つ者もいて、大きな街に憧れて行くらしいけど。
そういう所は、依頼も豊富でモンスター退治も普通にあるらしい。
僕らは、憧れて街を出て行く為に血ユリを採取。それが出来たら大丈夫だろうという事で、僕達は送り出された――。って事になっている。
僕も目標はある。
イラーノさんとは違うけど、最終的には同じかもしれない目標。どうしてイラーノさんを預かったのか。本当にエルフと会っていたのか。それを知りたい。でも一年で出来るかなってところだけど。
「あるよ。父さんとイラーノさんとの出会い。それを僕は知りたい。だからイラーノさんの父親を探し出して、聞く事になると思うから」
「クテュール。ありがとう」
「まずは、楽園を探そう! そして、僕もモンスターから話を聞く!」
「あぁ! なるほど!」
イラーノさんは、その手があったかと頷いた。
なんと言うかイラーノさんって、他の人よりモンスターとの事に理解あるよね。
「そうそう。俺の事呼び捨てでいいよ。俺達相棒なんだし」
「え?」
「対等って事。歳は関係ないって事」
「わかった。イラーノ。改めて宜しく」
「こちらこそ」
僕達は自然に握手を交わしていた。
トントントン。
握手をしていると、ドアがノックされた。
「はい。開いてます」
「失礼する」
イラーノが返事をすると、ダイドさんが入って来てパタンとドアを閉める。
「準備はどうだ?」
「あ、僕は終わりました」
「俺は、後ちょっとかな?」
「そうか。突然の事だし君達は戦えないから盗賊には気を付けろよ」
僕達は顔を見合わせた。
モンスターに襲われる事はないから大丈夫だと思っていたけど、人間が襲ってくる事もあるんだった!
「商人じゃないけど襲って来るの?」
イラーノが聞くと、ダイドさんは頷く。
「盗賊のほとんどは、冒険者として生活していけなくレベルも上がらなかった奴らが多い。君達は、若いから逆に狙われるんだ。有能なのかもってな。特に剣を下げていなければ、魔法や鑑定のスキル持ちだと思われる」
「え!? 逆恨みで殺されるって事!?」
僕が驚くと違うとダイドさんは、首を横に振った。
「他国に売りつけるんだ。鑑定師の者は普通は鑑定しかできない。ヒーラーも攻撃魔法を使えない事の方が多い」
ダイドさんの説明に、自分も使えないとイラーノが頷く。
「攻撃魔法だって、封じるアイテムがあれば封じられる。捕まえてそう言う者達を欲しがる者に売るらしい。剣士などは、従えさせるのが難しいから襲ってこない。でだ、これはダミーの剣だ。俺からの餞別だ。ダミーと言っても本物の剣だ」
「え! これ下げて歩くの?」
僕が聞くと、ダイドさんはそうだと頷いた。
ロドリゴさん達が下げている剣よりは、短めだけど歩くのに邪魔そう。でも襲われるのは嫌だからつけるかな……。
「ありがとうございます」
僕達はお礼を言って剣を受け取った。
1
あなたにおすすめの小説
荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。
しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。
しかし――
彼が切り捨てた仲間こそが、
実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。
事実に気づいた時にはもう遅い。
道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。
“荷物持ちがいなくなった瞬間”から、
アレクスの日常は静かに崩壊していく。
短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。
そんな彼と再び肩を並べることになったのは――
美しいのに中二が暴走する魔法使い
ノー天気で鈍感な僧侶
そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー
かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。
自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。
これは、
“間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる”
再生の物語である。
《小説家になろうにも投稿しています》
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
レンタル従魔始めました!
よっしぃ
ファンタジー
「従魔のレンタルはじめました!」
僕の名前はロキュス・エルメリンス。10歳の時に教会で祝福を受け、【テイム】と言うスキルを得ました。
そのまま【テイマー】と言うジョブに。
最初の内はテイムできる魔物・魔獣は1体のみ。
それも比較的無害と言われる小さなスライム(大きなスライムは凶悪過ぎてSランク指定)ぐらいしかテイムできず、レベルの低いうちは、役立たずランキングで常に一桁の常連のジョブです。
そんな僕がどうやって従魔のレンタルを始めたか、ですか?
そのうち分かりますよ、そのうち・・・・
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる