【完結】モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる!

すみ 小桜(sumitan)

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◇116◇加護の力

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 僕は、布と裁縫道具を取り出す。
 まず布を5センチ幅ぐらいに切って、両端を中心に折る。そして、折った布を挟む様に中心でまた半分に折って、それの端を縫って一本の紐を作る。
 後は、同じように作った紐三本で三つ編みをして出来上がり!

 ジーンは、水色、灰色、茶色の三色。
 リリンは、薄桃色、濃桃色、黄緑色の三色。
 それぞれを首に付けてあげた。
 あぁ、ちょっと紐が細かったかな? リリンは見えるけど、ジーンは毛に隠れちゃった。

 「でもまあ、リリンは可愛いね」

 『私は、何でも似合うのよ! ありがとう』

 『ありがとう。クテュール』

 「うん? 出来たの? ……え!?」

 本から顔を上げてこっちを見たイラーノは、驚いている。
 もしかして、変だった?

 「えぇ!!」

 「変だった!?」

 「変って! 凄いよ! きっとこれなら大丈夫だよ!」

 「そ、そう。ありがとう」

 あまり大袈裟に反応しないでほしい。変なのかと思ったよ。

 「クテュールって凄いね! どう見ても大型犬と白ウサギにしか見えないよ!」

 うん? 犬とウサギ?

 「え? どういう意味?」

 「どういうって……。え? クテュールには、普通に見えているの?」

 そう言って何故か帽子を取った。
 一体、何をしているんだろう?

 「やっぱりそっちか。ねえ、リリンの首に付けたの解いてみてくれない?」

 「え? なんで?」

 「うーん? 検証?」

 検証って何の検証? そう思いつつも解く。
 イラーノは頷いた。

 「やっぱり! それ付けると動物に見えるんだ! リリンは、白ウサギに見えて、ジーンは大型犬の灰色犬!」

 「えぇ!? 動物!? なんで!?」

 「いや君が作った物だからでしょ?」

 え……。
 嬉しいけど、鑑定スキルがないから装備するまで効力がわからないって事だよね。凄いのついちゃった。
 始めて加護がありがたいって思ったよ。
 よかった。これで、リリンとジーンは連れていける!
 でも裁縫は気を付けないといけないかもしれない。どんな効果がつくかわからないから自分用じゃないと。
 あぁ、鑑定スキルがほしい!

 「ねえ、リリン。ジーン。もし僕が、一緒に旅について来て欲しいっていったらどうする?」

 『ついて行ってあげるわよ』

 『もちろん、行くさ!』

 聞くまでもなかった。ジーンなんて、尻尾ちぎれんばかりに振っている。

 「よかったね。俺の言葉は通じないけど、やっぱり何を言っているかわかるっていいね!」

 イラーノも賛成してくれるみたい。
 後は、キュイに許可を取るだけだ。

 「キュイ。二人を同行させてもいい? 森から離れる事になるけど」

 『二人がいいと言っているので構わない。それと、いつでもここに戻って来るがいい。待っている』

 「うん! 必ず会いに来るね!」

 『本当ならついて行きたいが私は行けない。二人共クテュールとその少年と仲良くするように』

 『大丈夫だ』

 『もちろんよ』

 「うーん。俺の名前、憶えられてないんだ……」

 ちょっと寂しそうにイラーノが言った。

 「えっと。彼はイラーノって言うんだ」

 「あ、紹介してくれてありがとう。ねえ、ところでさ、ジーンを撫でていい?」

 「え? 撫でたいの?」

 僕の問いに、イラーノはこくんと頷いた。
 前は、リリンを撫でるだけで精一杯って言っていたのに……。

 「たぶん、大丈夫だと思うけど」

 「やったぁ!」

 やったぁって……。
 イラーノは、撫でると言うよりは、抱き着くに近い感じで密着している。
 一体何なんだ?

 『……どうしたんだ。この者は』

 ジーンも戸惑っている。

 「いやぁだって。犬にしか見えないからさ。俺、犬大好きなんだよねぇ。いやぁ、犬だと思うと全然平気! それどころかもう可愛くて仕方がない!」

 イラーノって、動物好きだったんだ。だからリリンも意外と平気だったのか。
 それにしてもこの変わりよう。本当に、犬に見えているんだ。

 「何で僕は、犬に見えないんだろう?」

 「何でだろうね? 可能性としては、アイテムをつけてあげたから。または、テイマーだから。あ! 製作者だからって言うのもあるかも!」

 「つけてやった以外のだと、僕には犬に見えているか確認のしようがないって事か。紐がついていれば、大丈夫なんだろうけど」

 「あ、そっか! その時は、俺が教えるよ」

 「うん」

 まあ、それしかないよね。
 でも仲良くやっていけそうでよかった。
 ……ちょっと複雑かなぁ。

 「僕も撫でる!」

 リリンを抱いたまま、イラーノの反対側からジーンに抱き着いて僕も撫でた。
 ジーンも嬉しそうに目を瞑る。

 『私も!』

 リリンがそう言うので、撫でてあげる。

 『ちょっとあなた何!?』

 「え~!? 俺は撫でたらダメなの!?」

 イラーノがリリンに手を伸ばすと、キッとリリンは睨んだ。
 リリンは、僕以外嫌みたいだ。前は、OKしてくれたのにね。
 残念そうに、イラーノはリリンを見ている。

 「あぁ。白ウサギちゃんに嫌われた……」

 白ウサギちゃんって……。
 いや、リリンは青紫色が似合ってる。
 僕には、二人が今まで通りに見えていてよかった。
 うん。ジーンも犬よりオオカミのほうがお似合いだ。
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