【完結】モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる!

すみ 小桜(sumitan)

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◇168◇可能性はゼロではない

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 はぁ……。
 僕は、大きなため息をついた。
 アベガルさんにあんな事言って、三人を解放しちゃったけど正しかったんだよね?
 イラーノと二人で逃げても追われるのは同じだし。

 「これからどうしよう……」

 『主様。ご提案があります』

 僕が呟くと、ルイユが言った。

 「えっと……出来れば円満な解決法だったらいいんだけど」

 『残念ながらそれは無理でしょう。この二人が、人間を襲ってしまってますからね』

 あぁ、そうだった。
 オスダルスさんとボールウィンツさんは、捕まれば牢獄行き決定だった。

 『そこで、二人に背負って頂きましょう』

 「え? いや、無理でしょう」

 どうやって全部彼らのせいにするかわからないけど、恨みしか買わないと思う。

 「ふん。全部俺達のせいにするってっか?」

 『俺達のせいにと言いますが、あなたたちのせいではありませんか。あなた達が襲ってこなければ、こうなっておりません』

 「っく」

 悔しそうにオスダルスさんが、ルイユを睨む。
 確かにルイユの言う通り、襲ってなければ何も起こってない。
 まあ逆に言えば、ここも発見出来てなかったかもしれないけど。

 『あと勘違いをなさっているようなので、もし万が一の為に伝えておきます。歴史に刻んでおいてください。子を宿した時にもう主様になる権利はありません。つまり今回で言えば、イラーノを殺した所で何も変わらなかったのです』

 「え……俺達は、無駄な事をしていたって事か?」

 オスダルスさんが、愕然として言った。

 『そうです。新しく主様に選ばれたのが、クテュールなのです。条件をクリアした主様は、チュトラリーになったのです』

 「それって、僕がこの世界で生まれた時からもう決まっていたって事?」

 『正確には違いますが、たがえる事が無い限り決定事項です』

 違える……それって、ジュダーノさんがやったような事か?

 「なんて事だ……では、我々は無駄な事をしていたというのか」

 カゲイケセさんも項垂れてしまった。
 何か凄くいたたまれないんだけど。

 「俺が全部背負います! ですから許して下さい」

 ジュダーノさんが、ガバッと僕達に頭を下げた。

 『許してとか私達に言われても困ります』

 「で、作戦ってどんなのだよ」

 驚く事にオスダルスさんが聞いた。

 「ねえ、ルイユ。その前にさ、エルフの皆を救えない?」

 『私は別に貶める様な作戦は考えていませんが?』

 「あ、いやそうじゃなくて、エルフの数ってどんどん減っているんだよね? だからこうやって何とかしようとしているんだよね?」

 『その為に加護をもらって繁栄させていたのですよ。まあ稀に、そういう加護を受けなかったエルフもおりますが。前にもいいましたが、やりようだと思われます。もしかしたら主様の加護でも可能な事はあるかもです』

 ルイユがそう言うと、皆が僕に注目した。
 僕がそう言ったから返ってきた答えだけど、僕の加護でどうすれと!

 「あ、女性の出生率を上げるミサンガでも作ったら?」

 「え……出来るのそんな事?」

 イラーノの提案に僕が聞くと、さあっとイラーノは首を傾げる。

 「そこまで限定は無理でしょう。ですが、出生率を上げる事は可能かもしれません。しかし、そこまでする必要はないと思われますが?」

 まあそうだけど、よく考えれば僕は何も悪くない。
 でも父さんドドイの子として生まれた僕が、チュトラリーになったのにはきっとわけがあるに違いない。
 別に全然接点のない人物の子として生まれてもいいのだから。

 「僕の加護が使えるならやってみたい」

 『そうですか。たぶん、今までの様に作るだけでは出来ないと思われます。歴代の主様チュトラリーの力が宿った物を手に入れて、それを使って行うと宜しいかと。ただし普通は、主様が亡くなれば加護も消えます。なので、処分されているかと』

 「それが残っていれば何とかなるって事?」

 『はい。それに残っている魔力を使えば』

 可能性はゼロではない。
 でもなぁ。これ絶対にエルフの協力が必要だよね……。

 「わかったチュトラリーが作ったマジックアイテムを探せばいいんだな?」

 カゲイケセさんがそう言うと、ルイユはそうだと頷いた。

 「では我々が、仲間のエルフ達に伝えよう。こんなお願いが出来る立場ではないが、どうかよろしくお願いします」

 カゲイケセさんが、頭を下げると全員頭を下げ驚いた。
 出会った時とは、大違い。
 でも、わかり合えてよかった。

 『では、少し変更をしますが作戦をお聞かせします』

 あ、作戦は、行うのね……。
 皆、真剣な顔つきでルイユに頷いた。
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