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◆185◆僕達の決意
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キュイの所から戻って来た僕は、ほとんど寝る事ができないまま、走る時間になった。
「ふらふらだけど大丈夫?」
イラーノ問いに僕は頷く。
リゼタは、僕達が体力づくりをしてから街を出て行くとわかったのか、今日は来ていない。
「ねえ、今日朝ごはん食べたら母さんに会いに行こうと思うんだけど、一緒に来ない?」
「え? 俺も行っていいの?」
「そしてそのまま出よう。リゼタに見つかる前に……」
「あぁ。なるほど」
なんとか走り終わると、僕はロドリゴさんに話掛けた。
「あの、僕、今日これから母さんの所に行ってきます。そして、そのまま……いいでしょうか」
「もうか……」
少し寂しそうな顔つきになった。
ロドリゴさんは、チラッとイラーノ見る。
「イラーノは、知ってるのか?」
「一緒に行きます。って、本当に連れて行っていいんですか?」
座って休んでいるイラーノを見て、ロドリゴさんは頷く。
「イラーノも大人だ。私が口を出す事ではないだろう。それに、君とは馬が合いそうだ。何かあったら今度は牢に入れられる前に、私の名を出しなさい。余程でなければ、牢に入れられる事もないだろう」
「わかりました」
僕は、頷く。
「お父さん」
イラーノが僕の隣に来ていた。
「俺、お父さんみたいに強くなるから。剣は無理だろうけど、何か自分で出来る事を見つけて来るよ」
「あぁ。楽しみに待っている」
何か羨ましいな。
もし父さんが生きていたら、僕はきっと何も出来なくても普通に冒険者になっていたんだろうな。
でもそうしたら、キュイとも出会ってなくてテイマーにはなっていなかったかもしれない。
「さあ、朝食のパンを食べに戻ろうか」
イラーノは、嬉しそうにそう言うと、ギルドに向かって歩き出す。
「イラーノの事を頼むな」
「はい。って言いたいけど、イラーノの方がしっかりしてます」
僕がそう返すと、そうかとロドリゴさんは嬉しそうに頷いた。
◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆
僕の故郷、レッド村についた。
馬車から降りた僕は、ルイユを地面に下ろす。馬車に乗っている間は、僕が抱っこしていた。リュックに入れようと思ったんだけど拒否され仕方なく……。
ここで馬車から降りたのは、僕達二人と剣の修行の時に僕達を陰から見ていた男だ。
どうやら彼は、僕達を見張っているみたい。
あの男は、この村の者じゃないからね。
他に僕達をつけてないようだし、アベガルさんの仲間なのかな?
「ただいま」
「クテュール!」
「わぁ!」
ドアを開けた僕に、母さんは抱き着いた。
「ちょ……母さん、離して!」
「よかった。元気そうで。あら?」
僕を離した母さんは、イラーノに気がつき驚いた顔をしている。
「初めまして。俺は、イラーノと言います」
「お、女の子よね?」
「男だよ」
「こんな綺麗な男の子っているのね」
「ありがとうございます」
ニッコリ微笑んで、イラーノは言った。
「さあ、どうぞ」
「ねえ、母さん。父さんの敵取ったよ……」
母さんは、驚いて僕に振り向く。
今日は、これを報告したかった。
「父さんを騙し、モンスターがいる場所におびき寄せた奴を捕まえたから」
「え?」
「ねえ、知ってた? 父さん、ここら辺では英雄なんだよ」
「え、英雄……?」
僕は頷いた。
「僕、父さんの様にはなれないかもしれないけど、冒険者を続けてみようと思うんだ。それでしばらくは、イラーノと一緒に色んな場所に行ってみるつもり」
「え……」
母さんは、泣きそうな顔つきになる。
今度は、本当にずっと戻ってこれない。危険も伴うかもしれないからだ。
「母さん、僕は父さんの子だよ。大丈夫。気が済んだら戻って来るからさ。安心して待っていて」
「そうね。英雄の子なんだものね」
「うん!」
僕は、力強く頷いた。
お昼を食べた僕達は、村を出て馬車で東へ向かう。ジュダーノさん達の元へ行く為だ。何とかして尾行を巻かなくては。
でもこのバレバレの尾行は、ワザとなのだろうか?
僕達と一緒に村で下りて、また一緒に乗って来た。流石にばれるだろうに……。
「ねえ、街に寄るの?」
イラーノが聞いて来た。
たぶん街とは、ロドリゴさんがいるノラノラシチ街ではなく、アベガルさんがいるモイクナチ街の事だと思う。僕は頷いた。
「マドラーユさんの所に行こう」
「え? いいけど」
せめてどちらかが、ジュダーノさんの所に行ってエルフがいる他の場所を教えてもらわないといけないからね。
何とか彼女に協力してもらおう。
「ふらふらだけど大丈夫?」
イラーノ問いに僕は頷く。
リゼタは、僕達が体力づくりをしてから街を出て行くとわかったのか、今日は来ていない。
「ねえ、今日朝ごはん食べたら母さんに会いに行こうと思うんだけど、一緒に来ない?」
「え? 俺も行っていいの?」
「そしてそのまま出よう。リゼタに見つかる前に……」
「あぁ。なるほど」
なんとか走り終わると、僕はロドリゴさんに話掛けた。
「あの、僕、今日これから母さんの所に行ってきます。そして、そのまま……いいでしょうか」
「もうか……」
少し寂しそうな顔つきになった。
ロドリゴさんは、チラッとイラーノ見る。
「イラーノは、知ってるのか?」
「一緒に行きます。って、本当に連れて行っていいんですか?」
座って休んでいるイラーノを見て、ロドリゴさんは頷く。
「イラーノも大人だ。私が口を出す事ではないだろう。それに、君とは馬が合いそうだ。何かあったら今度は牢に入れられる前に、私の名を出しなさい。余程でなければ、牢に入れられる事もないだろう」
「わかりました」
僕は、頷く。
「お父さん」
イラーノが僕の隣に来ていた。
「俺、お父さんみたいに強くなるから。剣は無理だろうけど、何か自分で出来る事を見つけて来るよ」
「あぁ。楽しみに待っている」
何か羨ましいな。
もし父さんが生きていたら、僕はきっと何も出来なくても普通に冒険者になっていたんだろうな。
でもそうしたら、キュイとも出会ってなくてテイマーにはなっていなかったかもしれない。
「さあ、朝食のパンを食べに戻ろうか」
イラーノは、嬉しそうにそう言うと、ギルドに向かって歩き出す。
「イラーノの事を頼むな」
「はい。って言いたいけど、イラーノの方がしっかりしてます」
僕がそう返すと、そうかとロドリゴさんは嬉しそうに頷いた。
◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆
僕の故郷、レッド村についた。
馬車から降りた僕は、ルイユを地面に下ろす。馬車に乗っている間は、僕が抱っこしていた。リュックに入れようと思ったんだけど拒否され仕方なく……。
ここで馬車から降りたのは、僕達二人と剣の修行の時に僕達を陰から見ていた男だ。
どうやら彼は、僕達を見張っているみたい。
あの男は、この村の者じゃないからね。
他に僕達をつけてないようだし、アベガルさんの仲間なのかな?
「ただいま」
「クテュール!」
「わぁ!」
ドアを開けた僕に、母さんは抱き着いた。
「ちょ……母さん、離して!」
「よかった。元気そうで。あら?」
僕を離した母さんは、イラーノに気がつき驚いた顔をしている。
「初めまして。俺は、イラーノと言います」
「お、女の子よね?」
「男だよ」
「こんな綺麗な男の子っているのね」
「ありがとうございます」
ニッコリ微笑んで、イラーノは言った。
「さあ、どうぞ」
「ねえ、母さん。父さんの敵取ったよ……」
母さんは、驚いて僕に振り向く。
今日は、これを報告したかった。
「父さんを騙し、モンスターがいる場所におびき寄せた奴を捕まえたから」
「え?」
「ねえ、知ってた? 父さん、ここら辺では英雄なんだよ」
「え、英雄……?」
僕は頷いた。
「僕、父さんの様にはなれないかもしれないけど、冒険者を続けてみようと思うんだ。それでしばらくは、イラーノと一緒に色んな場所に行ってみるつもり」
「え……」
母さんは、泣きそうな顔つきになる。
今度は、本当にずっと戻ってこれない。危険も伴うかもしれないからだ。
「母さん、僕は父さんの子だよ。大丈夫。気が済んだら戻って来るからさ。安心して待っていて」
「そうね。英雄の子なんだものね」
「うん!」
僕は、力強く頷いた。
お昼を食べた僕達は、村を出て馬車で東へ向かう。ジュダーノさん達の元へ行く為だ。何とかして尾行を巻かなくては。
でもこのバレバレの尾行は、ワザとなのだろうか?
僕達と一緒に村で下りて、また一緒に乗って来た。流石にばれるだろうに……。
「ねえ、街に寄るの?」
イラーノが聞いて来た。
たぶん街とは、ロドリゴさんがいるノラノラシチ街ではなく、アベガルさんがいるモイクナチ街の事だと思う。僕は頷いた。
「マドラーユさんの所に行こう」
「え? いいけど」
せめてどちらかが、ジュダーノさんの所に行ってエルフがいる他の場所を教えてもらわないといけないからね。
何とか彼女に協力してもらおう。
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