200 / 245
◆197◆裏切り
しおりを挟む
「離せよ!」
「大人しくしろ!」
イラーノが抵抗するも賊の方が力があり逃げられない。幸いなのは、女だと思っているから今の所殺されない事だ。
凄いスピードで、ルイユはイラーノに近づく。
ドカ!
「ぐわぁ」
「うわぁ」
ルイユに思いっきり蹴られ賊は吹っ飛ぶ。掴まれていたイラーノも引っ張られるもルイユが掴んだのか一緒には吹っ飛ばなかった。
ホッと一安心だ。
「腕、いた……。ルイユありがとう」
痛めた腕にヒールしようとイラーノが、自分の腕に手を持って行った時だった。イラーノが一瞬光に包まれる。それと同時に、僕の背中に激痛が走った!
僕は、前にうつ伏せに倒れる――。
「え? 何? なんでヒール……」
『主様!』
二人の声が聞こえた。目だけで何とか僕の後ろを見ると、賊の男が立っていた。
その賊が持つ剣は、血が滴っている。
「さて、何が入ってるかな?」
横に置いてあったリュックに賊が手を伸ばす。
僕達は、外套を羽織ったまま馬車に乗っていた為、リュックは手に持ち走っていた。
「ぐわぁ!」
リュックを手にする前に、賊は吹っ飛んだ!
『主様! しっかりして下さい』
「はぁはぁ。え? クテュール……」
イラーノも走って、僕の元へ来た。
「あ……ヒール!」
僕の横に来てイラーノがヒールを掛けてくれた――。
「……なんで? ヒール! なんで、効かないの!」
『魔法無効でキャンセルされているんです!』
「どいて! ヒール!」
どうやらルイユは、人の姿になったみたいだ。
ここにアベガルさんが現れたらまずいな。って、そんなところじゃないか……。
どうやらルイユのヒールも効かないみたいだ。
何か、頭がもうろうとしてきた。
「私のでもダメですか!」
「そんな、どうするんだ!」
「主様! 気をしっかり持って下さい。ミサンガを外して! それは、着けた者か着けている本人にしか外せません! 聞こえてますか?」
ルイユの焦った声が聞こえる。
僕は、何とか手を動かそうとするも背中に激痛が走った。
「う……はぁはぁ」
「主様! お願いします。ミサンガを外して! あなたが作る物は性能がいいので、私でも壊せないのです」
壊せない? ただの布なのに……。
「クテュール。頑張って! それ外したらヒールするから!」
イラーノも叫んでいる。
どっちかわからないけど、僕の手を掴んでミサンガの所に持って行ってくれた。でも、手に力を入れようとすると背中に激痛が走って、ミサンガを掴むのさえ苦痛だ。
まさか自分が作ったマジックアイテムで追い詰められて、こんな目に遭うとは思わなかった。
ダメだ……意識が遠のいて行く――。
「お願いです! 気を失わないで!」
ルイユの悲痛な声が遠のいて行った――。
◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆
背中が痛いなんで? あぁそうだ。僕、背中を斬られたんだった。あれ? 僕、生きてるの?
「よかった目を覚ましたんだね? 起きて早々で悪いけど、ミサンガを外せる?」
イラーノが、僕を覗き込み言った。
手は、気を失う前と同じ状態だ。ミサンガを掴むと、背中に激痛が走る。でも、何とか耐えられる。麻痺しているのかもしれない。
そして、やっとミサンガを外せた。
「はぁはぁ……ル、ルイユは?」
「ちょっと待って。先にヒールを……」
そう言ったイラーノは、ふと後ろを振り向いた。
「うわぁ! ちょ、ルイユ!」
驚く事にルイユが、イラーノを襲った!
振り向かなければ、ルイユに背中を刺されていただろう。どうなってるの?
左腕を斬られたイラーノは、右手で押さえている。押さえているけど、血が流れているから傷は深いかもしれない。
「待って! ルイユ! もうミサンガ取れ……うわぁ」
ルイユが問答無用とイラーノを刺した大きめのナイフを振り上げた!
「ルイユ! 止めて!」
僕は叫んだ!
けど、ナイフは振り下ろされる!
カキン!
「どうなっている!? なぜルイユがお前達を襲う!」
ルイユが振り下ろしたナイフを受け止めたのは、アベガルさんだ。
「おや、他の者を倒しましたか」
ドサ!
イラーノが倒れた!
僕の横に倒れたイラーノは、顔色が真っ青だ。
「ルイユ? なんで……」
そう発した僕の声は、震えていた。
僕を優先的に助けるからその時は、イラーノ見捨てるとは言っていた。けど今は違う!
僕にヒールをしようとしていた。僕を助けようとしていたのに、イラーノに襲い掛かった。僕も殺そうとしたの?
「ヒール! くそ! 毒なのか!」
毒? 本気で殺す気だったの?
「待て! くそ……」
背を向けてこの場を後にするルイユを追うとアベガルさんは立ち上がるも、僕達を見て止めた。
ルイユは、森の中へ消えて行ったのだった――。
「大人しくしろ!」
イラーノが抵抗するも賊の方が力があり逃げられない。幸いなのは、女だと思っているから今の所殺されない事だ。
凄いスピードで、ルイユはイラーノに近づく。
ドカ!
「ぐわぁ」
「うわぁ」
ルイユに思いっきり蹴られ賊は吹っ飛ぶ。掴まれていたイラーノも引っ張られるもルイユが掴んだのか一緒には吹っ飛ばなかった。
ホッと一安心だ。
「腕、いた……。ルイユありがとう」
痛めた腕にヒールしようとイラーノが、自分の腕に手を持って行った時だった。イラーノが一瞬光に包まれる。それと同時に、僕の背中に激痛が走った!
僕は、前にうつ伏せに倒れる――。
「え? 何? なんでヒール……」
『主様!』
二人の声が聞こえた。目だけで何とか僕の後ろを見ると、賊の男が立っていた。
その賊が持つ剣は、血が滴っている。
「さて、何が入ってるかな?」
横に置いてあったリュックに賊が手を伸ばす。
僕達は、外套を羽織ったまま馬車に乗っていた為、リュックは手に持ち走っていた。
「ぐわぁ!」
リュックを手にする前に、賊は吹っ飛んだ!
『主様! しっかりして下さい』
「はぁはぁ。え? クテュール……」
イラーノも走って、僕の元へ来た。
「あ……ヒール!」
僕の横に来てイラーノがヒールを掛けてくれた――。
「……なんで? ヒール! なんで、効かないの!」
『魔法無効でキャンセルされているんです!』
「どいて! ヒール!」
どうやらルイユは、人の姿になったみたいだ。
ここにアベガルさんが現れたらまずいな。って、そんなところじゃないか……。
どうやらルイユのヒールも効かないみたいだ。
何か、頭がもうろうとしてきた。
「私のでもダメですか!」
「そんな、どうするんだ!」
「主様! 気をしっかり持って下さい。ミサンガを外して! それは、着けた者か着けている本人にしか外せません! 聞こえてますか?」
ルイユの焦った声が聞こえる。
僕は、何とか手を動かそうとするも背中に激痛が走った。
「う……はぁはぁ」
「主様! お願いします。ミサンガを外して! あなたが作る物は性能がいいので、私でも壊せないのです」
壊せない? ただの布なのに……。
「クテュール。頑張って! それ外したらヒールするから!」
イラーノも叫んでいる。
どっちかわからないけど、僕の手を掴んでミサンガの所に持って行ってくれた。でも、手に力を入れようとすると背中に激痛が走って、ミサンガを掴むのさえ苦痛だ。
まさか自分が作ったマジックアイテムで追い詰められて、こんな目に遭うとは思わなかった。
ダメだ……意識が遠のいて行く――。
「お願いです! 気を失わないで!」
ルイユの悲痛な声が遠のいて行った――。
◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◇ ◆
背中が痛いなんで? あぁそうだ。僕、背中を斬られたんだった。あれ? 僕、生きてるの?
「よかった目を覚ましたんだね? 起きて早々で悪いけど、ミサンガを外せる?」
イラーノが、僕を覗き込み言った。
手は、気を失う前と同じ状態だ。ミサンガを掴むと、背中に激痛が走る。でも、何とか耐えられる。麻痺しているのかもしれない。
そして、やっとミサンガを外せた。
「はぁはぁ……ル、ルイユは?」
「ちょっと待って。先にヒールを……」
そう言ったイラーノは、ふと後ろを振り向いた。
「うわぁ! ちょ、ルイユ!」
驚く事にルイユが、イラーノを襲った!
振り向かなければ、ルイユに背中を刺されていただろう。どうなってるの?
左腕を斬られたイラーノは、右手で押さえている。押さえているけど、血が流れているから傷は深いかもしれない。
「待って! ルイユ! もうミサンガ取れ……うわぁ」
ルイユが問答無用とイラーノを刺した大きめのナイフを振り上げた!
「ルイユ! 止めて!」
僕は叫んだ!
けど、ナイフは振り下ろされる!
カキン!
「どうなっている!? なぜルイユがお前達を襲う!」
ルイユが振り下ろしたナイフを受け止めたのは、アベガルさんだ。
「おや、他の者を倒しましたか」
ドサ!
イラーノが倒れた!
僕の横に倒れたイラーノは、顔色が真っ青だ。
「ルイユ? なんで……」
そう発した僕の声は、震えていた。
僕を優先的に助けるからその時は、イラーノ見捨てるとは言っていた。けど今は違う!
僕にヒールをしようとしていた。僕を助けようとしていたのに、イラーノに襲い掛かった。僕も殺そうとしたの?
「ヒール! くそ! 毒なのか!」
毒? 本気で殺す気だったの?
「待て! くそ……」
背を向けてこの場を後にするルイユを追うとアベガルさんは立ち上がるも、僕達を見て止めた。
ルイユは、森の中へ消えて行ったのだった――。
1
あなたにおすすめの小説
荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。
しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。
しかし――
彼が切り捨てた仲間こそが、
実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。
事実に気づいた時にはもう遅い。
道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。
“荷物持ちがいなくなった瞬間”から、
アレクスの日常は静かに崩壊していく。
短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。
そんな彼と再び肩を並べることになったのは――
美しいのに中二が暴走する魔法使い
ノー天気で鈍感な僧侶
そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー
かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。
自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。
これは、
“間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる”
再生の物語である。
《小説家になろうにも投稿しています》
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
レンタル従魔始めました!
よっしぃ
ファンタジー
「従魔のレンタルはじめました!」
僕の名前はロキュス・エルメリンス。10歳の時に教会で祝福を受け、【テイム】と言うスキルを得ました。
そのまま【テイマー】と言うジョブに。
最初の内はテイムできる魔物・魔獣は1体のみ。
それも比較的無害と言われる小さなスライム(大きなスライムは凶悪過ぎてSランク指定)ぐらいしかテイムできず、レベルの低いうちは、役立たずランキングで常に一桁の常連のジョブです。
そんな僕がどうやって従魔のレンタルを始めたか、ですか?
そのうち分かりますよ、そのうち・・・・
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる