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第四話

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 こうなったのは、お父様がお義母様に本当の事を話さなかったからだわ。
 お父様が一番愛しているのは、お義母様なのです。
 これは、感情なので仕方がありません。

 これは私の推測ですが、お父様はお母さまよりお義母様を愛していた。ですがお母様と結婚なさり、すぐに亡くなったのでしょう。
 本来なら亡くなって一年程で、再婚などなさらないでしょうから、お父様の気持ちを知っていたお義母様がすり寄ってきのだわ。

 彼女を愛していたお父様は、再婚した。
 お義母様の目的は、聖女を産む・・事だったのでしょう。思惑通り女子が生まれた。後は、私が聖女にならなければいい。つまり王子に選んでもらうのが、自分の娘になるように仕向ければいい。
 その為にはまず、私の名前を変えた。本当に変える事はできないけど、認識として「リン」がついていなければいいと思ったのでしょう。

 世間的には成功したものの、ヘルラード様と私は内々で婚約してしまう。でも諦めなかった。私が15歳になる前に、ヘルラード様がリンナールを気に入る様に小細工をして成功してしまった。
 私はそれを知らずにいたのです。

 発表直前の婚約破棄。そして、そのままリンナールが婚約者として発表。しかも、私が何もしてこないとも限らないと思ったのか、隣国王子と婚約させてしまうなんて!
 しかもこんな公に。

 これもすべて、お父様がお義母様に嫌われたくないから色々と協力した結果よ。陛下も聖女はいらない。形だけでいい様な事をいっていたのでしょう。だからお義母様に聖女の事をお話ならなかった。

 裏で二人の婚約が進められていると知っていれば、私がお義母様にお教えしたのに。信じたかどうかはわかりませんが。

 お父様も陛下もヘルラード様も、自分の事しかお考えになっておられない。
 国民の事を考えれば、私を追放などあり得ないわ!
 えぇ。追放ではないですよね。でも、追放のなにものでもありませんわ!
 隣国に売るなんて!!

 「よかったです。直接伝える事が出来なかったので、不安だったのですがお受けして頂き、ありがとうございます」

 ソルムナード様が、私をジッと見つめそう言われました。
 この婚約はもしや、彼からなのですか?

 だとしたら、隣国王子の気持ちを利用して、私を排除したのですね。
 宜しいですわ。だったら私、この愛を受け入れ幸せになりますわ。
 聖女の力を貸して欲しいと、泣いて頼んできたとしてもしりません!

 「私も驚いております。宜しくお願い致します」

 「あぁ。幸せにするよ」

 飛び切りの笑顔でほほ笑むソルムナード様が、眩しい。
 見た目もヘルラード様より優っていると私は思いますわ。
 この国では珍しい金髪に空の様に澄んだ碧い瞳。

 今日は、二組のカップルの誕生に、祝いだとお酒が沢山振るわれたのだった。
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