【完結】 ご存知なかったのですね。聖女は愛されて力を発揮するのです

すみ 小桜(sumitan)

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第三話

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 今日は、アンドルダール国の豊作を願う祈願祭りが行われます日です。
 街や村でお祭りムード。
 他国のお偉いさん方が呼ばれ、アンドルダール国にとって自国をアピールし、他国と友好を深める為のお祭りでもある。

 この日に、リンナールとの婚約発表をするという事は、国中ではなく世界中にお披露目すると言う事です。撤回はできません。
 陛下も殿下も本気のようです。
 もう聖女は、この国に必要ないのでしょう。

 本来ならこの会場にいないはずの私ですが、婚約者の家族なので他国の偉い方々に交じって、会場の隅でひっそりとしていました。
 リンナールは、お義母様とお父様の三人で、陛下の近くにいます。
 本当は私も行っていいのでしょうが、隣に並ぶ気になりませんでした。

 「今日は、我が国の豊作を願うお祭りだ。楽しんでいってほしい。その前に二つ・・、皆に嬉しい報告がある。我が息子ヘルラードは、聖女であるリンナール・フォオルソード嬢と婚約した事をここで報告する」

 拍手が起こった。
 聖女か。これで豊作にならなかったらリンナールは、どうするつもりなのか。まあ陛下達は、彼女が聖女でない事は承知しているので責める事はないとして、国民は黙っていないでしょう。

 でももう知らないわ。
 お父様が、お義母様にちゃんと話していれば、こうなっていなかったのかもしれないのだから。
 でもお父様は――。

 「そしてもう一つめでたいことに、リンナール嬢の姉リンリー嬢も、隣国ジムナージュ国のソルムナード殿下と婚約の運びとなった」

 また拍手が沸いた。

 今なんとおっしゃいました!?
 私と隣国の王子が婚約!?
 どういう事ですの?

 お父様の方を見ると、こっちを見ていない。目を反らしているのだわ。

 「リンリー嬢よ。こちらへ」

 陛下に呼ばれては、行かない訳にはいかなくて、ゆっくりと向かって行く。その私に、皆が拍手を送る。
 いらないわ!

 「おめでとう」

 ヘルラード様が、私に言った。
 私は、「どういう事」と言いたいのに、開けた口からは声が出なかった。

 そして、フッと隣には、ソルムナード様が立たれほほ笑む。
 とても嬉しそう。
 どうしてこうなったのかはわかりませんが、ソルムナード様の人柄は知っております。
 とても良い方です。

 ヘルラード様と違い自国の事を考え、まだ王位を継いでいませんいが、一生懸命色んな事を学んでおりました。その一環として少しの間、この国に滞在してお出での時に、ご紹介頂いたのです。

 ソルムナード様の様子からすると、ヘルラード様は私を婚約者だとは紹介していなかったようです。
 やはり、最初からいいえ、少なくとも三年前から妹リンナールと婚約するつもりでいたのでしょう。

 許せません!
 キッと、私はお父様を睨み付けました。ヘルラード様も許せませんが、一番許せないのはお父様ですわ!
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