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3――魔素

10話目

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 1、2、3、4、5、6……。
 俺は指を折って数えてみた。
 やっぱりそうだ。魔素を使わないのはカウントされていない。
 魔素を消費した回数みたいだな。
 あと4回使えば、レベルアップして容量が増える。
 一番いいのは、鑑定か……。
 あ、でも魔法も使ってみたいな。
 よし、まずは魔法だ!

 あぁ、魔法を使える日が来るとは。
 俺は、もし万が一の事を考え、川の縁まで行き手を伸ばす。
 うーん。よくやり方がわからないな。

 「ファイヤー」

 手の平に、ボッと火の玉が出来た!

 「あっち!」

 って、火傷するかと思った。
 火の玉は、手の平から放りだされて、川の中に落ちジュッと言って消えた。
 俺は、右手を川の中に突っ込む。
 ふう。ちょっとひりひりするな。
 ファンタジー小説の様にいかなんだけど……。
 どうせなら、ヒール系もほしい。

 『瞬。何やってるの?』

 川の向こう側からチロがそう声を掛けて来ると、泳いで隣に来た。
 そして、お約束と通りに水をはらう。

 「あのな……。もういいや。あのさ、ファイヤーの魔法の使い方教えてほしんだけど」

 『魔法? うーん。火を付ける場所を定めて、唱えればいいよ』

 火を付ける場所? そっか。最初から狙いを定めないとダメなのか。
 あ、そうだ。チロを鑑定してみよう!

 「チロを鑑定!」

 よし、これで後二回。

 ――チロ/ホワイトドラゴン/女/0歳
 共有者/瞬
 ブレス/炎

 うん? あれ? これだけ?
 チロって鑑定も使えていたよな。魔素感知も俺よりも……あ、そっか。相対的に俺よりレベルが上なんだ。だから見れない。
 あれだな。鑑定も使ってレベル上げした方がいいかもな。

 ううん? 0歳だと!
 本当に生まれたばかりだったのか。
 本当なら母親の側にいたいだろうに。
 うん! 魔素を集めて持って行く方法をちゃんと考えよう!

 取り合ず後二回鑑定を行って、胃袋異空間をレベルアップさせよう。
 ぶちっ。
 これでいいや。
 近くにあった草を引き抜き鑑定する事にした。

 「鑑定」

 ――トゲ草
 小さなトゲがある草。魔素を吸収すると大きく成長する。

 ――コットン草
 魔素化すると、コットンの様になる。

 うん? 似ている草だったのか。見分けがつかないんだけど。
 魔素化すると、コットンの様にって見た目も変かしちゃうのか。魔素化って凄いな。
 魔素化の事を詳しく聞いた方がいいかもな。
 下手したら俺もなる可能性があるんだし。

 「なあ、チロ……」

 見るとチロは、川の水を可愛くなめて飲んでいた。
 こうしていると猫にしか見えないよな。かわいいなぁ。
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