13 / 55
『レベル3―家庭訪問お断り―』
―3―
しおりを挟む
「では、そんな勇者様に朗報です! レベルアップにご協力しま~す!」
はぁ? 朗報……レベルアップ!?
嫌な事しか浮かばないんですけど!
「待って! モンスターは呼ばないで!」
そう叫ぶも、いつの間にか光る円陣が彼女の斜め上に――また魔法陣が!
「リンクする! 落ちて来て!」
「だから、ダメだってばぁ!」
僕が叫ぶも、ミーラさんはモンスターを呼んでしまった!
パスカルさんは、何も言わずに神妙な顔つきで僕と現れたモンスターを見ている。
って、なんで僕の部屋でモンスター召喚してるんだよ!!
逃げ場もないし、放ってもおけないじゃないか!
召喚されたモンスターは、見た目は可愛いうさぎだ。大きさもこの地球にいるうさぎと変わらない。
この前、召喚された熊よりもマシなのか?
なんて、思っていたらウサギはジャンプして、僕のお腹に体当たり!
無様に僕はひっくり返った。
……めちゃくちゃ、お腹が痛いです。
そう言えば僕、初めて攻撃を食らったかも……。
見た目より、全然狂暴だー!
「ファイト―!」
僕はパスカルさんの後ろに隠れ、応援するミーラさんを睨む。
二人は手伝ってくれるつもりなんてないだろうな。杖をレベルUPさせる為には、僕が倒さないと意味がないんだから……。
なんでこうなるんだ!
「僕にちか……いた!」
仕方なしに杖を構え、台詞を言おうとするも、素早い攻撃でケリを入れられる。
って言うか一方的だ。攻撃されるとわかったからか、着地するとすぐに攻撃態勢だ。
僕に杖を使わせないつもりらしい。
このモンスター、知力があるのかよ!
大怪我するほどじゃないけど、地味に痛い。きっとあざだらけに違いない。
「もう! 痛いって!」
「何をしている! 杖が壊れたらどうするのだ!」
突然のパスカルさんの憤慨に僕は驚く。――杖を盾にモンスターの攻撃を受け止めたかららしい。
使い方は違うかもしれないが、呪文が間に合わないから仕方がないじゃないかぁ!
「だって、台詞言われてくれないし!」
「それは君と一心同体と言っていい品物だ! まんまの言葉でなくとも発動出来るはずだ!」
パスカルさんの助言に僕は試してみる事にする。
「倒せ!」
飛びかかって来るうさぎに杖を向け、一言叫んだ!
うさぎは、僕に到達する前に消滅した!
僕はそのまま尻餅をつく。
疲れた……。
「素晴らしい! いやぁ、見事な杖だ!」
褒めるのは杖ですか……。
いや、もうこれ無理だよ。僕、魔法使いじゃないし!
「あの僕は、魔法使いになる訓練も受けてないし知識もないんですけど……。ついでに勇者にも興味ありません!」
「いやいや、ワシよりも出来ている! 大体その杖を使いこなしているのだから、立派な魔法使いだ!」
うん? パスカルさんよりもって? 向こうの世界の魔法使いって弱いの?
「パスカルさんって、魔法使いの師匠なんですよね? ミーラさんが弟子で……」
「何を言っておる。ワシは、杖の匠と言っただろう。倒せる魔物は、これぐらいの大きさで動かないものぐらいだ。杖の試し撃ちをする程度だ」
なんですとー!
パスカルさんは、小指を立てて説明した。みみずか毛虫程度の大きさで、動かない相手しか倒した事がないと言われた。
「じゃなんで、ミーラさんは杖なんて使おうとしたの?」
なんで使えないのに使おうとしたんだぁ! 迷惑この上ない!
「だぁて。才能がなくとも一度は使ってみたいよね? どけてある杖があったからちょっと拝借して、この世界ならバレないかなぁって」
ミーラさんは、詫びれた様子もなく言った。しかも、一体だけ呼ぶつもりが十体も召喚されてしまったって笑顔でのたまった!
何考えてるんだよ! 召喚すらまともに出来てないじゃないかぁ!!
「ばかも~ん!」
「ごめんなさ~い」
パスカルさんの正拳がミーラさんに落とされ、彼女は涙目だ。
僕が文句を言う前に、天罰が下った!
「あれは、試し撃ちしても発動しなかった品だから、退けて置いた物だ! 本当の失敗作だったらどうするつもりだったのだ!」
「……そう、きっと運命だったのよ! 偶然じゃなくて導かれたのよ! そういうモノでしょ! 伝説の杖なんだもん! さすが師匠! 伝説の杖を造るなんて!」
うわ~。すごい、よいしょだ……。しかも、パスカルさんも満更じゃなさそうなんだけど……。
はぁ。ミーラさんに乗せられてどうするんだよ……。
いやそれより、どうにかしなくては……。
このままだと、杖のレベルを上げる協力をしなくていけなくなる!
「あの! わかってると思いますけど、この世界には魔法使いなんていません! つまり杖というのは持ち歩かないんです! 人目に付く杖は持ち歩きたくないんです!」
「じゃ、今みたいにこの部屋で召喚すればいいじゃない」
僕の必死の抵抗をミーラさんはそう返した。
周りを見れば、整えたベットも綺麗に並べた本棚の本も、いつもよりぐちゃぐちゃだ!
今回のモンスターは、物体を通り抜けなかった!
「周りを見てから言ってよ! 自分さえ良ければそれでもいいのかよ! そんな考えならお断りだ!」
お人好しの僕だって、堪忍袋ぐらいある!
デメリットしかない、しかも感謝すらされない事に何故協力しなくてはいけないんだ!
僕は、杖をミーラさんに突っ返した。
「悪いけどそれ持って帰ってよ! 君達に事情があるように僕にもあるんだ! 僕にだって日常があるんだよ!」
「うむ。わかった」
パスカルさんは、僕の言っている事をわかってくれたようで頷いた。
よかった……。
「杖は持ち歩けるようにコンパクトになるように、改良を試みてみよう。報酬も検討する。どうだ?」
「………」
わかっていなかったぁ!!
僕は、協力をしたくないって言っているんだぁ!
「そんな事出来るの? って、報酬ってそっちの世界の常識じゃなくて、僕の基準に合わせないと納得できないけど……」
「なんとかしよう。楽しみに待っていてほしい」
……楽しみにって。楽しみなわけないだろう!
二人はその後、杖を持って帰って行った。
……まてよ。持って来たところで受け取らなければいいんだ。報酬に納得いかないって言って突っぱねればいい!
僕はそう簡単に思っていたんだ。だが甘かった――。
はぁ? 朗報……レベルアップ!?
嫌な事しか浮かばないんですけど!
「待って! モンスターは呼ばないで!」
そう叫ぶも、いつの間にか光る円陣が彼女の斜め上に――また魔法陣が!
「リンクする! 落ちて来て!」
「だから、ダメだってばぁ!」
僕が叫ぶも、ミーラさんはモンスターを呼んでしまった!
パスカルさんは、何も言わずに神妙な顔つきで僕と現れたモンスターを見ている。
って、なんで僕の部屋でモンスター召喚してるんだよ!!
逃げ場もないし、放ってもおけないじゃないか!
召喚されたモンスターは、見た目は可愛いうさぎだ。大きさもこの地球にいるうさぎと変わらない。
この前、召喚された熊よりもマシなのか?
なんて、思っていたらウサギはジャンプして、僕のお腹に体当たり!
無様に僕はひっくり返った。
……めちゃくちゃ、お腹が痛いです。
そう言えば僕、初めて攻撃を食らったかも……。
見た目より、全然狂暴だー!
「ファイト―!」
僕はパスカルさんの後ろに隠れ、応援するミーラさんを睨む。
二人は手伝ってくれるつもりなんてないだろうな。杖をレベルUPさせる為には、僕が倒さないと意味がないんだから……。
なんでこうなるんだ!
「僕にちか……いた!」
仕方なしに杖を構え、台詞を言おうとするも、素早い攻撃でケリを入れられる。
って言うか一方的だ。攻撃されるとわかったからか、着地するとすぐに攻撃態勢だ。
僕に杖を使わせないつもりらしい。
このモンスター、知力があるのかよ!
大怪我するほどじゃないけど、地味に痛い。きっとあざだらけに違いない。
「もう! 痛いって!」
「何をしている! 杖が壊れたらどうするのだ!」
突然のパスカルさんの憤慨に僕は驚く。――杖を盾にモンスターの攻撃を受け止めたかららしい。
使い方は違うかもしれないが、呪文が間に合わないから仕方がないじゃないかぁ!
「だって、台詞言われてくれないし!」
「それは君と一心同体と言っていい品物だ! まんまの言葉でなくとも発動出来るはずだ!」
パスカルさんの助言に僕は試してみる事にする。
「倒せ!」
飛びかかって来るうさぎに杖を向け、一言叫んだ!
うさぎは、僕に到達する前に消滅した!
僕はそのまま尻餅をつく。
疲れた……。
「素晴らしい! いやぁ、見事な杖だ!」
褒めるのは杖ですか……。
いや、もうこれ無理だよ。僕、魔法使いじゃないし!
「あの僕は、魔法使いになる訓練も受けてないし知識もないんですけど……。ついでに勇者にも興味ありません!」
「いやいや、ワシよりも出来ている! 大体その杖を使いこなしているのだから、立派な魔法使いだ!」
うん? パスカルさんよりもって? 向こうの世界の魔法使いって弱いの?
「パスカルさんって、魔法使いの師匠なんですよね? ミーラさんが弟子で……」
「何を言っておる。ワシは、杖の匠と言っただろう。倒せる魔物は、これぐらいの大きさで動かないものぐらいだ。杖の試し撃ちをする程度だ」
なんですとー!
パスカルさんは、小指を立てて説明した。みみずか毛虫程度の大きさで、動かない相手しか倒した事がないと言われた。
「じゃなんで、ミーラさんは杖なんて使おうとしたの?」
なんで使えないのに使おうとしたんだぁ! 迷惑この上ない!
「だぁて。才能がなくとも一度は使ってみたいよね? どけてある杖があったからちょっと拝借して、この世界ならバレないかなぁって」
ミーラさんは、詫びれた様子もなく言った。しかも、一体だけ呼ぶつもりが十体も召喚されてしまったって笑顔でのたまった!
何考えてるんだよ! 召喚すらまともに出来てないじゃないかぁ!!
「ばかも~ん!」
「ごめんなさ~い」
パスカルさんの正拳がミーラさんに落とされ、彼女は涙目だ。
僕が文句を言う前に、天罰が下った!
「あれは、試し撃ちしても発動しなかった品だから、退けて置いた物だ! 本当の失敗作だったらどうするつもりだったのだ!」
「……そう、きっと運命だったのよ! 偶然じゃなくて導かれたのよ! そういうモノでしょ! 伝説の杖なんだもん! さすが師匠! 伝説の杖を造るなんて!」
うわ~。すごい、よいしょだ……。しかも、パスカルさんも満更じゃなさそうなんだけど……。
はぁ。ミーラさんに乗せられてどうするんだよ……。
いやそれより、どうにかしなくては……。
このままだと、杖のレベルを上げる協力をしなくていけなくなる!
「あの! わかってると思いますけど、この世界には魔法使いなんていません! つまり杖というのは持ち歩かないんです! 人目に付く杖は持ち歩きたくないんです!」
「じゃ、今みたいにこの部屋で召喚すればいいじゃない」
僕の必死の抵抗をミーラさんはそう返した。
周りを見れば、整えたベットも綺麗に並べた本棚の本も、いつもよりぐちゃぐちゃだ!
今回のモンスターは、物体を通り抜けなかった!
「周りを見てから言ってよ! 自分さえ良ければそれでもいいのかよ! そんな考えならお断りだ!」
お人好しの僕だって、堪忍袋ぐらいある!
デメリットしかない、しかも感謝すらされない事に何故協力しなくてはいけないんだ!
僕は、杖をミーラさんに突っ返した。
「悪いけどそれ持って帰ってよ! 君達に事情があるように僕にもあるんだ! 僕にだって日常があるんだよ!」
「うむ。わかった」
パスカルさんは、僕の言っている事をわかってくれたようで頷いた。
よかった……。
「杖は持ち歩けるようにコンパクトになるように、改良を試みてみよう。報酬も検討する。どうだ?」
「………」
わかっていなかったぁ!!
僕は、協力をしたくないって言っているんだぁ!
「そんな事出来るの? って、報酬ってそっちの世界の常識じゃなくて、僕の基準に合わせないと納得できないけど……」
「なんとかしよう。楽しみに待っていてほしい」
……楽しみにって。楽しみなわけないだろう!
二人はその後、杖を持って帰って行った。
……まてよ。持って来たところで受け取らなければいいんだ。報酬に納得いかないって言って突っぱねればいい!
僕はそう簡単に思っていたんだ。だが甘かった――。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた
しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。
すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。
早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。
この案に王太子の返事は?
王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる